PowerPoint プレゼンテーション

Bimetric gravity と AdS/CFT 対応
野村 紘一 (京都大学 D3)
contents:
1.AdS/CFT 対応について
2.一般相対論の場合
3.Massive gravity の場合
4.Bimetric gravityの場合
応
用
1. AdS/CFT 対応
ホログラフィーの一種
5次元の重力理論 ↔ 4次元の物質場の理論
5次元の漸近的AdS時空
重力理論
(一般相対論とか)
①運動方程式を解く
4
次
元
の
境
界
②境界の情報を切り出す
物質場の理論
利点:5次元の重力側が弱結合
4次元の物質場が強結合
比較的簡単な重力側の運動方程式を解くことで、
直接には扱いにくい複雑な物質場の理論を調べることができる
例)quake-gluon plasma, 高温超電導, non-Fermi liquid
ナド
・massiveな重力理論は、散逸系の記述に応用できるのではないかと期待されている
・ただし、どの重力理論と、どの物質場の理論が対応するか、
あらかじめ知ることは難しい・・・・・・計算はできても、物理的な意味を読み取りにくい
今回の話は
最も簡単な例の
5次元の一般相対論(重力のみ) ↔ 4次元の クウォーク・グルオン・プラズマ
をmassive gravity やその発展形のbimetric gravityに拡張してみる
2. 一般相対論の場合(review)
5次元の重力理論のAction (いつもの一般相対論)
Einsyein-Hilbert term
Gibbons-Hawking term
counter term
 : induced metric on the AdS-boundary
K
:extrinsic curvature
: spatial curvature,
発散を処理するために
加える
漸近的AdS時空として Schwarzschild AdS Black-Holeを用いる
u0
u 1
:AdS-boundary
:Black Hole Horizon
r0 : constant
Schwarzschild AdS
Black-Hole
u
u=1: Black Hole
Horizon
u=0: AdS境界
座標(t,x,y,z)
この時空の上で
重力場の摂動を考えて
運動方程式を解いて
 (u )  ( 0 )
Fourier transform (t → ω)
iL2 ( 0 ) 4

 u  ......
4r0
 ( 0)   (u  0) : AdS境界での値
もとのactionに代入する
~境界の量だけで書かれている
イメージとしては
5次の時空


(0)
AdS境界
摂動がAdS境界に侵入して、物質場がかきみだされる
境界での値 
のsourceになる
(0)
がエネルギー運動量テンソル(の摂動)
(0)
・・・・
S   T
境界側のエネルギー運動量テンソルを求める
一方で、物質場の方での(時空の歪みに対する)線形応答の式
二つを比べて
圧力:
Sheer viscosity:
ついでに
エントロピー
なので
3. dRGT massive gravityの場合
(16πG=1,L=1)
一般相対論に
質量項を足す
e( A):行列Aのトレースの組み合わせで書ける関数
g
摂動を考えると
: 固定されたバックグラウンド時空
理論の外から手で与える
先の場合と、同じ摂動
を考えて
Fourier transform (t → ω)
運動方程式を解き、
A   ( 0 ) ,
B  i
もとのactionに代入する

4
 (0) ,
発散している
新しく相殺項を加えて発散を除去
摂動を考えたときは
それでもまだ発散が残る
graviton の質量の2乗がやや負になる必要がある(BF-bound)
(
全ての発散が除去された
)
Action:
から
境界での物質場の
エネルギー運動量テンソルを求めると
一方で線形応答の式は
だったので
圧力がゼロとなってしまう
実は、圧力はバックグラウンドの時空の分配関数からも計算できる
S E 摂動無しの
ユークリッド化されたaction
・・・・矛盾している
3. bimetric gravityの場合
・Massive gravity にはnon-dynamical な変数が含まれていた
(理論内の運動方程式からは決定されない)
・このmetric にもdynamicsを与えて運動法方程式から決定する方が自然
Bimetric gravity: 二つのメトリックg、fを含む理論
(massless graviton とmassive gravitonを含む)
S Bi [ g , f ]  SGR [ g ]  SGR [ f ]  Sint [ g , f ]
g,f それぞれについて一般相対論のときと同じ運動項
ただし、重力定数は違ってもいい
以下、
G と G としておく
g
f
前と同様に、Schwartzschild AdS BH (bimetric gravityの解)
のまわりでの摂動を考えて
Massive gravity のときと同じようにして発散を除去する
運動方程式を解いてactionに解を代入、境界の情報を拾ってくると
ふたつ場があるので、エネルギー運動量テンソルがふたつ出てくる
・・・・2成分流体と解釈
境界での物質場のエネルギー運動量テンソルを求めると
T(xy) 
T(xy) 
線形応答の式
と比べて
圧力P
T( )
T( )
Sheer viscosity
二つの流体のtotal pressureは
backgroundのみから計算したものと一致
+
=
Massive gravity での奇妙な振る舞いは回避された
また、エントロピーとの比は

s
特に
では
,


s

,
4.まとめ
・AdS/CFT対応の(もっとも簡単な)ひとつを
dRGT massive gravityに適用してみたところ、奇妙な結果が得られた
~massive gravity 自体も奇妙な理論ではある
・より“自然な”bimetric gravity に拡張することでこの問題は回避できた
・ただし、今回調べたのはもっとっも簡単な設定だけなので、
境界側に現れる理論が何かを調べるには、
もっとほかのタイプの摂動なども調べる必要がある
To interpret this result, we assume that there are two AdS-boundaries at u=0,
which correspond to metric g and f respectively. Focusing on the boundary
for g, the field sourced by φ has the energy momentum tensor
T(xy) 
sourced by φ
we are focusing on the boundary not for f
and the field sourced by ψ has the energy momentum tensor
T(xy) 