医療側から求める医療連携 ~ 医療連携の実際~ 平成22年5月26日 医療法人社団 ナラティブホーム ものがたり診療所 佐藤伸彦 連携とは 多職種が それぞれの立場を理解し 協同しあうこと ⇒言うのは簡単! うまく出来ればこんなに苦労はしないのに・・・・・。 すみません、Aさんですが、おたくの病院の泌尿器 科にかかっているのですが、今度訪問看護を入れ たいので、指示書を書いてもらえますか? 先日入院したBさんですが、今日みてきました。大 分状態が悪くなったので変更申請かけたいので主 治医の意見書をおねがいできますか? まだ使わないと思いますが、本人も希望されていま すの認定だけ受けたいと思います。主治医の意見 書御願いします モンスター○○ なぜモンスター化するのか – 利用者様(患者様)のため – 利用者様(患者様)が強く希望されている – 私がなんとかしないと・・・・ – 自分は正しいと思っている?? 独りよがりになっていないか? ○○のために⇒○○の立場で 総合病院の役割 広域医療圏の基幹病院 – 救急医療、小児医療、周産期医療 – がん拠点病院 – 各種専門医療 市民の病院 – 僻地医療 – 市民の厚生(健診業務・・・) – 市民の安心感・よりどころ 病院の役割とその歪(ひずみ) 基幹病院と市民病院の2つの役割を果たすこと は非常に困難 外来も救急も入院も 平日も休日も 昼も夜間も 24時間365日 医師・看護師をはじめとする医療スタッフに過度 の労働を強いている現状がある 開業医 専門医が独立して開業することが多い 総合医(家庭医)としてのかかりつけ医 開業医のグルーピイング 外来で忙しい? なかなか相談にのってくれない サービス担当者会議に参加してくれない 専門家集団の功罪 専門家集団 – ○○専門医、○○認定看護師、MSW – 介護支援専門員 専門化することによって多大な恩恵を受けてきた 患者さんの多様化により、専門以外のことの時間 が益々増加してきている 働くスタッフのモチベーションを下げる要因 医療密度の低下、医療の質の低下 歪はなぜ起きているのか 医療・福祉が社会全体の潮流のうね りに ついていけて いない 地域全体の厚生のグランドデザイン が 描かれていない 社会の高齢化と疾病構造の変化 「団塊の世代」といわれる 昭和22~24年生まれ 2012~20014年に65歳にな り毎年高齢者が約100万人 ずつ増加 平均寿命;女性86歳、男性 79歳 超高齢化社会;平成19年 (高齢化率21%以上) 急性期疾患から慢性期疾 患へ 単一疾患から複合疾患へ 「団塊の世代」が高齢期に達する時期 に推計される高齢者の増加数 地域医療のグランドデザイン 医療密度の低下が地域の中でも起きている 医師、看護師などの医療スタッフの絶対数の問題 だけではない 医療資源の分配の問題 単なる行政区域を越えて、地域の医療・福祉のグ ランドデザインを誰がどう描くか 広義の地域連携とは政治の問題でもある 地域連携はなぜスムーズにすすまない 病病連携・病診連携 総論賛成・各論反対(無関心) インフラ整備(IT化、地域連携パス・・etc)は手段で あって目的ではない 手段と目的の逆転 住民の視点 – 安心なサービスがきちんと提供されれば、それ が医療だろうが、介護だろうが、福祉だろうが関 係ない。 地域医療 会議室(トップダウン)と現場(ボトムアップ)の バランスとそれをつなぐ「人」の育成 会議室は古い枠組みに囚われずグランドデ ザインを描くこと 現場は文句だけを言わず地道な努力を 何を知っているかより、誰を知っているかのほ うが大事なときがある! 臨床は「思慮」 「practical wisdom」 「実践知」 ナラティブ 物語 ナラティブ(narrative) ナレーター、ナレーションの語源 ナラティブ=「物語り」「語る」 人間の織りなすさまざまな行為や関係を、「言葉」 「語り」「物語」という視点からとらえ直す =物語 的理解 人生は一つの物語である 語れない人の物語を完成させる関係性それがもしか したら「尊厳」 プラスチックワード ドイツの言語学者ウヴェ・ペルクゼン 日常生活に存在する、権威をまとってはい るが内容は空虚で、だからこそブロックの ように安易に組み合わされて、いつの間に か我々の認識や行動力を方向付けているこ とば 「アイデンティティー」「コミュニケーシ ョン」「消費」「近代化」「構造」「進 歩」「成長」 尊厳・共感・傾聴・やさしさ・患者様 医療の物語 普通の人 生活世界の 物語を生きてい る 病 気 患者 医療世界の 物語の中 で生かされ ている 医学 患者として振舞うことを期待される 医師 看護師 薬剤師 介護福祉士 レントゲン技師 医療世界 生活世界 医療世界での困惑 ? ? ? ? ? 炎症 ? イレウス ? ? 治す医療からのパラダイムシフト 治すことを目的とした医療 根拠のある医療(EBM) 治せない、治らない(人の死亡率100%!) 出来ることはたくさんある 終末期医療は高度専門医療である [email protected] 過分でも過不足でもない医療 家庭のような病院を 人生の最終章をあったかい空間で [email protected] 何処で死ぬかを選べる時代に 家で死ねれば本望だが・・・・ – 家族には迷惑をかけたくない – 痛い、苦しいは嫌だ – でも病院の4人部屋の片隅というのも寂し い 家でもない病院でも施設でもない住宅の必要性 ナラティブホーム構想 高齢者向け優良賃貸住宅 (高優賃) 「バリアフリー化」され、「緊急時対応サービス」の利用 が可能な賃貸住宅 60歳以上の単身・夫婦世帯の方等を入居対象 平成19年度から地域優良賃貸住宅(高齢者型)として助 成 高齢者優良賃貸住宅+通常の集合住宅
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