モジュール1のまとめ

数理統計学
西 山
問1
統計学の定期試験を受験した200人の得点を集計したと
ころ、平均点が60点、標準偏差が15点になった。以下の
設問に回答しなさい。
①A君の得点は75点だった。この得点を標準化すれ
ばいくらか。
②A君の得点を偏差値にしたい。「偏差値」とは、平均
が50、標準偏差が10である尺度をいう。A君の偏差
値はいくらか。
③出題が難しすぎたため得点を修正することにした。
元の得点をXとしてY = 1.10X + 10から算出される
Y点を小数点以下も含めて新たな得点とする。A君
の偏差値はどう変わるか。
①A君の得点は75点だった。この得点を標準化
すればいくらか。
標準化(=基準化)
元の値−平均値
標準値=
標準偏差
75 − 60
= 1.0 (シグマ)
15
② A君の得点を偏差値にしたい。「偏差値」と
は、平均が50、標準偏差が10である尺度を
いう。A君の偏差値はいくらか。
偏差値
偏差値=10 × 標準値 + 50
1.0
偏差値=10 × 1 + 50 = 60
③ 出題が難しすぎたため得点を修正することにし
た。元の得点をXとしてY = 1.10X + 10から算
出されるY点を小数点以下も含めて新たな得点
とする。A君の偏差値はどう変わるか。
標準値はどう変わるか?
元の値−平均値
標準値=
標準偏差
元の値-平均値
= 1.1 × 75 + 10 − 1.1 × 60 + 10 = 1.1 × 15
標準偏差
=1.1 × 15
A君の標準値は変わらない。故に、偏差値も元のままである。
問2
確率変数Xは以下のように分布している。下の設問に
回答しなさい。
値
3
6
確率
1 3
2 3
① 期待値E 𝑋 を求めよ。
期待値=Σ値×確率
1
2
𝐸 𝑋 =3× +6× =5
3
3
② 分散V 𝑋 を求めよ。
値
3
6
𝐸𝑋
二乗 確率
9 1 3
36 2 3
2
1
2
= 9 × + 36 × = 27
3
3
𝑉 𝑋 = 27 − 52 = 2
③ Xを標準化した値をZとおく。E 𝑍 とV 𝑍
を求めよ。
𝑍=
𝑋−5
2
𝐸 𝑍 =𝐸
𝑉 𝑍 =𝑉
𝑋−5
2
𝑋−5
2
=
=
1
2
𝐸 𝑋−5 =0
1
2
2
1
𝑉 𝑋−5 = 𝑉 𝑋 =1
2
標準化すると、常に平均が0、分散・標準偏差が1
問3
ある菓子メーカーが製造している商品の1袋の重さ
は、平均が100グラム、標準偏差が2グラムの状態
に管理され、重さの分布には概ね正規分布が当て
はまっている。この時、重さが95グラム未満となる袋
は全体の何パーセント程度あると思われるか。
2
0.6%程度
0.0062097
95
100
標準値
95−100
2
= −2.50
2.50
問4
確率変数Xは一様分布にしたがい、0から1ま
での任意の値を等しい可能性でとりうる。いま
変数YをY = 2Xと定義する。変数Yがどう分布
するか図で示したうえ、E[Y]とV[Y]、SD[Y]を求
めよ。
EとV、SDはすぐに求まる
Xは0から1まで一様分布だ
1
EX  
2
1
V X  
12
授業の説明を覚えていれば・・・
𝐸 𝑌 = 𝐸 2𝑋 = 2𝐸 𝑋 = 1
4
𝑉 𝑌 = 𝑉 2𝑋 = 2 𝑉 𝑋 =
12
2
Xが一様分布ということは
𝐹 𝑥 =𝑥
1
期待値の計算をすると(例題17)
1
1
𝐸𝑋 =
𝑉𝑋 =
2
12
𝑓 𝑥 = 𝐹′ 𝑥 = 1
0
𝑥
(任意のある値)
1
X
問題はYの分布の形がどうなるか?
確率(=面積)に着目する
G ( y )  P(Y  y )
 P(2 X  y )
y

 P X  
2

 y
 F 
2
y

2
0
2
1
 g ( y)  G' ( y) 
2
クイズ
確率変数Xは、一様分布に従い0から1までの任
意の値を等しい可能性でとる。いま変数Yを𝑌 =
𝑋と定義すると、𝑌はどんな分布に従い、期待値
はいくらになるか?
6月10日(火)授業までに提出(任意)。中間試験・問4の理解
度判定の参考にする。