H25 年国公2次試験専門問題解説(水理)

H25 年国公2次試験専門問題解説(水理)
【No.20】
(1)
ア:非定常
イ:定常流(または定流)
ウ:等流
エ:sin θ ,または tan θ ,または θ
オ:マニング式は,
より,
𝑣=
1 2/3 1/2
𝑅6/1
𝑅6/1
𝑅 𝑆0
= 1/2 �𝑔𝑔𝑆0 = 1/2 𝑢∗
𝑛𝑔
𝑛𝑔
𝑛
𝑆𝑓 =
∴
𝜏0
𝑢∗2 𝑛2 𝑣 2
=
=
𝜌𝜌𝜌 𝑔𝑔 𝑅4/3
(2)
(a)定常であるので,③④式の左辺第一項は消去できる.また,広長方形断面が仮定されてい
るので,両式は
𝑞 = 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐.
𝑑ℎ
𝑞 2 𝑑 −2
(ℎ ) +
− 𝑆0 = −𝑆𝑓
2𝑔 𝑑𝑑
𝑑𝑑
よって,
𝑞2
𝑑ℎ
�1 − 3 � = 𝑆0 − 𝑆𝑓
𝑔ℎ
𝑑𝑑
∴
𝑆0 − 𝑆𝑓
𝑑ℎ
=
𝑞2
𝑑𝑑
1− 3
𝑔ℎ
次に,等流水深と限界 水深を用いると,⑥式が 得られる.(マニング式 とフルード数の定義
から容易に得られる.)
等流水深は,マニング式より
𝑞=
𝑛2 𝑞 2
�
𝑆0
1 5/3 1/2
ℎ
𝑆0 ,
𝑛 𝑛
∴ ℎ𝑛 = �
𝑞2
= 1,
𝑔ℎ𝑐3
𝑞2
∴ ℎ𝑐 = � �
𝑔
限界水深は,フルード数が 1 より,
1/3
3/10
(b)水面形を描く問題である.下図の通りとなる.
hn
M2 曲線
S2 曲線
跳水
支配断面
S1 曲線
(3)
(a)
連続式は,両断面を通過する単位幅当たり流量が等しいことから,
𝑐ℎ = 𝑣2 (ℎ + 𝜂)
運動方程式は,運動量の定理を適用し,
1
1
−𝜌(ℎ + 𝜂)𝑣22 + 𝜌ℎ𝑐 2 = 𝜌𝜌(ℎ + 𝜂)2 − 𝜌𝜌ℎ2
2
2
(b)
上式を連立させて求めると,
η ≪h より,
𝑐2 =
1
ℎ
𝑔(ℎ + 𝜂) �2 + �
2
𝜂
𝑐 2 ≈ 𝑔ℎ
(c)
∴ 𝑐 ≈ �𝑔ℎ
(i) シ:フルード数
(ii) フルード数 v/c の値により以下の 3 つに流れは区分される.
v/c > 1 :射流
水面の擾乱が上流へ伝播することができないため,水面形は上流側から決まる.
v/c = 1 :限界流
水面の擾乱が同じ位置で停止する.
v/c < 1 :常流
水面の擾乱が上流側へ伝播できるため,水面形は下流側から決まる.
(iii)フルード数の二乗は,
𝐹𝐹 2 =
と表せる.一方,限界水深は
𝑣2 𝑣2
𝑞2
=
=
𝑐 2 𝑔ℎ 𝑔ℎ3
1/3
𝑞2
ℎ𝑐 = � �
𝑔
より,
𝐹𝐹 2 =
ℎ𝑐 3
ℎ3
よって,単位幅流量と水深からフルード数が計算され,流れの状態を判断でき,水面形の計算
方向が決定できる.
(※問題が意図しているところが曖昧であるので,この解答例が妥当であるか判断 しかね る.)
(4)
(a)
L1
L2
上図の様に記号 L 1 , L 2 を定義すると,波の中心位置(破線)に段波があると想定することで,
単位時間の進行により次の連続式が成り立つ.
ℎ1 𝐿1 + ℎ2 𝐿2 = ℎ1 (𝐿1 + 𝑣𝑤 − 𝑣1 ) + ℎ2 (𝐿2 + 𝑣2 − 𝑣𝑤 )
よって,
∴ ℎ1 (𝑣𝑤 − 𝑣1 ) = ℎ2 (𝑣𝑤 − 𝑣2 )
𝑣𝑤 =
𝑞1 − 𝑞2
ℎ1 − ℎ2
一般的に,q は h の関数である(例えばマニング式など)ので,下図の様なグラフが想定さ
れる.
q
q=q(h)
q1
q2
h
h1
h2
よって,v w の極限は h 2 →h 1 ,すなわち
𝑣𝑤 →
となる.
𝑑𝑑
�
𝑑ℎ ℎ=ℎ1
(b)
マニング式から,摩擦勾配は次式で示される.
𝑆𝑓 =
𝑛2 𝑣 2
𝑅4/3
よって,⑩式から(もしくはマニング式そのものから),次式が得られる.
𝑞=
�𝑆0 5/3
ℎ
𝑛
∴ ℎ=�
時間微分すると,
𝑛
�𝑆0
𝜕ℎ 3 𝑛
= �
�
𝜕𝜕 5 �𝑆0
�
3/5
これを⑨式へ代入し,整理すると,
となり,特性曲線
𝜕𝜕 5 𝑛
+ �
�
𝜕𝜕 3 �𝑆0
3/5
𝑞 2/5
3/5
𝑞 3/5
𝑞 −2/5
𝜕𝜕 𝜕𝜕
𝜕𝜕
=
+ 𝑣𝑚
=0
𝜕𝜕 𝜕𝜕
𝜕𝜕
5 𝑛
𝑑𝑑
= 𝑣𝑚 = �
�
3 �𝑆0
𝑑𝑑
3/5
上で q は一定(dq/dt=0)となる.マニング式より,
𝑣𝑚 =
5 𝑛
�
�
3 �𝑆0
3/5
𝜕𝜕
𝜕𝜕
𝑞 2/5 =
𝑞 2/5
5𝑞 5
= 𝑣
3ℎ 3
(※この関係は Kleitz-Seddon の法則と呼ばれるものの一部を示している.)