2.クルーグマン・モデル

2.クルーグマン・モデル
著名な経済学者たちは
「①金利がゼロでも②マネーサプライを増やせば③デフレは止まる」と主張
正しくない!
なぜ??
その裏付けが、クルーグマンの「流動性のわな」に関する論文にあった
問題あり!
~クルーグマンの提案~
①名目金利がゼロ(流動性のわな)になっても、
②期待インフレを高めれば
実質金利が低下し、
③景気は回復する
なので、
クルーグマンの「流動性のわな」に関する論文の内容を説明します!
3節で説明
■クルーグマンの「流動性のわな」に関する論文
~クルーグマンの提案~
①名目金利がゼロ(流動性のわな)になっても、
②期待インフレを高めれば
実質金利が低下し、
③景気は回復する
なぜ・・・?
まず、「流動性のわな」とは??
金融緩和により利子率が一定水準以下に低下した場合、
投機的動機に基づく貨幣需要が無限大となり、
通常の金融政策が効力を失うこと。
利子率が十分に低い時・・・
国債の保有に伴う便益 < 貨幣を保有する便益
(利子収入)
(いつでもどこでも買いたい時に買える等々)
人々は国債ではなく貨幣を保有
「流動性のわな」を脱出(=景気回復、デフレ脱却)のためにどうするか・・・?
(i)金利政策 無効
<理由> 流動性のわな = 名目金利がゼロ
利子率が操作できない
→金利はゼロ以下に下げられない
↳ではどうするか?
→金利を下げることに代わるのは「量的緩和」(マネーサプライの増大)
(ii)量的緩和 困難
<理由>利子率が正の時 → 利子を生まない「貨幣」の保有は節約される
⇒貨幣数量説(MV=PQ) 成立
ゼロの時→ 「貨幣」と「債権」に区別がない
⇒貨幣数量説 不成立
「流動性のわな」の下で「金融政策」は困難
しかし・・・
(iii)将来を考える
クルーグマン・モデルでは
「現在」流動性のわなに陥っていても、「将来」は陥っていないと仮定
∴将来のマネーサプライ増大への期待
→ インフレ率上昇 → 実質利子率低下
→ 需要が刺激される ⇒ 「流動性のわな」から脱出
~クルーグマンの提案~
①名目金利がゼロ(流動性のわな)になっても、
②期待インフレを高めれば
③景気は回復する
実質金利が低下し、
C: 各期の消費量
D:割引因子
ρの逆数:異時点間の消費の「代替の弾力性」