平成19年度 エネルギ変換工学 第5&6回 各種サイクルの計算に関する基礎講義 教員:木下祥次 2015/9/30 エネルギ変換工学 1 4.7 サイクルにおける状態変化とその計算方法 4.7.1 状態変化を考えるため重要な基礎式 1)完全ガスの状態方程式 pv RT ただし,p:圧力,v:比容積,R:ガス定数,T:絶対温度。 または上式の全微分をとって pdv vdp RdT 2)熱力学の第1法則 dq du dw (q:系に加えられる単位質量当たりのエネルギ) または微小仕事dw=pdvを考慮して,第1法則は次のように書ける。 dq du pdv (u:比内部エネルギ) 3)比エンタルピhの定義 h u pv 上式の全微分をとれば dh du pdv vdp du RdT 4)第1法則のエンタルピ表現 dq dh vdp 2015/9/30 エネルギ変換工学 2 4.7.1 状態変化を考えるため重要な基礎式 (その2) 5)等圧比熱Cp・等積比熱Cv dh C p dT , du Cv dT 証明は次のスライド 6)比熱比κの定義 C p Cv 7)作動流体がGkgである場合の扱い Q Gq , H Gh , U Gu , W Gw , V Gv 2015/9/30 エネルギ変換工学 3 4.7.2 等圧比熱と等積比熱 1.等圧比熱Cp dh dq dh vdp Cp dT p const dT p const dT ∴ 等積比熱測定 錘(可動) dh C p dT 2.等積比熱Cv du dq du pdv Cv dT v const dT v const dT ∴ 等圧比熱測定 ガス1kg ガス1kg 温度 上昇 1℃ 温度 上昇 1℃ 供給熱量dq 供給熱量dq du Cv dT 3.CpとCvの関係 C p Cv R dh du RdT dh C p dT この関係を 証明せよ du Cv dT C p dT Cv dT RdT 2015/9/30 エネルギ変換工学 4 比熱比κの定義と諸関係式 1.比熱比κの定義 C p Cv 2.CpおよびCvとガス定数Rの関係 C p Cv R ; より比熱比 C p Cv を考慮すれば Cv Cv R となり,整理すると Cv 1 R Cv R 1 同様にして,Cpは R C P C v 1 2015/9/30 R Cp 1 エネルギ変換工学 5 4.7.3 各種状態変化の計算方法 1)等圧変化 2)等温変化 3)等積変化 4)断熱変化 5)ポリトロープ変化 圧力P Pa p a , va , Ta , u a , ha 点aの状態 等圧変化(圧力p=一定) 等温変化(温度T=一定) 等 積 変 化 ポリトロープ変化(PV n=一定) 断熱変化(PV κ=一定) このような各種状態変化にお ける変化前後の状態量(圧 力・温度・比容積・内部エネル ギ・エンタルピ,仕事・熱量な ど)が計算できるようにする。 2015/9/30 Va エネルギ変換工学 比容積V 6 (1)等圧変化 圧力がp=一定(dp=0)な状態変化である。 b b b a a a wab dw pdv p dv p(vb va ) R(Tb Ta ) 1 C p p (Tb Ta ) p , va , Ta , u a , ha q ab 点a 点b a Pa Pb P p , v ,T , u 一方,この変化を実現するために系に加え るべき熱量qabはdp=0を考慮して b b b b a a a a qab dq (dh vdp) dh C p dT hb ha C p (Tb Ta ) 2015/9/30 R (Tb Ta ) 1 エネルギ変換工学 b b b b , hb 仕事wab v va vb 7 (2)等温変化 温度Tが一定に保たれる(dT=0)変化である 。 b1 RT dv RT a dv なぜならp=RT/v v v vb p pa , va , Ta , u a , ha RT ln vb ln va RT ln va 点a b b b wab a dw a pdv a 系に加えるべき熱量qabはdT=0を考慮して b b pa Ta Tb T qab pb , vb , Tb , ub , hb b q ab a dq a (du pdv) a (Cv dT pdv) v a pdv wab RT ln b va 仕事 wab pb b va 点b v vb このように,等温変化ではqab=wabとなり,系に加えたエネルギがすべて 外部仕事に変換できることがわかる。(だからカルノーサイクルは優秀な のだ。) 2015/9/30 エネルギ変換工学 8 (3)等積変化 比容積vがv=一定(dv=0)な状態変化である。 b b a a p wab dw pdv 0 pb 点b 系に加えるべき熱量qabはdv=0を考慮して b b b b a a a a qab dq (du pdv) du Cv dT u b u a C v (Tb Ta ) R (Tb Ta ) 1 p b , vb , Tb , u b , hb qab 仕事wab=0 pa 点a p a , va , Ta , u a , ha v v a vb v このように等積変化では外部にはなんら仕事が取り出されず, 加えたエネルギはすべて内部エネルギとして蓄えられる。 2015/9/30 エネルギ変換工学 9 (4)断熱変化 ☆断熱変化とは圧力をP,比容積をVとするとき,q=一定またはdq=0とするよう な状態変化である。具体的には次の式に従う状態変化である。 すなわち, pv C 断熱変化;第1の重要な関係式 p 点a,点bにこの関係を代入して p v a b pa va pb vb C ∴ p v b a また,完全ガスの状態方程式p=RT/vであ り,これを上式へ代入すれば,断熱変化の 別な表現として次式がえられる。 Tv k 1 C Ta va k 1 Tb vb a , va , Ta , u a , ha 点a pa pvk=C qab=0 pb , vb , Tb , ub , hb 点b 仕事Wab pb va v vb (断熱変化,第2の重要な関係式) 1 ∴ Tb v a Ta vb 1 課題:断熱変化をPとTで表し,第3の関 エネルギ変換工学 解答: 係式を作れ。 2015/9/30 p P1 T C 10 (4)断熱変化(続き) ☆系に加えられる熱量は当然のことながらqab=0である。 ☆つぎに,点aから点bへの断熱変化において,系がなす仕事wabは,圧力pが p C v で与えられることを考慮すれば, b b b C b wab dw pdv k dv C v - dv a a a v a C 1 v 1 b a 1 1 1 Cvb Cva 1 p p a , va , Ta , u a , ha 点a pa pvk=C qab=0 pb , vb , Tb , ub , hb ここで定数Cは,a,b点の状態量が 点b paVa pb vb C で与えられることを考慮すれば, wab 仕事Wab pb va v vb 1 1 1 1 pa va pb vb R Ta Tb pb vb vb pa va va 1 k 1 1 Cv (Ta Tb ) 2015/9/30 なんと、断熱変化における仕事は等積比熱に2点間の温 エネルギ変換工学 度差をかければよいのだ。 11 (5)ポリトロープ変化 ★最後に,ポリトロープ変化とは圧力と比容積がつぎの指数関係で結ばれる変化で ある。すなわち, (4.34) n pv C ここで,式(4.34)の指数nをポリトロープ指数という。このポリトロープ指数を用い れば,今までに解説した1)から4)の各種状態変化は,つぎのように指数の値に よって一般化できる。すなわち,ポリトロープ指数nに対して, n=0:(等圧変化),n=1:(等温変化) n=κ:(断熱変化),n=∞:(等積変化) ★4.7.3 各種状態変化の研究課題 1.断熱変化の状態方程式が Pv const で与えられることを,熱力学の第1法則, 比熱比κならびに比エンタルピhなどを用いて証明せよ。 2015/9/30 エネルギ変換工学 12 (6)各種状態変化に伴う2点間の関係式 1.等圧変化(dP=0)の場合: VV TT 2.等積変化(dV=0)の場合: PP TT 3.等温変化(dT=0)の場合: PP VV 4.断熱変化(dq=0またはds=0)の場合 P V 1) P V P V C から P V 2) T V T V C から TT VV 3) P T P T C から T P b b a a b b a a b a a b a a b b 1 a 1 a a 2015/9/30 a a b b a a b 1 1 1 a b b b 1 b b 2 1 / 3 b Ta a Pb エネルギ変換工学 13 4.8 サイクルの熱効率 4.8.1 サイクルの熱効率の定義 入熱-出熱 作動流体がした正味仕 事 入熱 入熱 Q2 W Q1-Q2 1- Q1 Q1 Q1 ただし,熱効率の計算で,上式を使用する 場合は,熱量,入熱Q1>0,出熱Q2>0。 つまり,いずれも正にとるので注意す ること。 p Q1 C p=f1(V) B Q2 正味仕事W A p=f2(V) D V 2015/9/30 エネルギ変換工学 14 4.8.2 サイクルの紹介と熱効率の計算 A p QAB 爆 発 Q1 B 断熱圧縮 D p 等温変化T=T1 正味仕事W C 正味仕事W 膨張 断熱膨張 D E 圧縮 排 気 C 等温変化T=T2 吸入 A QCD B v v オットーサイクル カルノーサイクル p Q1 Q1DE p D C D 正味仕事W 爆 発 E 正味仕事W Q1CD C 爆 発 膨張 A 吸入 膨張 F E 圧縮 圧縮 Q2 排 B 気 A 吸入 v 2015/9/30 Q2 ディーゼルサイクル Q2 排 B 気 v エネルギ変換工学 サバテサイクル 15 1)カルノーサイクル(Carnot cycle) A→B:等温膨張変化(温度一定) B→C:断熱膨張変化 C→D:等温圧縮変化(温度一定) D→A:断熱圧縮変化 ここで,温度はT1>T2である。また各点の状 態量 ( p, v, u, h,T ) はつぎのようになる。 点A:( p , v , u , h ,T T T ) 点B:( p , v , u , h ,T T T ) 点C:( p , v , u , h ,T T T ) 点D:( p , v , u , h ,T T T ) A A A A A B 1 B B B B B A 1 C C C C C D 2 D D D D C 2 D p A 等温変化T=T1 QAB B 断熱圧縮 正味仕事W D 等温変化T=T2 断熱膨張 C QCD v ☆カルノーサイクルの熱効率 T2 1 T1 2015/9/30 重要:あとで証明しましょう。 エネルギ変換工学 16 2)オットーサイクル(Otto cycle) A→B:吸入行程,B→C:圧縮行程 C→D:爆発行程,D→E:膨張行程 E→B:排気行程,B→A:排気行程 このとき,点Aから出発し点Aへと戻るこのサ イクルの状態変化は, A→B:等圧膨張変化,B→C:断熱圧縮変化 C→D:等積加圧変化,D→E:断熱膨張変化 E→B:等積減圧変化,B→A:等圧圧縮変化 と呼ばれる。さらに,各点の状態量,すなわち, 圧力,比容積,比内部エネルギ,比エンタルピ および絶対温度など)は1)で示したカルノー サイクルと同様に表記される。 ★オットーサイクルの熱効率 1 2015/9/30 1 1 D p Q1 圧縮比 爆 発 正味仕事W C 膨張 E 圧縮 排 気 A 吸入 Q2 B v ピストン下死点時の体 積 V B V E ピストン上死点時の体 積 V C V D 重要,各自で証明してください。 エネルギ変換工学 17 3)冷凍機の成績係数 (coefficient of performance)COP ☆冷凍機は図に示すように,低温側の 熱量を汲み上げ,高温側に熱量を捨 てる。そこで,冷凍機では前述の熱効 率に相当する成績係数COPをつぎの ように定義する。 COP p 低温側から汲み上げた 熱量 サイクルに使用された 仕事量 Q2 Q2 W Q1 Q2 Q1 C p=f1(V) B 正味仕事 W A p=f2(V) D Q 2 V ☆4.8.2 カルノーサイクルの熱効率の研究課題 ☆4.8.2オットーサイクルの熱効率の研究課題 配布資料に沿って各自解答すること。 2015/9/30 エネルギ変換工学 18 ☆4.8.3 各種サイクルの研究課題 1.高温側熱源が1000℃,低温側熱源が20℃で作動 するカルノーサイクルの理論熱効率はいくらとなる か。 2.圧縮比がε=12で設計されたガソリンエンジンを運 転させたとき,熱効率はいくらと推定されるか。ただ し,比熱比はκ=1.4と仮定する。 3.カルノーサイクルを理論的に実現する方法を調査・ 研究せよ。またそのサイクルが実現不可能なことを 工学的観点から考察せよ。 2015/9/30 エネルギ変換工学 19 4.9 エントロピ 比エントロピdsの定義 ds dq T 全エントロピS dS Gds G J /(kg K ) p 等温変化 Ta Tb Q Ta Tb 点b 点a 点b( p b , vb , Tb , s b ) pb (J / K ) T 点a ( p a , va , Ta , s a ) pa dq dQ T T 入熱 Q=W 正味仕事W v va 2015/9/30 vb エネルギ変換工学 s sa sb 20 4.10 P-V線図,T-V線図,T-S線図(その1) 4.10 各種線図について ここでは,各種状態変化を,図に表すことを学習する。具体的には,P-V線図,T-V線図,T-S線図を書けるようにすることが学習の目的である。以下,考え方と, その線図を参考に理解を深めること。 4.10.1 P―V線図 1)等圧変化(P=一定) 圧力がp=一定であるから,等圧変化は横軸vに平行な線で表され,比容積vの変化には依存しない。 2)等温変化(T=一定) pv=RTより,圧力はp=RT/vとなる。ここで。ガス定数Rと温度Tが一定であるから,定数RT=Cとおけば,p=C/vとなる。したがって,圧力pは比容積vに反 比例した線(双曲線)で表される。 3)等積変化(v=一定) 比容積がv=一定であるから,等積変化は縦軸の圧力pに平行な線で表され,圧力pの変化には依存しない。 4)断熱変化(pvκ=一定) 断熱変化の状態方程式pvκ=一定より,圧力はp=C/vκ)と表され,圧力pはC/vκで減少する。 4.10.2 T―V線図 1)等圧変化(P=一定) 圧力がp=一定であるから, pv=RTより,縦軸の温度Tに対しT=pv/Rとなり,等圧変化では横軸vに対してP/Vの傾きを持った直線となる。 2)等温変化(T=一定) 縦軸の温度Tが一定であるから,横軸の比容積vに平行な直線となる。 3)等積変化(v=一定) 比容積がv=一定であるから,等積変化は縦軸の温度Tに平行な直線となる。 4)断熱変化(pvκ=一定) 断熱変化の別表現による状態方程式,Tvκ-1=一定より,T=C/vκ-1と表され,温度TはC/vκ-1で減少する。 4.10.3 T―S線図 エントロピSの定義式に忠実に考える。すなわち,エントロピの定義はdS=dq/Tである。 1)等圧変化(P=一定) 熱力学の第一法則からエンタルピーをhとすれば,加えた熱量dqはdq=dh-vdpであり,圧力がp=一定であるからvdp=0であり,dq=dh=CpdTとなる。したがっ て,エンタルピ変化s2-s1は,となり,等圧変化をT―S上にプロットすれば,温度の比(T2/T1)に依存して指数関数的に増加,または減少する。 2)等温変化(T=一定) 温度T=一定であるから,等温変化は縦軸のエントロピに平行な直線で表され,エントロピ変化s2-s1には依存しない。 3)等積変化(v=一定) 比容積がv=一定であるから 熱力学の第一法則から内部エネルギをuとすれば,加えた熱量dqはdq=du+pdvであり,比容積vがv=一定であるからpdv= 0であり,dq=du=CvdTとなる。したがって,エンタルピ変化s2-s1は,となり,等積変化をT―S上にプロットすれば,圧力または温度の比(T2/T1)に依存して 指数関数的に増加,または減少する。 4)断熱変化(pvκ=一定) 断熱変化の状態方程式(dq=0)より,これをエントロピの定義式に代入して, dq=Tds=0,∴ds=0,エンタルピ変化=0,s=一定,となる。 2015/9/30 エネルギ変換工学 21 4.10 P-V線図,T-V線図,T-S線図(その2) P P1 P2 1.P-V線図の書き方 1 2 等圧変化 3 等温変化 P4 P5 P6 T 6 等圧変化 4 断熱変化 5 等積変化 V1 V5 T 演習問題 1)カルノーサイクルをP-V,T-V,T-S線図上に描け。 2)オットーサイクルをP-V,T-V,T-S線図上に描け。 3)ディーゼルサイクルをP-V,T-V,T-S線図上に描け。 4)サバテサイクルをP-V,T-V,T-S線図上に描け。 V2 V3 V4 V6 V T 2.T-V線図の書き方 3.T-S線図の書き方 2 等圧変化 2 2 等圧変化 T2 T1e S 2 S1 / C P 0 T1 T3 1 1 3 等温変化 3 等温変化 5 等積変化 4 断熱変化 T4 T6 4 断熱変化 6 等圧変化 5 等積変化 V1 V5 2015/9/30 6 等圧変化 V2 V3 V4 V6 V S5 エネルギ変換工学 S1 S 4 S 6 T5 S 2 S3 S 22 4.10 P-V線図,T-V線図,T-S線図(その3) 1)カルノーサイクル A p 等温変化T=T1 QAB B 断熱圧縮 正味仕事W D 断熱膨張 C 等温変化T=T2 QCD v T A D 2015/9/30 T B C エネルギ変換工学 v A B D C S 23 4.10 P-V線図,T-V線図,T-S線図(その4) 2)オットーサイクル p D q2 C E q3 A T q 4 q1 q1 B v D D T E C C E B B A 2015/9/30 A v エネルギ変換工学 s 24 第4章 総合演習問題 (その1) ガス定数 1.圧力200kPa,温度40℃の状態にある酸素の比容積はいくらか。ただし,酸素は理想気体とみなし,酸素 のガス定数はとする。 (解答:0.407m3/kg) 2.ある気体1kgは,圧力101.325kpa(1標準大気圧),温度30℃の状態で,0.8m3の体積を占める。この気 体のガス定数はいくらか。 (解答:0.267KJ/(kg・K) 等圧比熱・等積比熱 3.ある理想気体1kgを容積一定のもとに,20℃から100℃まで加熱するのに837.2KJを要した。この気体の 分子量を2として,等積比熱,等圧比熱を求めよ。 (解答:Cv=10.5kJ/kg・k),Cp=14.7kJ/kg・K) 4.空気10kgを20℃から800℃まで圧力一定のもとで加熱する場合, (1)必要な熱量 (解答:1872kcal) (2)内部エネルギの変化 (解答:1334kcal) (3)エンタルピの変化 (解答:1872kcal) を求めよ。ただし,空気を理想気体とみなし,等圧比熱はCp=0.24(kcal/(kg・K)),等積比熱Cv=0.171 (kcal/(kg・K))として計算すること。 5.ある理想気体が2m3のタンクに,圧力200kPa,温度20℃の状態で入れられている。 この気体の圧力を340kPaまで上げるにはどれほど熱量を加えなければならないか。ただし, この気体のガス定数をR=0.46(kJ/(kg・K)),等積比熱をCv=1.40(kJ/(kg・K))とする。 (解答:852kJ) 2015/9/30 エネルギ変換工学 25 第4章 総合演習問題 (その2) 理想気体の各種状態変化 6.一定容積2000リットルのタンクに圧力2kgf/cm2,温度0℃の空気が入っている。この空気の重量を求めなさい。また,この空気を 60℃に加熱する場合の圧力の増加および加熱に要する熱量は何kcalか。ただし,空気は理想気体とみなし,ガス定数および等積 比熱はそれぞれ,R=29.27kgf・m/(kg・K),Cv=0.171kcal/(kgf・K)とする。 (解答:空気の重量=5kgf,圧力の増加=0.44kgf/cm2,加熱量=51.3kcal) 7.一定容積500リットルのタンクに圧力300kpa,温度120℃の酸素が入っている。この酸素から,40kJの熱量を取り去ったら圧力は いくらになるか。ただし、酸素のガス定数はR=0.2598(kJ/(kg/K))とする。 (解答:268kPa) 8.空気2kgを,圧力400kPa,温度の状態から,等圧のもとで容積が1/2になるまでの加熱に要する熱量はいくらか。ただし,空気の等 圧比熱はCp=0.837kJ/(kg・K)とする。 (解答:-675.4kJ) 3 3 9.初め容積1m ,温度25℃の状態のある気体を,等圧のもとで4m に膨張させるにはいくらの熱量を加えればよいか。またこの変 化によって,この気体がする仕事量はいくらか。ただし,気体の等圧比熱はCp=0.837kJ/(Kg・K),ガス定数は R=0.2943kJ/(kg・K)とする。 (解答:263.1kJ) 10.空気5kgを,圧力200kPa,温度27℃の状態から,温度一定のもとに,圧力1MPaまで圧縮するのに必要な仕事量を求めよ。ただ し,空気のガス定数はR=0.2871kJ/(kg・K)とする。 (解答:-693kJ) 3 11.ある理想気体が,圧力1MPa,容積0.1m の状態から,等温膨張によって,容積が4倍になった。膨張後の圧力,この気体が外部 になした仕事および外部から供給された熱量はそれぞれいくらか。 (解答:膨張後の圧力=250kPa,仕事量=138.6kJ,熱量=138.6kJ) 2 3 12.重さ1kgfの空気を,圧力1kgf/cm ,容積2.0m の状態から,断熱的に圧力20kgf/cm2まで圧縮するのに必要な仕事量を求めよ。 ただし,空気の比熱比はκ=1.4とする。 (解答:-46500kgf・m) 2 3 2 13.圧力2kgf/cm ,容積0.86m ,温度20℃の空気を,圧力20kgf/cm になるまで断熱圧縮させた場合について以下を求めよ。ただ し,空気の比熱比はκ=1.4、ガス定数はR=29.27kgf・m/(kgf・K)とする。 (1)使用している空気の重量 (解答:2.01kgf) (2)断熱変化後の容積 (解答:0.166m3) (3)断熱変化後の温度 (解答:567K,292℃) (4)断熱変化による仕事量 (解答:-40000kgf・m) (5)内部エネルギの変化量 (解答:93.7kcal) 2015/9/30 エネルギ変換工学 26
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