日本の自然災害 2.切迫する首都直下地震とは 内閣府で首都直下地震対策を検討するに先立って、過去に繰り返し発生してきた首都直下地震のうち、 江戸に幕府が開らかれ、南関東に多くの人が住み始める 1600 年以降について、時間軸に合わせて地震の マグニチュードを図示したのが図1である。それによると、南関東では地震の活動期と静穏期が繰り返さ れている。1703 年の元禄関東地震に至る 100 年間は内陸直下地震が活発に活動した期間であった。元禄 関東地震の後は静穏期が続くが 1800 年代に入って再び内陸直下の地震が頻発し始め、1923 年の大正関 東地震に至る活動 ß 期となった。そして再び静穏期となって現在に至る。 このような過去の経緯から、21 世紀には南関東地域は地震の活動期に入り、22 世紀に再び相模トラフ の海溝型の関東地震が発生するのではないか、と考えられる。このように引き続く内陸直下でのM7クラ スの複数の地震のうち、最初の地震が引き起こされる確率が、 「30 年以内に首都地域にM7クラスの自沈 が発生する確率は 70% である」と、文部科学省地震調査研究推進本部による長期評価が公表されている。 その長期評価は、唯一、地震モデルを設定しないで、過去 150 年間に起きているM7クラスの5つの地震 に基づいて行われた。その5つの地震とは、表1の*である。 72
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