本測定

Zeebeck Effect Measurement Manual
principle
試料の両端に温度差
Tlow
Thigh
sample
Vlow
電位差⊿V が発生
Vhigh
sample
x
Zeebeck Coefficient : S
Vhigh  Vlow  S 
-1-
dT
dx
ゼーベック係数測定の流れ
試料セット
ステージの状態と試料をつけた後の抵抗を確認。
真空引き
15分間RPによる真空引き。
仮測定
冷却
本測定
Temperature differとVoltageの値に異常が無い
か確認。
温度を測定開始温度付近まで冷却する。
本番の測定を行う。
冷却&ガス抜き
温度を300Kに戻す。戻ったら、元栓を締めてガ
スが抜けるのを待つ。
ステージ清浄
ステージが正常な状態であることを確認し終了。
-2-
装置概要
パソコン
SB-100(測定装置)
K-20(温調装置)
窒素ボンベ
残り1本になったら
新しいボンベを注文する
ロータリーポンプ
ロータリーポンプ の 電源 スイッチ
窒素ガスを浄化するフィルター
フィルターは1.2と二つある。
8時間以上,もしくは5回測定したら
次にガスを流し始める前につまみを
ひねって1⇔2を交換する。
フィルター使用時間については使用簿を
見て確認する.
同じフィルターを使い続けないこと!!
ガス流量計
測定チャンバー
リーク弁
-3-
試料セット
④
①
②
③
T+ΔT
T
①
③
④
Sample
Reference sample
(Constantan)
銀ペースト
ヒーター
②
* VS = SS ΔT
VR = SR ΔT
SS = SR (VS / VR)
手順
1.ゼーベックステージの抵抗が正常である
ことをテスターで確認する。
V≒101[W]程度, VS=VR=O.L (絶縁状態)
緑で示した部分の上部と下部の両端が0.2[W]程度
2.二つの試料(試料とコンスタンタン)の長さを
約5mmになるようにする。コンスタンタンの径
は、試料の熱伝導率と径に応じて変えること。
3.左図のように、二つの試料がヒーターから
等距離になるように、銀ペーストでなるべく点で
つける。
(向きは、各試料⊥ヒーター)
VS
注意
VR
V
4.銀ペーストが乾いたら抵抗を確認。
(V≒101[W]程度, VS≦3.0[W], VR≒0.5[W] )
・ステージを清浄する時は、銀ペーストがヒーター部分に入らないように、細心の注意を払って
行なうこと。万が一入り込んでしまったら、超音波洗浄をする。ただし、長時間の超音波洗浄は
避け、5秒程度洗浄して抵抗を確認する。何度やっても抵抗が正常値に戻らないときは、ヒー
ターの寿命であるので破棄する。
・抵抗値が正常でない値を示す場合は、銅配線が断線していることがある。(
で囲った箇
所は、特に断線しやすいところ。)銀ペーストを用いて、点でつなげて使用すること。
-4-
真空引き
1.装置内を掃除する。加熱冷却器に負担のかからないよう慎重に行なう。
ふたについているゴムパッキンもはずし、きれいにしてからシリコングリスを
塗り直す。
2.試料をつけたステージを装置に設置する。
サーマルグリスをステージ裏と加熱冷却器のステージ接
地部の銅の部分に平らに塗り、温調装置に負荷がかから
ないように慎重に試料ステージをのせ、下の端子の部分
を差し込む。
サーマルグリスの過不足は、温度差に影響を与えたり、
加熱冷却器を詰まらせる原因になるので、適量を心掛け
ること。
3.リーク弁を閉め、ふたをかぶせて均等に閉まるように上から押しながら、ロー
タリーポンプの電源を入れて約15分真空に引く。
4.ガス圧調整つまみが閉じていていること(つまみがゆるんで簡単に動くこと)を
確認してボンベの元栓を開く。ガス圧がかかった状態でボンベの元栓を開ける
と非常に危険なので、絶対に確認すること!!
開
ガス圧調整つまみ
ガスの元栓
閉
5.使用するフィルターを確認し、つまみを開きボンベ圧をかける。
10 ~20kgf/cm2 で 約 1 ~ 2 分以上
-5-
仮測定
1.パソコン電源が入っていることを確認し、その後SB-100とK-20の電源を入れる。
(パソコン電源が入っていない状態でSB-100とK-20の電源を入れない!!)
スイッチ
2.仮測定を行う。( ステージの状態が最適かを確認する作業。保存はしない。 )
ガス圧を80~100 kgf/cm2 にし、パソコンデスクトップ上のSB-100のアイコンをクリッ
クして開く。画面下System StatusのMonitorをクリックし、現在の温度を確認する。
各種アイコン
各
種
フ
ァ
イ
ル
モ
ニ
タ
ー
ス
イ
ッ
チ
-6-
3.測定条件の設定を行なう。
左図のアイコンをクリックし、設定画面を開く。
Initial Temperature
Final Temperature
Slope
Standby Temperature
SB100 Power
Initial Delay
Operating Delay
測定開始温度
測定終了温度
温度変化速度
基準温度
ステージ上のヒーター
にかける電圧
試料全体を目的の
測定温度に保つ時間
ヒーターで熱し
温度差をかける時間
90~400
90~400
15以下
300 K
20~100
30~60
30
仮測定では、測定開始温度を現在の温度(Monitorで確認した温度)、
Temperature stepを5Kとする。
設定したらO.Kを押し設定を終了する。
-7-
開始
4.開始のアイコンを押し測定をはじめる。
仮測定では3 点程度測定し、Temperature Differが2~3K、
Voltageが1000以下であるかを確認する。
正常であれば仮測定を終了する。(終了ボタンを押した後、
SB-100のウィンドウを閉じる。データセーブはしない。)
異常があれば装置に詳しい人に相談する。
終了
デ
ー
タ
フ
ァ
イ
ル
の
呼
び
出
し
データセーブ
測定条件の設定
グラフのアイコン
一時停止
グ
ラ
フ
測
定
結
果
現
在
行
っ
て
い
る
操
作
目標温度 現在の温度
K-20 Power
ここが大きすぎると異常あり
時々チェックするように。
7.046Wとなっている時は、
ヒューズが切れている可能性
が高い。
-8-
Monitor
現在の状況を知る
冷却
1.本測定を開始するため、測定開始温度付近まで温度を下げる。(通
常、90Kから測定する。)
K-20 のアイコンをクリックして開く。ボンベ圧を120~125 kgf/cm2 に
する。
2.左のアイコンを押す。下の画面が出てくる。
3.Destination Temperatureを80
Slopeを15にしてEnterを押す。
4.Start を押す。
5.さらにもう一度左のアイコンを押して画面を出す。
6.Executeを押す。
7.ヒーターパワー P がかかって
おらず温度が下がっていることを確
認する。
100K付近になると、ガス流量計が上下
するはずなので確認する。
8.温度が90 K以下に下がったら、Stopを押してプログラムを終了し(ウィンドウを閉じ
る。セーブするかどうかの確認をされるが、通常は保存する必要はない。)、本測定を
はじめる。
-9-
本測定
1.再びSB-100のアイコンをクリックする。
2.測定条件の設定を行なう。(7ページ参照)
測定開始温度を90Kもしくは100K、Temperature Stepを10Kもし
くは20Kとし、さらにShow Advanced Settingsを開いて、測定点
数を決める。
3.設定したらO.K.を押し、測定を開始する。
注意
測定中にV1やV2の値が1000Vを超えた場合、すぐに測定を中止し、室温に戻ってからチャ
ンバーを開けること。ヒーターを使って室温に戻さないように!!
-10-
冷却&ガス抜き
1.測定が終了したら、Standby Temperatureまで温度が下がるのを待つ。
この間に、データの保存をする。
データの保存の仕方
1.セーブボタンをクリック
2.File nameの「C:\seebeck\*.sbd」の「*」を消して、測定した日付と何
回目の測定かを入れる。
入力例
2006年4月12日に3回目に行なった測定のFile name
06041203
※Data File Informationについては自由に入力してよい。
2.300Kになったらガスボンベの残りの圧力を記録し、ボンベの元栓を閉じる。
ガスが抜けきったら、ガス圧調節つまみを閉じる。
3.SB100のウィンドウを閉じ、SB-100とK-20の電源を切る。
4.チャンバーのネジを緩め、ロータリーポンプの電源を切り、急いでリークする。
5.ステージを取り外し、加熱冷却器とステージについたサーマルグリスをアル
コールで拭き取る。
6.ステージから試料とコンスタンタンを外し、ステージをアルコールで清浄する。
清浄したステージの抵抗を確認し、以上なら超音波洗浄を施す。
7.パソコンのディスプレイの電源を切る。(パソコン本体の電源は切らなくてよい。)
-11-
データの取り出し方
1.データファイル呼び出しボタンをクリック。
2.取り出したいファイルを開く。
3.Aドライブにフロッピーを入れる。
4.セーブボタンをクリック。
5.Save as *.CSV Data fileを選択する。
6.Aドライブを選択する。
7.File name の「*」を消して、ファイル名を入力する。
(英数字とハイフンのみ使用可。文字数制限8文字まで。)
8.OKを押す。
-12-
高温測定
④
③
①
②
Sample
Reference sample
T+ΔT
(Constantan)
T
③ 銀ペースト
②
④ ヒーター
K-20、SB-100のコードを低温用から高温用に
付け替え、PROMボードを取り外す。
試料を高温測定用セラミックスステージに取り付ける。
①
1.ゼーベックステージの抵抗が正常である
ことをテスターで確認する。
V≒101[W]程度, VS=VR=O.L (絶縁状態)
緑で示した部分の上部と下部の両端が
1.6~0.5 [W]程度
2.二つの試料(試料とコンスタンタン)の長さを
約5mmになるようにする。コンスタンタンの径は、
試料の熱伝導率と径に応じて変えること。
3.左図のように、二つの試料がヒーターから
等距離になるように、銀ペーストでなるべく
点でつける。
(向きは、各試料⊥ヒーター)
VS
VR
4.銀ペーストが乾いたら抵抗を確認。
(V≒101[W]程度, VS≦5.0[W], VR ≦ 2.0[W] )
V
高温装置にRPのチューブを付け替え、
真空引きの1~3までの操作を行う。
測定
1.パソコン電源が入っていることを確認し、その後SB-100とK-20の電源
を入れる。
2. Monitorで現在の温度を確認し、測定条件を設定し仮測定を行う
Advanced Settingを押し、Gainの項は必ず右図の部分に
書かれているGainの値と一致する値にチェックする。
(2012年現在300 )
Initial Temperature
Final Temperature
Slope
Standby Temperature
SB100 Power
Initial Delay
Operating Delay
測定開始温度
測定終了温度
温度変化速度
基準温度
ステージ上のヒーター
にかける電圧
試料全体を目的の
測定温度に保つ時間
ヒーターで熱し
温度差をかける時間
340
600~700
15以下
300 K
150
30~60
30
仮測定では、測定開始温度を現在の温度(Monitorで確認した温度)、
Temperature stepを5Kとする。
仮測定の値が正常であれば測定開始温度を340Kに設定し
本測定を開始する。
冷却&ガス抜き
1.測定が終了したら、Standby Temperatureまで温度が下がるのを待つ。
この間に、データの保存をする。
データの保存の仕方
1.セーブボタンをクリック
2.File nameの「C:\seebeck\*.sbd」の「*」を消して、測定した日付と何
回目の測定かを入れる。
入力例
2006年4月12日に3回目に行なった測定のFile name
06041203
※Data File Informationについては自由に入力してよい。
2.SB100のウィンドウを閉じ、SB-100とK-20の電源を切る。
3.チャンバーのネジを緩め、ロータリーポンプの電源を切り、急いでリークする。
4.ステージを取り外し、加熱冷却器とステージについたサーマルグリスをアル
コールで拭き取る。
5.ステージから試料とコンスタンタンを外し、ステージをアルコールで清浄する。
清浄したステージの抵抗を確認し、以上なら超音波洗浄を施す。
6. K-20、SB-100のコードを高温用から低温用に付け替え、PROMボードを
取り付ける。
7.パソコンのディスプレイの電源を切る。(パソコン本体の電源は切らなくてよい。)
-11-