SSGC 2010 - 奈良県立医科大学高度救命救急

SSCG 2012
SSCG 2012
2013.11.13 モーニングカンファ
担当 浅井
SSCG 2012
http://www.survivingsepsis.org/Pages/default.aspx
6か国語に翻訳されている
R.腎代替療法
1.重症敗血症と急性腎不全を有する患者の治
療において、CHDFとHDの効果は同等である。
なぜならば、その両者はどちらも生存率が低い
からである。(grade 2B)。
2.血行動態が不安定な敗血症患者の体液バラ
ンスを行いやすくするために、CHDFの使用を提
案する。 (grade 2D)。
• 最近の一番大きなランダム化試験では、360
人が試験されたが、生存率に差はなかった。
(:Vinsonneau C, Camus C, Combes A, et al; Hemodiafe Study
Group
Continuous venovenous haemodiafiltration
versus intermittent haemodialysisfor acute renal
failure in patients with multiple-organ
dysfunctionsyndrome: A multicentre
randomised trial. Lancet 2006;368:379–385)
(1)acute renal failure—defined as serum
urea concentration of 36 mmol/L or more
or serum creatinine concentration of 310
μmol/L or more;
(2) the need for renal-replacement
therapy; and
(3) a multiple-organ dysfunction
syndrome—defined by a logistic organ
dysfunction score of 6 or more.
Urea ⇒ BUN 100.8
Cre 310μmol⇒ 3.5mg
・ 両方とも死亡率が悪すぎる。
理由としては、criteriaを満たす前にCHDFを開始
してしまっていること。 実際、症例が集まる
ペースも悪かったことが書かれている。
濾過量の問題
Acute Renal Failure Trial Network in the United States
RENAL Renal Replacement Therapy Study in Australia and New Zealand
の2報は高容量のCHDFを行っても予後は変わらないとなった。CHDFの通常の透析液
流量は20~25ml/Kg/hである。
高流量群(40ml/kg/h)
VS 低流量群(25ml/kg/h)
Subgroupにおいて両群で有意差なし
・敗血症
・腎を除く臓器不全
・SOFAscore3-4
・eGFR<60
・90日後の死亡
高流量群(40ml/kg/h)と低流量(25ml/kg/h)
では死亡率に差が出なかった、むしろ高流量に
すると低P血症を起こす可能性がある。
という結論で
SSCG2012でも 25ml/Kg/hの透析量が推奨さ
れているが・・・・。
透析液流量
サブラッドが時間
700mlしか使えないの
で
透析液ポンプ
(400ml/h)
補液ポンプ
(300ml/h)
濾液ポンプ
(700ml/h)
(400+300)÷ 50 =14ml/Kg/h
÷ 60 =11ml/Kg/h
÷ 80 =8.8ml/Kg/h
日本版敗血症診療ガイドライン
11.急性血液浄化療法
A1 いつRRTを開始するのか?
A2 CHDFとHDの差?
A3 RRTの至適血液浄化量は?
A4 サイトカイン等のメディエーター除去
ができるか?
A5 敗血症性ショックに対してPMX-DHP
は有効か?
CQ1 敗血症性急性腎不全に対
する腎代替療法(RRT)の開始
時期は?
・血中尿素窒素、クレアチニンなどの腎機能
を指標としたRRTの開始時期に明確な基準は
ない。(2C)
・初期蘇生を行っても尿量が得られない重症
敗血症、敗血症性ショックでは、早期開始を
考慮してもよい。(1C)
CQ4 重症敗血症に対して(持
続的)血液濾過(透析)は有効
か?
・サイトカイン等のメディエーター除去を行
うには、吸着特性を有する膜の選択、大口径
膜の選択、あるいは血液浄化量を増やすなど
の方法が必要である。(2C)
・上記方法により循環動態の改善を図ること
ができる可能性がある。(2C)
・しかしながら生命予後を改善するというエ
ビデンスはない。(2C)
CQ5 敗血症性ショックに対し
てPMXーDHPは有効か?
・腹部緊急手術を要する敗血症性ショックに
対しては、循環動態改善効果、呼吸機能改善
効果が示されている。(2C)
・予後を改善するかどうかの結論を出すには
根拠が不十分である。(2C)
PMX-DHPを評価した唯一の大規模RCTはEUPHAS
(Early Use of Polymixin B Hemoperfusion in Abdominal
Septic Shock) studyのみ]。
イタリアの10施設で行われた前向き多施設RCTであり,
腹腔内感染由来の重症敗血症,敗血症性ショックの64例
を対象とし,緊急手術後6時間以内にPMX-DHP施行群と
標準治療群に無作為に割付し,割付から24時間以内に
PMX-DHPを2時間施行し,さらに24時間以内に2回目の
PMX-DHPを施行している.このstudyでは臨床的予後の
改善に有効であると結論づけている.
EUPHASトライアルでは、28日死亡率に有意差はなかったことを後に認めてお
り、現時点では、昇圧剤を減らすことができる効果しかないが、、、
現在、2つの大規模RCTが進行中(フランスでABDO-MIX,アメリカが
EUPHRATES trial)であり,その結果を待つことになる
S.重炭酸塩治療
組織低潅流があって、PH7.15以上の乳酸ア
シドーシスを有する症例に対して、
血行動態改善、昇圧薬の減少を目的
として、重炭酸ナトリウムを使用しないよ
うに推奨(grade 2B)。
前回grade1B
重炭酸は、ARDSで低換気を行った際に高二
酸化炭素を合併した際は、効果があるかも
しれないが、敗血症での乳酸アシドーシス
には効果があるかは不明である。
ここで示されているのは、
1 Cooper DJ (1990)Ann Inter Med
112:492
2 Mathieu D (1991) Crit Care Med 19:1350
T.深部静脈血栓予防
1重症敗血症患者には、薬物的予防処置による
静脈血栓塞栓症の予防を行うように推奨する。
(Grade1B)
その際には、低分子ヘパリン(LMWH)の連
日皮下注射を用いることを推奨する。(1日2回
の未分画ヘパリン[UFH]投与に対してgrade1B
1日3回のUFH投与はgrade2C)
クレアチニンクリアランスが30ml/min未満の場
合は、ダルテバリン(grade1A)、腎代謝の割
合の少ない他のLMWH(grade2C)、もしくは
UFH(grade1A)の使用を推奨する。
低分子ヘパリン
ダルテパリン(フラグミン)
エノキサパリン(クレキサン)
未分画ヘパリン
ヘパリンカルシウム(カプロシン)
ヘパリンナトリウム(ヘパリン)
フォンダパリヌク(アリクストラ)