II 太陽近傍の星形成 概観: 星間ガスから星へ Dame 他 水野ほか(1995) 大西ほか(1998) HI雲(10-100/cc, 80K) 分子雲(102-3/cc, 10K ) 分子雲コア(>104/cc, 10K) 原始星(質量獲得中) 前主系列星(Tタウリ型星、Herbig Ae/Be星) 主系列星 原始星 M17-SO1 5000AU 大西ほか(2002) 酒向ほか(2005) 星の故郷 分子雲 質量~103-106 Msun ; 密度 ~100cm-3; 温度~10K © SciencePhotoLibrary, Mizuno et al.1995 星間ガスの各フェイズ log(温度) • 希薄な中性ガス (Warm Neutral Medium, Cold Neutral Meidum)が ほぼ圧力平衡を保っ ている。 WNM CNM •分子ガス中では圧力 星の形成へが大きく、 自己重力的 分子雲 となっている。 log (数密度) 銀河内における分子雲の分布 近傍のFace-on銀河の観測 M33 Engargiola+ (2003) M51 Koda+(2011) • 分子雲はほぼ銀河の渦状腕に沿って分布している。 • 銀河衝撃波による圧縮→分子雲形成? 分子雲のフィラメント構造 Aquila Rift • 分子雲はフィラメント 状雲の集合体である。 • 星形成コアは 不安定なフィラメント で誕生。 Andre et al. 2011 分子雲乱流に関するLarsonの法則 分子雲は乱流状態 観測される線幅は熱的なものより大きい • 速度分散は大スケールほど大きくなってい る Solomon et al. (1987) • 自己重力的 • 柱密度はだいたい一定 注)上の3法則は2つを認めるともう1つは自動的に出てくる。 分子雲からの星形成率は低い 太陽より内側の分子雲の質量合計109Msunが 自由落下時間tff で星になると、 実際の銀河系内の星形成率は2-3Msun/yr程度 で、100倍も低い 分子雲、分子雲コアの質量関数 分子雲自身、および分子雲内 のクランプの質量関数は星のIM Fよりフラット dN/dm ~ m-1.6 分子雲コアの質量関数は星の IMFとよく似ている どうやら分子雲コアの 質量関数がIMFを決めて いるようだ。 Motte et al. 1998 星の初期質量関数(IMF) Orion Trapezium ClusterのIMF Muench et al. 2002 • High-mass側でpower-lawで落 ちる。 dN/dm~m-2.35 いわゆる Salpeter IMF • Peakが0.1-1Msunに存在し、そ れ以下では分布がflatないし減 少となる。 星形成環境とIMF Kroupa (2002) あまり環境にはよっていない ようである。 フィールドと星団で同じ。 大質量星形成領域でも 同じ。 金属度にも依存してい る様子はみられない。 楕円銀河ではbottom-heavyという話もある (M/L比がSalpeter IMFの場合より高いことから) log(M/Msun) 分子雲コアの構造 Bok Globuleの減光観測 神鳥ほか(2004) 分子雲コアでは非熱的な乱流よりも熱的な速度分 散が卓越している。 柱密度はだいたい力学平衡な等温ガス球モデルで よく再現される 中小質量星形成の標準シナリオ 1970-80年代に確立 林忠四郎、Larson,Shuら 1.分子雲コアの収縮 (~105-6年) 2.原始星の進化 (~105-6年) 3.前主系列進化 (~106-7年) 高密度コアの熱進化 林&中野(1965) log(温度) ダストの 熱放射 で冷却 星間輻射場 で加熱 光学的に厚くなると、 断熱的に進化する。 重力収縮による 圧縮加熱 log(密度) 広い密度領域で~10Kの等温進化 高密度では断熱的に温度上昇。 高密度コアの動的進化 Larson 1969 密度分布の時間進化 自由落下時間∝(密度)-1/2 高密度部分の進化は どんどん速くなる。 周囲を取り残して、暴走的に収縮 密度 (対数) 自己相似的収縮 中心部のサイズは ジーンズ長さ程度 外層(エンベロープ)は 1/r2分布 半径(対数) 原始星の誕生 Larson 1969 (K) 原始星の形成 2つの断熱期に対応して、 密度10-12g/ccで第一コア、 密度10-2g/ccで原始星(第二コア)形成 温度進化 (g/cc) (cm/s) (g/cc) First core Second core 原始星 第一コア Appenzeller & Tsuarnuter (1975) 極めて小さな原始星が形成~10-2Msun 原始星から前主系列星へ 原始星(Class 0,I) 降着により成長 前主系列星(Class II,III) 質量獲得は終了 •原始星は降着で成長 •降着終了 →星の質量決まる •星周円盤: 惑星形成の現場 Machida + 2010 エンベロープ 原始星 ガス円盤 前主系列星 デブリ円盤 Palla 1996 前主系列進化:KH収縮 降着中: 原始星 降着率: 10-5Msun/yr エンベロープがあり、星表面見えない 降着終了:前主系列星 (古典的/弱輝線) Tタウリ型星、(<2Msun) ハ―ビッグAe/Be星 (>2Msun) 星表面が見えるようになる。 HR図上の位置: 誕生線(birth line) その後、 ケルビン・ヘルムホルツ収縮 (林フェイズ、Henyeyフェイズ)により 半径が小さく(表面温度が高く)なり、 主系列星に到達。 Palla & Stahler 1998 Massive Stars in the Local Universe the Arches cluster in the Galactic Center Figer 2005 In our Galaxy upper mass limit ~150Msun R136 in 30 Dor Crowther + 2010 In LMC (~Zsun/3) ~300Msun stars ? 大質量星形成の問題 標準モデルでの質量降着率 MJ/tff~cs3/G=2x10-6(T/10K)3/2Msun/yr 1.形成時間問題 形成時間 しまう が星の寿命より長くなって 2.輻射圧問題 中心星からの輻射による降着流中の ダストへの輻射圧が強くて降着できなくなる Wolfire & Cassinelli 1987 2つのシナリオ その1 大降着率説 (e.g., Nakano et al. 2000;McKee & Tan 2002) 高温分子コアのスペクトル 大きい乱流速度 強いアウトフロー 短いジェットの年齢 その2 合体説 ~10-3Msun/yr を 示唆 (e.g., Bonnel et al. 1998; Stahler et al. 2000; Portegies Zwart et al.) 大質量星は星団の中心部(星密度大)で形成 Mass segregation, gas drag により合体しやすくなる 最近では、大降着率&非球対称降着でOKという雰囲気 Collapse of Massive Molecular Core 17.5 Time (kyr) 25.0 edge-on 3D RHD simulation Krumholz et al. ‘09 4000 AU pole-on Massive Molecular Core (100M8, 20K, 0.1pc) Fragmentation of self-gravitating disk O-type star binary (41.5M8 + 29.2M8) 34.0 47.1 55.9 •High accretion rate •Non-spherical accretion via disk the accretion continues despite of strong radiation pressure. Obstacles in Forming Massive Stars 1.Formation time problem Time needed to form a massive star exceeds the stellar life time. 2.Radiation barrier problem Radiation pressure (on dust) by the star becomes too high for the matter to be accreted. Monolithic Collapse of Massive Core Emission in mm Absorption in IR starless 大質量星形成の初期条件 Massive Molecular Core (Infrared Dark Cloud) radius:~ 0.1pc mass: ~ 102-3 M8 ~ 102-3 MJ line width:~ 1 km/s 大質量、高密度、つよい乱流 Emission both in mm, IR Young star inside Motte et al. ‘08 Image : MIR(warm dust) contour: mm (cold dust) 高い降着率が実現されると思われる cf.) 低質量コア radius:~ 0.1pc mass: ~ 1 M8 ~ 1 MJ line-width:~ 0.1 km/s Alternative Scenario: Competitive Accretion Fragments in to small pieces Mcore~ MJeans Accretion from the entire cluster scale (~pc) at Bondi accretion rate Accrete to low-mass stars Accrete to the massive star Massive star Smith, Longmore & Bonnell ‘09 Massive star acquires mass from the larger region of the cluster Feedback ⇒ outflow: Wang et al. ’10 / UV radiation: Peters et al. Collapse of Massive Molecular Core & rapid protostellar accretion • Accretion continues intermittently despite the strong radiation pressure. • Average accretion rate does not change so much. Krumholz + (2009)
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