2.クルーグマン・モデル = 量的緩和 → 「流動性のわな」脱出 ■「流動性のわな」を脱出するには・・・? ①金利政策 流動性のわな = 名目金利がゼロ →金利はゼロ以下に下げられない →「金利政策」は無効 そこで ②量的緩和 金利を下げることに代わるマネーサプライの増大 =「量的緩和」 →流動性のわなの下では困難 ∵利子率0だと貨幣数量説は不成立 しかし ③将来を考える クルーグマン・モデルでは 「現在」流動性のわなに陥っていても、「将来」は陥っていないと仮定 ∴将来のマネーサプライ増大への期待(※) → インフレ率上昇 → 実質利子率低下 → 需要が刺激される ⇒ 「流動性のわな」から脱出 ※将来のマネーサプライの増大を知らせるには「現在」の「量的緩和」 ∴ 量的緩和 → 流動性のわな脱出 ■クルーグマン・モデルのやや詳しい説明 ◆p129(4.4)式=個人の効用関数 ・・・基準となる時点から見たそれぞれの将来の期間の効用の「割引現在価値」 を足し合わせ、その合計を最大化する。 ◆p129~131の計算の意味 利子率が正である「正常」な状態では 「将来」は貨幣数量説が成立(名目物価PとマネーサプライM間に) ↓ 将来を静態的均衡に転換 「現在」も貨幣数量説が成立 ■クルーグマン・モデルのやや詳しい説明 ◆p131(4.9)式=消費者の異時点間の効用最大化を考える ⇒名目利子率の決定要素 ①消費者の主観的割引率 ②期待物価上昇率 ③経済成長率 ◆「流動性のわな」の到来まで (1)M増大 → 第1期のPが上昇 (2)M*の減少が予想される → 「将来」の物価水準P*が下落 (3)実体経済の成長率が低下 いずれかが原因で、第1期の名目利子率が低下 → 下限ゼロに到達 →金利がゼロの資産が存在 = 債権の利子は負にならない ⇒「流動性のわな」の到来
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