対称群の元の位数について - TOHO Univ.講座

東邦大学理学部情報科学科
白柳研究室
5510039 小泉宏美

対称群の元の最大位数を求める際に、自力で計算す
るには非効率であり、そのためのプログラムをつくり
研究につなげることにした。

対称群の元の位数のうち最大のものを、Mapleにより
プログラムし、位数に関する性質を調べる。
群における元aの位数とは
axが単位元となる最小の自然数x
[定理]対称群の任意の元を互いに素な巡回置換の積で表した
とき、その元の位数は、それぞれの巡回置換の位数の最小公
倍数となる。(cf.Robinson,An Introduction to Abstrsct Algebra)
1234567
5617324
積
(1 5 3)(2 6)(4 7)
3
2
2
最小公倍数の6が位数
n
最大位数
17
1
1
18
2
2
19
3
3
4
5
210
210
34
35
9240
9240
36
13860
20
420
420
37
13860
4
21
420
38
16380
22
420
840
39
16380
6
6
6
40
27720
7
12
24
41
30030
8
15
25
42
32760
9
20
26
840
1260
1260
43
10
30
30
27
1540
44
28
2310
45
60060
60060
60060
29
2520
46
13
60
60
30
47
14
84
31
4620
4620
15
105
32
49
16
140
33
5460
5460
120120
180180
50
180180
180180
11
12
23
48
60060
120120
位数で表すと、、、
(1 5 3)(2 6)(4 7)
[3 2 2]
n
巡回置換を位数で表した組み合わせ
6
[6],[1,2,3]
11
[1,2,3,5],[5,6]
18
[1,2,3,5,7], [5,6,7]
21
[2,3,4,5,7], [1,1,3,4,5,7]
22
[4,5,6,7], [3,3,4,5,7], [1,2,3,4,5,7], [1,1,1,3,4,5,7]
45
[2,3,4,5,7,11,13],[1,1,3,4,5,7,11,13]
46
[4,5,6,7,11,13],[3,3,4,5,7,11,13],[1,2,3,4,5,7,11,13],[1,1,1,3,4,5,7,11,13]
6次対称群の位数2の元
[2,2,2],[1,1,2,2],[1,1,1,1,2]
[2,2,2] …(1 2)(3 4)(5 6)
C
・(2−1)!・ 4C2・(2−1)!・ 2C2・(2−1)!
3!
6 2
=15
[1,1,2,2] 6C2・(2−1)!・ 4C2・(2−1)!
=45
2!
[1,1,1,1,2]
6C2・(2-1)!
=15
15+45+15=75
n
6
11
18
21
22
45
46
組み合わせ
[6]
[1,2,3]
[1,2,3,5]
[5,6]
[1,2,3,5,7]
[5,6,7]
[2,3,4,5,7]
[1,1,3,4,5,7]
[4,5,6,7]
[3,3,4,5,7]
[1,2,3,4,5,7]
[1,1,1,3,4,5,7]
[2,3,4,5,7,11,13]
[1,1,3,4,5,7,11,13]
[4,5,6,7,11,13]
[3,3,4,5,7,11,13]
[1,2,3,4,5,7,11,13]
[1,1,1,3,4,5,7,11,13]
元の個数
120
120
1330560
1330560
30487493836800
30487493836800
60822550204416000
60822550204416000
446032034832384000
1338096104497152000
446032034832384000
1338096104497152000
995855984561107180835524154975505453416448000000000
995855984561107180835524154975505453416448000000000
15269791763270310106144703709624416952385536000000000
45809375289810930318434111128873250857156608000000000
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45809375289810930318434111128873250857156608000000000
最大位数に関して、ところどころに異なる対称群に対し
て等しい最大位数が連続する部分がいくつかあった。
 1つの最大位数に対して巡回置換の組み合わせが2個存
在する場合はそれらの元の個数は等しくなり、組み合わ
せが 4個存在する場合は元の個数が等しくなるものが
2組ずつ あった。
 S18以降からだんだん位数分布の類似性がでてきた。
 S50になると1056種類の位数の中でたった数個の位
数だけが際立って多くの元をもち、それはS50の位数の
うち比較的小さな位数ばかりであった。
 今後はプログラムを改良し、S50以降のグラフについて
も調べていきたい。
