第1回勉強レポート:優秀レポートの基準 1) 指示を守っていること。 A4レポート用紙、左上をとじる、など。 2) 発展問題を解いていること。 授業の例と似ているものは除外。例 3x2など。 3) ベクトルをベクトルらしく書いていること。 太字または上に矢印 4) 「力」を列挙する問題で、力以外のものが含まれていないこと。 圧力、電力は力ではない。 1 運動方程式の例2:重力 2 基本ベクトルの復習 ex , e y , ez x軸、y軸、z軸方向の単位ベクトル(長さ1)。 もし軸が動かない場合は、座標で書くと、 z e x (1,0,0) e y (0,1,0) ez ex e z (0,0,1) O y ey x 参考:動く電車の中で基本ベクトルを考える場合は、 基本ベクトルは時間の関数になるので、 時間で微分して0にならない場合がある。 3 動径ベクトル 復習 r 位置ベクトルとも言う。 r xe x ye y zez z 原点Oから物体までのベクトル。 r ez ex x P(x,y,z) O ey y r x(1,0,0) y(0,1,0) z(0,0,1) ( x, y, z) 4 動径ベクトルを微分する。 r xe x ye y zez 補充問題(前ではやりません) e ,e ,e 基本ベクトル が定数(動かない)の時、 x y z 動径ベクトルを微分して以下を示せ。 dr dx dy dz dx dy dz v ex e y ez , , dt dt dt dt dt dt dt d x d y d z dv d x d y d z a 2 e x 2 e y 2 e z 2 , 2 , 2 dt dt dt dt dt dt dt 2 ヒント:積の微分法 2 2 fg f g fg 2 2 を使う。 2 5 運動方程式の例:重力場中 ma F 質量x 加速度 =力 例2:重力が質量mの質点に働いているなら、 z 下向けにmgの力を受ける。 mg gは重力加速度。 y g= 9.8 m/s2 x ベクトルで書くと、 m ge z 運動方程式は、 はz軸方向に 2 e z d r 上向けの長さ1の m 2 m ge z ベクトル。 dt 成分で書くと、 tは時間 (0,0,1) 問題2 例2の運動方程式の両辺を、x,y,z成分で書け。 微分方程式を解いて、運動を求めよ。(一般解を求めよ。) 6 g 重力加速度 このページは試験に 出ません。 gravity 重力 参考 「gr」がつく単語は 重いものが多い。(例外もある) grave 重大な、墓 grief 悲しみ gray 灰色 grim 陰鬱な 2 d r 例2の解答 m 2 m ge z z dt mg y 成分で書くと、 r ( x, y, z ), e (0,0,1) より x z 2 d x dx m 2 0 vx0 x(t ) vx 0t x0 dt dt d2y dy y(t ) vy 0t y0 m 2 0 vy0 dt dt d 2z gt2 dz m 2 m g vz 0t z0 gt v z 0 z (t ) dt 2 dt vx0 , vy 0 , vz 0 , x0 , y0 , z0 は定数。初期条件で決まる。 野球場でボールを打つ。初期速度は例えば1塁と2塁の 間のある方向。初速度の方向には等速、 z方向には重力が働き等加速度運動。 現実には空気抵抗、ボールの回転も影響する。 8 例2の解答の前半:成分で表す。 d 2r m 2 m ge z dt 2 2 2 d r d x d y d z 2 , 2 , 2 2 dt dt dt dt 2 運動方程式は、 2 d 2x d 2 y d z m 2 , m 2 , m 2 m g(0,01) (0,0,m g) dt dt dt 2 2 2 d x d y d z m 2 0, m 2 0, m 2 m g dt dt dt 9 例2:x方向の運動からわかること。 x方向の運動 d 2x m 2 0 dt d 2x 0 2 dt 質量mは0ではないため dx vx0 dt x(t ) vx 0t x0 力を受けない方向には、等速度で進む。 ・野球のボール場合には、空気抵抗があるので、 速度はだんだん小さくなる。 では、一定の力を受ける場合は? → 次のページへ。 10 z方向の運動からわかること。 d 2z d 2z m 2 m g g 2 dt 両辺をmで dt 2 割る gt z (t ) vz 0t z0 2 dz gt v z 0 dt 右辺にマイナスがある理由 z座標は上向けにプラス。 重力は下向けに働く。 一定の力を受ける場合は、 ・落下の速さ(速度の絶対値)がどんどん大きくなる。 ・落下距離は、時間tの2次関数になる。 問題 原点から出発、初速度がx方向の時の 速度、動径ベクトルの各成分を求めよ。 さらに、xとzの式から時間tを消去して、zをxの関係として 表し、軌道が放物線になることを確認せよ。 11 ネアンデルタール人とクロマニヨン人の話 ・ネアンデルタール人の骨が発見された。 ・肋骨に槍(やり)による傷跡。 斜め45度から。 ・ネアンデルタール人は森で生活。 近くまで行ってから、動物を槍で刺していた。 ・一方、クロマニヨン人は、大平原で暮らしていた。 遠くの動物に槍を投げて刺す。 ・ネアンデルタール人はクロマニヨン人に 殺されたのかも。 12 補足 初期条件とは: 出発地点の位置rと速度vのこと。 13 運動方程式からわかること 運動量、力積、運動エネルギー 14 運動方程式 ma F からわかること 問題1: 運動量 p mv を使って、 運動方程式は dp と書けることを示せ。dt F 運動量: 運動の勢いを現す。 教科書p.51-52 問題2:前問の結果より、 t2 p p Fdt 力積により 運動量が変化する。 2 1 t1 を示せ。 教科書p.55 問題3:運動方程式と速度ベクトルの内積を とることにより、 P1 1 1 2 2 m v 1 m v 0 F dr P0 2 2 を示せ。 運動エネルギーの変化=仕事 15 教科書p.20 問題1の解答 ma F 運動量 p m v 問題1 dp d (mv ) dt dt dv m dt ma F (1) を使って、書き換える。 運動量: 運動の勢いを現す。 質量mは時間によらず 一定だとする。 16 問題2の解答 前問より dp F dt 微分の逆は積分 p Fdt 時間t1, t2における運動量をp1, p2とすると、 t2 p 2 p1 Fdt 力積により運動量が変化する。 t1 17 運動量 momentum p mv 運動量 = 質量 x 速度 重い物ほど運動量が大きい。速いほど運動量が大きい。 衝突の時の勢いを表す。方向も示す。 dp F dt 力を受けると、運動量が変化する。 18 力積(りきせき) t2 t1 Fdt impulse 力積=力 x 時間 運動量の変化は力積に等しい。 t2 p 2 p1 Fdt t1 19 仕事 F d r work ・内積 F 仕事=力 x 距離 dr 経路に沿った微小長さ。接線方向 dr (微小=非常に小さい) 例:水平面上に物体があり、 水平から60度の角度で5Nの力を加えて 3m引っ張った場合、した仕事は、 5N x 3m x cos60°=7.5N・m 20 運動エネルギー kinetic energy 1 2 mv 2 1 2 運動エネルギー 質量 速度 2 21
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