1P19 p型酸化物熱電半導体の傾向 (千葉大)○西山伸・牛島孝嘉・朝倉健作・服部豪夫 1998年10月29日 第18回セラミックス電子材料研究討論会 @川崎 熱電変換 素子を用いて熱と電気を相互に変換する方法 • 特徴 – 小型軽量 – 無騒音 – 環境にやさしい H.T. L.T. e e e (+) (-) V ゼーベック効果 • 現状での利用 – 人工衛星用発電 – 腕時計 – 焼却炉の廃熱利用発電 変換効率の高い 材料が必要! 熱電変換材料に求められる特性 • 高い変換効率 • 高温安定性(耐熱 性、化学的安定 性) • p型-n型半導体 • 環境安全性 - 高いゼーベック係数(α) - 高い電気伝導度(σ) - 低い熱伝導率(κ) ・熱電変換性能指数 2 Z = p型半導体酸化物 • 遷移金属〔3d金 属〕の電荷移動 • 2p酸素中への 強い電子間相 互作用 • 金属欠損あるい は過剰酸素に よるholeの導入 n dバンド EF 上部Habbardバンド pバンド p pバンド Mott-Habard絶縁体 下部Habbardバンド 電荷移動型 高効率 「p型」 酸化物熱電変換材料へのキー? • 低次元伝導体 2次元金属のバンド端近傍でのランダムさの増加 =>半導体化 •縮退半導体 •ヤンテラー効果 •ホッピング伝導 (VRH) 遷移金属 複酸化物 仮説 高い熱電変換効率を持つ p型の酸化物半導体の条件 • 遷移金属酸化物が導電 パスを形成し、 • それが2次元平面となっ ている結晶構造をもち、 • その2次元平面における 電子雲の重なりができる だけ大きい 酸化物半導体 Isotropic conduction Low-dimensional conduction 2種類の電気伝導のイメージ La2NiO4+d エネルギー ・常温ではn型! ・700℃以上でpに変化 30 Seebeck Coefficient / VK -1 La2Ni1-xCoxO4+d EF 20 酸 素 ド ー プ :x=0 : x = 0.05 : x = 0.10 : after Ganguly et al. for La2NiO4 10 0 O2p p型 n型 Ni 3d -10 0 200 400 600 800 o Temperature / C La2(Ni,Co)O4のゼーベック係数の 温度依存性 La2NiO4のエネルギー 状態の予想図 Nd2NiO4 • 400~500℃で金属 半導体転移 • La2NiO4よりもさらに n型 • 高温において過剰 酸素量が変化 エネルギー p型 EF 酸 素 ド ー プ O2p n型 Ni 3d Nd2NiO4のエネルギー 状態の予想図 Ln2NiO4 387 ・ La2NiO4とNd2NiO4は 完全固溶 ・ a,b軸: 35pm 、c軸:300pm ⇒ Lnイオンはc軸長 (伝導層間距離)に 大きく依存する。 Lattice constants a,b and c /pm Ln:La, Nd, Pr a b 386 385 384 383 382 1270 c 1260 1250 1240 0.0 0.2 (La2NiO4+d) 0.4 0.6 x 0.8 1.0 (Nd2NiO4+d) (La,Nd)2O4+d の格子常数 Ln2NiO4+dの電気伝導度 Ln: La1-xNdx (x = 0, 0.25, 0.50, 0.75, 1)および Pr 200 100 log ( / S·m ) 3.8 -1 • 400℃付近で金属-絶縁体 転移 • x = 0 と x = 1で電気伝導 度は最大、x = 0.5の時最 小。 ⇒移動度の低下 • Pr2NiO4の電気伝導度 La2NiO4と同程度 4.0 1000 600 400 3.6 (La1-xNdx)2NiO4+d x=0 x = 0.25 x = 0.50 x = 0.75 x=1 Pr2NiO4+d 3.4 3.2 3.0 1 2 -1 -1 1000 · T / K 3 Ln2NiO4+dのゼーベック係数 • 0より小さい ⇒ n型 電子構造を考えるとp型と同様 • 電気伝導度と対応した温度依存性 5 x=0 x = 0.25 x = 0.50 x = 0.75 x=1 Pr2NiO4+d / VK -1 0 -5 -10 -15 0 200 400 600 Temperature / °C 800 Ln2NiO4+dでの格子常数と電気的性質の関係 410 2 -1 400 390 4 Nd2NiO4+d / VK MIT temperature / °C 420 Pr2NiO4+d 380 370 1230 La2NiO4+d 1240 1250 1260 1270 Lattice constant, c / pm 金属-絶縁体転移(MIT)温度 0 Pr2NiO4+d La2NiO4+d -2 -4 Nd2NiO4+d 1230 1240 1250 1260 1270 Lattice constant, c / pm Seebeck 係数 at 800℃ NiOおよびNiLiO2の電気伝導度 Temperature / °C 500 400 300 200 100 -1 log ( / S·m ) 2 0 NiLiO2 NiO (2次元構造) (NaCl型) -2 -4 1.5 2.0 -1 2.5 -1 1000T / K 3.0 Co3O4 および NaCo2O4 の電気伝導度 2 NaCo2O4 -1 log ( / S·m ) 4 Temperature / °C 100 600 400 200 (層状構造) 0 Co3O4 (スピネル構造) -2 -4 1.0 1.5 2.0 -1 2.5-1 1000T / K 3.0 3.5
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