目次 考察 提案 結論 • 日本、世界における水ビジネスの現状 • 日本におけるSWOT分析 • サウジアラビア・中国都市部への進出 • 水ビジネス市場における日本の将来性 日本人1人当たりの1日の使用量 (出所:NPO法人 Waterscape) カナダ、アメリカ、イタリアに続いて世 界4位 世界の人口と水需要 100 (億人) 5兆㎥ 人口 水需要 50 2,5 0 1950年 1995年 2025年 (出所:総務省 経済産業 省) 水ビジネス事業の種類 水処理膜 飲料水 水処理装置 水施設運営 コンサルティン エンジニアリン グ グ プラント建 水処理膜とは 膜を通すことで海水を淡水化する技術 水処理膜 海水 淡水 (出典:沖縄県企業局) 逆浸透膜(OR)メーカーのシェア コーク・イン 東洋紡 ダストリーズ 2% 3% GE 5% 東レ 20% その他 8% ダウケミカル (米) 35% 日東電工 27% 出典:2009年市場売上高 シェア (株)富士経済研 日本における水ビジネス 水処理膜技術においては世界シェア約6割でトップ ⇒今後1兆円規模の市場にまで拡大! 1、日本の上下水道事業のインフラ保有資産は約120兆 円 (上水道が40兆円、下水道が80兆円) 2、料金徴収率の高さ →東京都における水道料金徴収率は99.9% 3、水道漏水率の低さ →ロンドンは26.5%に対し、日本はわずか3. 6% 世界主要都市の水道漏水率 漏水率 東京 3.6% ロサンゼルス 9% モスクワ 10% カイロ 20% ロンドン 26.5% バンコク 33% メキシコ 35% 日本は水ビジネス市場におい て 成長が期待できる! 日本は水ビジネス市場におい て このままではマズい! 世界水ビジネス市場規模の推移 (兆円) 1 100 水処理膜などの素材 9 建設・エンジニアリン グ 50 90 上下水道事業 運営管理 60 0 2005 2025 (年 (出所:経済産業省) 日本民間企業のSWOT分析 強み 弱み 膜処理技術 マーケティング能力 価格競争力が低い 維持管理や運営の経験が 乏しい 機会 脅威 人口増加 水メジャーの進出 異常気象などの環境問題 生活水準の向上、産業の発展 日本公的企業のSWOT分析 強み 弱み 漏水防止技術 運営の経験が豊富 マーケティング能力が乏し い 資金不足 機会 脅威 人口増加 水メジャーの進出 異常気象などの環境問題 生活水準の向上、産業の発展 世界の水道市場の現状 スエズ社(仏) 1億2500 ヴェオリア社 (仏) テムズ社 (英) SAUR (仏) ユナイテッド・ ユー ティリティズ AW(英) (英) 万人 1億800万 人 7000万 人 3700 万人 2000 万人 1600万 人 企業別給水人口 出典:産業競争力懇談会(COC N) 現在の企業形態 部材・部品・機器製造 設置設計・組立・建設(運 転) 事業運営・保守・管理(水 売り) 海外企業 ヴェオリア(仏)、スエズ(仏) シーメンス(独)、ダウ・ケミカル(米)、GEウォーター(米)、ITT(米) テムズウォーター(豪)、ベフェッサ(西) ケッペル(星)、ドューサン(韓) ブラック アンド ビーチ(米) 日本企業 水処理機器企業 エンジニアリング企業 商社 • 旭化成、クボタ、 積水化学、東芝、 東洋紡、東レ、日 東電工、日立プラ ント、三菱電機、 三菱レイヨン 等 • 日揮、日立造船、 日立プラント、三 菱化工、三菱重工 等 • 伊藤忠、住友商事、 三井物産、三菱商 事、丸紅 等 日本企業の海外への進出状況 民間 ・高度な水処理膜技術では東レ、日東電工、旭化成ケミカル ズ 海水の淡水化技術では三菱重工業が参入している。 ・販売事業では三井物産、住友商事などが、中東・アジア地 域を 中心に事業を展開している。 ・最近では三井物産がシンガポール最大手ハイフラックス社 と 折半出資で中国に合弁会社を設立。 国 ・東京都が水道事業を海外に売り込むため、専門の調査団を アジア10カ国(ベトナム、フィリピン、インド他)に3 提案 (民間企業) (公営企業) 技術開発 運営管理 ノウハウ 国際競争力 オールジャパン体制 + 日本の強みを生かせ る地域に進出をする 進出する方法 三菱 商事 日東 電工 官民のお互いの弱みを オール カバーする事が出来る! ジャパン 体制 東京都 水道局 進出する地域 水資源豊富 水資源不足 資 金 潤 沢 従来技術 先進技術 先進国 中東・北アフリカ、中国 都市部 東南アジア アジア周辺国、アフリカ 欠 乏 資 金 進出する地域 先進国 すでに海外水メジャーが進出している地域なため、 今から市場を確保することは難しい。 経験を積んでから市場進出を考えるべき。 東南アジア 上下水道のインフラへのニーズが高まっている地域。 日本が政府開発援助で積極的に国際協力を行っている が、 支援は施設建設が主体となってしまっており、その後の 進出する地域 水資源豊富 水資源不足 資 金 潤 沢 従来技術 先進技術 先進国 中東・北アフリカ、中国 都市部 東南アジア アジア周辺国、アフリカ 欠 乏 資 金 進出する地域 アジアのその他の地域、アフリカ 市場規模が小さく、経済的にも貧しい国が多いため、 市場開拓が難しい。 中東・北アフリカ、中国都市部 オイルマネーや近年の経済成長により、比較的裕福な地 域。 また、水が比較的不足している地域でもあるために、 高度な技術を持った日本企業の市場開拓が 可能と考えられる。 進出する地域 水資源豊富 水資源不足 資 金 潤 沢 従来技術 先進技術 先進国 中東・北アフリカ、中国 都市部 東南アジア アジア周辺国、アフリカ 欠 乏 資 金 「今後の市場成長率」 市場の高成長率(年5%以上)が見込まれる地 域 南アジア10.6% 中東・北アフリカ10.5% 世界水ビジネス市場の地域別成長見通し 90 80 西欧 特に市場規模が大きく、その成長が見込まれ 南アジア る国 中国10.7% 北米 サウジアラビア15.7% インド11.7% 中東・北アフリカ 70 60 50 40 中南米 30 中東欧 20 東アジア・大洋州 10 サブサハラ・アフリ カ 0 2007年 2025年 出典:経済産業省 中国の水ビジネス市場 2025年には世界の水ビジネス市場の約15%(12.4兆円) を占め世界最大の市場になる見込み。 中国国内では環境問題への関心の高まりによって下 水や工業用水の再利用率向上も大きな課題となって いる。 中国は成長率が10.7%あり市場規模が大きく 今後の成長が見込まれる サウジアラビアの水ビジネス市場 中東・北アフリカにおける水ビジネス市場は下水処 理分野・O&M(運営・管理)業務を中心に成長す る見込み。 80年代以降に建設された海水淡水化プラントの代替 需要により日本の高い技術が生かすことが可能。 サウジアラビアは成長率が15.7%あり市場規模が大 きく 中東の中でも今後の成長が見込まれる 参考文献 ・水のリスクマネージメント 国連大学出版局 ・下水道ビジネスの新発想 IN通信局 ・日本の水ビジネス 東洋経済新報社 ・水ビジネス 110兆円水市場の攻防 角川書店 ・水ビジネスの現状と展望 ~水メジャーの戦略・日本としての課題~ 丸善 結論 水の需要が高まっている 日本企業が世界に進出するために は選択と集中を行うべきである オールジャパン体制によってサウジアラビアや中国 都市部を集中的に事業展開していくべきである
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