バーチャルリアリティ・制作

バーチャルリアリティ・
制作
~第十二回~
Virtual Realityとその応用
複合現実感・テレイグジスタンス
2つのバーチャル世界
 構成された世界
 現実空間のモデル
 現実の空間だか直接認識できない空間


教育,訓練や設計


遠方,危険,など感覚器の限界の世界(テレイグジスタンス)
フライトシミュレータ,バーチャルプロトタイピング
超現実空間のモデル
 現実ではない架空の空間



相対性理論の世界
数学(ベクトル場など)の世界
アミューズメントやアート
 伝達された世界
 リアルタイムのテレイグジスタンス
 ロボットの遠隔制御
構成された世界
現実空間のモデル
直接認識できない世界の例
 仮想内視鏡
(Virtual Endoscopy)
 CT像より3次元画像を構
築,視点を変えることによ
り体内に入り込める
 ミクロの決死圏?
 画像の読み方は難しい
構成された世界
現実空間のモデル
直接認識できない世界の例や超現実空間の例
 実際には経験できないシーンを経験


例えば,台風の中の自分,分子構造の中の自分な
ど
教育用途において大きな効果
 アインシュタインの相対性理論の世界を体験する,力
学の世界を体験する,実際に行うのは危険な実験を体
験する,など
 体験から法則の理解へ,という教育システム
構成された世界
現実空間のモデル
教育・訓練・設計の例
 バーチャルプロトタイピング



バーチャルな製品で評価することにより無駄
な中間製品を作らない
エネルギーや資源の節約
多品種少量生産の実現
 一人一人に合わせた製品が安価で制作可能
 好みへの対応だけでなく,障害を持った人のた
めの製品も同等に制作可能
 住居や都市空間についても同様
構成された世界
現実空間のモデル
教育・訓練・設計の例
 手技,特に外科手術のシミュレーション

教育用
 ある手術で起こりうる可能性がある状態を想定し
て,それに対応する手段の教育

計画用
 手術を何度も疑似体験することにより実際の手
術前の具体的なイメージがわき,手術のさらなる
バリエーションに対応できる
後ほど,ビデオで紹介します
内視鏡手術のシミュレータ
Clip setting
シミュレーター
Reachin Technologies,
Sweden
Camera Interaction
胆嚢管の切除
伝達された世界
VR+ネットワークで何が出来るか?
Surrogate
Travel
Virtual
Office
Home
Medical care
Virtual Reality
Network
Data Base
Virtual Public Facilities
Museum,Zoo,Library,etc.
Home
Shopping
Virtual
Conference
伝達された世界の例
バーチャルユニバーシティ
•Virtual空間の自分:アバタ
•共同作業が可能
VRMLで
記述され
た校舎
伝達された世界の例
バーチャルホスピタル
 CTやMRI画像などをVirtual空間に再現する事
により病状への理解を深める,離れている医
師同士のディスカッションなど
 患者の精神的ケア


TV電話などによる「定期検診」
病状や検査についての患者の自己学習など
 遠隔地にいる専門医によるケアや診断
伝達された世界の例
ロボットによる遠隔手術
ダビンチ・サージカルシステム
ダビンチ・サージカルシステム
伝達された世界の例
ロボットによる遠隔手術
 2001年9月,ニューヨーク-フランス間(約
6000キロ)で成功
 胆嚢摘出(腹腔鏡)手術,68歳,女性
 10Mbps,タイムラグ0.2秒
伝達された世界の例
高臨場感会議
 バーチャル会議室をCGにより生成する
 参加者もCGにより表示される
 送信側の参加者の動きや操作意図は,遠
隔地の受け手に送られ,受け手側の視点
の位置を考慮してリアルタイムに表示され
る
 バーチャル空間を共有して協調作業が可能
伝達された世界の例
高臨場感会議
こんな感じ?
伝達された世界の例
Telexistence
 人間の時間と空間の制約を解いて自由な空間で自在に
行動することを可能とする
 自分の分身であるロボットのいる場所に自分が実際に
存在するような臨場感(視聴覚,力覚機能)を得ながら,
その「自分自身である」ロボットを操る
 つまりは「ネットワークを介して自分自身を遠隔地に瞬
時に運び,そこにあたかも存在するような臨場感で行動
する技術」のこと
 災害救助や実際に人間がやるには危険な作業(ロボット
漫画の世界?)などへも応用可能
Telexistenceの研究状況
 実環境に存在する人間型ロボットにtele-existし,ロボット
の手や腕が自分の手や腕であるかのような感覚で作業
を行う



積み木を積み上げる
ランダムに動く台から生卵を握りつぶさずに知覚の人に手渡
す
つり下げられたピンポンを打ち返す(不定な動きへの対応)
 HONDA人型ロボットのスーパーコクピットによる操作
 包囲型ディスプレイと歩行移動機能,音響機能などの追加
テレイグジスタンス
操作
五感情報
Master side
Slave side
Presented by Tachi Labo. in University of Tokyo
テレイグジスタンス
スーパーコクピットとロボットの操縦
もっと身近なTelexistence
 ネットワーク技術とロボット技術の結合
 遠くにあるロボットを自分のうちからでもオフィス
からでも操作できるようにする

インターネットのような気軽さで,世界中の公共施設,
公園,博物館,ショッピングセンター,家庭などのロ
ボット機器を自由に操作できる
 通信販売であるにもかかわらず,実際に手にとって確
かめて買い物が出来る
 遠隔地にいる家族との五感によるふれあい
Telexistenceの問題点
 ロボットの操作者は現実空間と変わらない
感覚
 Telexistenceされた側は?
 例えば,Telexistenceシステムで家族とふ
れあう状況を考えてみよう
 Telexistenceされる側にも現実に操作者の
姿や声が感じられなければならない
 すでに解決のための試作はある
 「相互(Mutual)テレイグジスタンス」
解決案?
*技術的な詳細は後で説明します。
Mixed Reality(複合現実感)
 Virtual環境と現実環境を重ねることにより,それぞれ単
独では得られない情報を獲得する技術
 Augmented Reality

現実世界をベースに,その上にVirtual世界を重ねる技術
 Augmented Virtuality

Virtual世界をベースに,その情報を現実世界の情報により増
強する技術
Mixed Realityの例
 Augmented Virtuality
 空間
 virtual space
 物体 (花)
 real information
Digital Museum
Mixed Realityの例
 Augmented Reality
Digital Museum
現実空間に解説文が
表示される
Entertainment
現実空間でCG creature
と戦う
Augmented Realityの例
ビデオシースルーHMDをかけると,手のひらの上
にCGの水面が現れ,イルカが飛び跳ねるというエ
ンターテインメント作品「Contact Water」。
Augmented Realityの例
ワイヤーを通じて指の動きを入力するインタフェースデバイス
「SPIDAR-8」のデモンストレーション。ビデオカメラで取り込んだ手の映
像と,CGのキューブを合成し,モニターに映し出している。手を動かす
と,キューブが回るインタラクティブなアプリケーション。
その他のAugmented Reality
 医療応用
 実際の人間の体に,CT等で作成した立体像を重ねて表示(人体
の透視)
 頭部,視線,触覚センサとの合成により,体の外から「体の中を目
視し触診する」ことが可能
 ウェアラブルコンピュータ,GPSとの組合せ
 目前の物体の情報を現実世界へ投影
 建物や花や風景など図鑑的情報
 作業手順の重ね合わせ
 見えない壁の中の配管構造の透視
ARの応用例
網膜へ直接投影:Nomad Augmented Vision System
ARの応用例
網膜へ直接投影:Nomad Augmented Vision System
VR・ARの医療応用
 診断支援

立体視表示,レジストレーション(Augmented Reality)
 治療支援

手術ロボット,手術シミュレータ
 機能代行システム(バイオサイバネティックス):次週

脳と接続された人工眼,義手・義足,BCI
キーワード:リアルタイム性・患者自身の情報・直感的理解
VR・ARの医療応用例
(診断支援・治療支援)
 岐阜大学と慈恵医大での応用例です。
(World Business Satelliteより)
ARの要素技術と問題点
 要素技術

シースルー型HMD
 光学式
 ビデオ式
 問題点

遮蔽問題
 再帰性反射剤を用いたHMPによる解決案
光学式シースルーHMD
光学式シースルーHMD
 長所


現実空間は常に見え
ているため安全
同様に,現実空間の
把握(足下など)に優
れる
 短所
 バーチャル情報が常に
目の近くに投影される
ため遮蔽矛盾が生じる
 現実の物体とバーチャ
ル情報との焦点距離の
違いにより違和感が生
じる
遮蔽矛盾とは
光学式
シースルー
Virtual: 四角柱
Real: 円柱
CAVE
Virtual: ボール
Real: 自分の手
ビデオシースルーHMD
ビデオシースルーHMD
 長所



実空間をいったんビデオ映
像としてバーチャル情報と
融合するため焦点距離の
問題が少ない
距離センサを付ける事で
遮蔽矛盾を避けられる
現実とバーチャルを違和
感なく融合可能
 短所


ビデオ映像を合成する際
の時間遅延
完全遮蔽型のため,電池
切れなどの場合現実空間
も見れなくなり危険
光学式シースルーにおける解決案
 Head Mounted Projectorと再帰性反射材の利用






両眼用の画像を別々につくり投影する
ハーフミラーを用い眼の位置からスクリーンに向かって画
像が投影される
スクリーンには「再帰性反射材」を用いる
投影された画像はスクリーンからそのまま眼に逆投影さ
れる
必要な位置に再帰性反射材を塗布すれば,その位置に
のみバーチャル情報を表示できるため,遮蔽問題,焦点
問題が解決でき違和感のない空間融合表示が可能
複雑な機構が無く立体視が可能
再帰性反射材とは?
 光を受けると,その光が来たのと全く同じ方向に
反射を返す材料
通常の反射
(鏡面反射)
再帰性反射
?その原理は?
HMPの原理
左眼用画像投影
左目
ハーフミラー
右目
右眼用画像投影
再帰性反射材を塗布した
スクリーン
このように見えます
箱にのみ再帰性反射材が塗布されているため,
箱には映し出されるが手には映し出されない。
手による遮蔽問題が解決され,箱の中の物体
を違和感なく透視できる。
*先ほどのロボットの相互テレイグジスタンスは,これを利用しています。
このように見えます-2
人間とX線像(バーチャル情報)
との間の正しい遮蔽関係
診断や手術支援に応用可能
このように見えます-3
実時間で取得した背景映像を
実時間で処理して投影
PHANToMに再帰反射材を塗布,
そこに背景の絵を投影すると
PHANToMを透明化でき作業の
じゃまにならない
色々な研究例