農業情報提供のための AR インタフェースの開発 ○石丸俊介・岡安崇史・吉永 崇 1)・有田大作 1) 井上英二・平井康丸・光岡宗司 (九州大院生資環・ 1) 公益財団法人九州先端科学技術研究所) に紐付けされた画像データを登録順に並べ,登録 【目的】 生産者が自ら,自身の農産物や生産者に関する 日時とともに表示させた。 情報を正確且つタイムリーに消費者まで伝達し得 一方,Agri-eye システム内には,これらの情報 るシステムやサービスを構築することは,結果的 の表示方法や利用者のアクセスログを参照する機 に農産物の安心,生産者の利益・意欲向上に役立 能を追加した。これにより,生産者は自らの情報 つと考える。一方,農産物情報の認知度や利用率 を随時編集可能となり,時期に応じた出荷情報, の改善には,QR コードではなく,AR(Augmented 生産履歴を容易に開示できるようにした。 Reality,拡張現実)のようなより直感的なインタ 図 1 に作成した AR インタフェースの概要を示 フェースの導入が重要と思われる。本研究では, す。AR インタフェースは,junaio を起動させた 所属研究室で開発中の情報化農業支援システム スマートフォンを AR マーカにかざすだけで直ち “Agri-eye”から自動生成される生産者および農 に起動され,同端末の画面上に図 2 に示されるよ 産物情報を AR 表示できる新たなインタフェース うな情報を直接表示されることができる。これま の開発を試みた。 での QR コードによる情報表示と異なり,利用者 【材料および方法】 の操作性は大幅に改善されていることがわかる。 AR として表示させる情報は,Agri-eye データベ また,今回のインタフェースには,閲覧者の動向 ースから直接取得され,自動生成される html 形式 を生産者が認知できるように,閲覧者が AR 表示 の情報である。一方,AR インタフェースは,導 したアクセス情報をログとして記録できるように 入が簡単で種々の開発ツールが提供されている した。 “metaio”(metaio 社)を採用した。これにより, 今後の展望として,閲覧者に対してより視認性, AR イ ン タ フ ェ ー ス は , AR 開 発 言 語 AREL 利便性の高いコンテンツを提供するため,表示項 (Augmented Reality Experience Language) や 目の充実,表示手法の改善などを行う予定である。 PHP などの複数の言語を用いて比較的簡単に記 述可能である。また,AR インタフェースの表示 には,同社の“junaio”を用いた。作成した AR イ ンタフェースは Agri-eye サーバにアップロード した。AR マーカ画像は,生産者が普段から利用 しているロゴ画像を用いた。スマートフォンに導 入された junaio でロゴ画像(AR マーカ)を参照 することにより,生産者や農産物に関する情報コ ンテンツが Agri-eye サーバ上で自動生成され,直 図1 作成プログラム概要図 ちに AR 表示される仕組みとなっている。 【結果および考察】 AR インタフェースを利用することにより, Agri-eye 内の農業情報を QR コードではなく,任 意の AR マーカ画像(ロゴマーク)から取得・表 示できるようにした。表示項目は, 「各農産物の生 産履歴および生産時の画像を表示するスライドシ ョー」,「農産物の一覧」,「生産者情報」,「他サイ トや SNS へのリンク情報」とした。スライドショ ーは,生産者自らが作業中に登録した農作業履歴 図2 AR 表示画面 ─ 114 ─ p105-124postercs6.indd 114 2014/07/31 15:47:48
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