「いきいき健康図書館」の活動 平成16年度東海地区医学図書館協議会 実務担当者会議 2005年3月14日 浜松赤十字病院図書室 飯田育子 本日の内容 ・ 図書室と担当者 ・ 患者図書室開設まで ・ 活動の現状 ・ 今後の展望 図書室と担当者 1.医学図書室 ・ 正職員1名(司書、ライフサイエンス情報 専門員上級) ・蔵書数 約1万冊(製本雑誌を含む) ・受入雑誌 162誌 ・相互貸借 1,400件 2.患者図書室 3.院内の仕事(委員会) ・図書委員会 事務局 ・院内研究委員会 事務局 院内医学雑誌の編集、院内学会の開催、 CPCの開催 ・広報委員会 事務局 病院広報誌の編集(月1回)、病院案内の 編集、病院ホームページ、電光掲示板 ・年報編集委員会 委員 患者図書室開設のきっかけ ・ 京都南病院の患者図書サービス 山室さんの活動をお手本に ・ 司書の入院と手術 病院には、医学情報提供と癒しのために 患者図書室が必要と実感 ・ 新潟県立がんセンター 「からだのとしょかん」の活動を参考に 病院への提案 1998年の秋 「患者図書室開設プロジェクトチーム」の発 足を司書から提案する 開設の準備 ・場 所 2階の外来近くにある多目的室 ・開室日 金曜日の午後2時から4時まで ・対 象 入院患者さんとご家族 開設費用 50万円 ・ 木製のブックトラック 2台 ・ 健康図書 100冊(病気、食事療法、生 活ガイド、看護・介護など) ・ 一般図書 14冊 ・ ヒーリングのCD 17枚 * 開設プロジェクトチームで選定 開設の目的 ・ 患者さんとご家族の健康情報入手をサポー トすることにより、治療への理解を深め、医 療スタッフとのコミュニケーションに役立てて もらう ・ 患者さんやご家族が、社会復帰に向けて、 家庭での看護や介護に役立つ情報を入手 するためのサポートをする ・ 心が癒される資料(図書やCD)を提供する ことで、ストレスを抱えている患者さんの療 養環境を快適にする ・ 回復期の患者さんには、病棟を出て別の 場所で読書をしたりCDを聴くことで、退院 に向けてのリハビリに役立ててもらう ガイドライン(利用のご注意) ・ 提供する資料は、特定の治療法などをお勧めす るものではありません ・ ご質問に対する一部の回答にすぎません ・ あなたの病気や体の状態と一致しない場合があ ります あなたと医療スタッフのコミュニケーションに、こ れらの資料を役立てていただければ幸いです 開室状況 ・ 開室日 金曜日 → 水曜日の午後2時~4時 開室日は、病棟に掲示 ・ 設営 午前中に資料を運ぶ 入口に、手指消毒用の「ウエルパス」を置く 廊下に「患者図書室返却箱」を常置する ・ 利用対象 入院患者さん、ご家族、お付き添いの方 提供資料 ・健康図書 ・医 学 書 ・健康雑誌 ・パンフレット ・CD ・一般図書 約230冊 約100冊 看護のための最新医学講座 看護教科書、医科学大事典 約130冊(「きょうの健康」など) 45枚 500冊(一部を提供) 提供サービス ・閲覧 ・貸出(冊数制限なし、次回の開室日まで) ・複写(1枚10円、司書が複写) ・CDの室内鑑賞と貸出 ・パンフレットの提供 インターネットは代行検索 医学図書室の資料を提供することもある 最近3年間の利用状況 開室日数 利用者数 貸出(健 康) 貸出(一 般) CD鑑賞 CD貸出 平成14年度 平成15年度 平成16年度 (4月~2月) 35日 377名 210冊 35日 414名 173冊 27日 294名 168冊 558冊 702冊 462冊 12名 1枚 18名 10枚 16名 15枚 平成16年度の貸出状況 1.健康雑誌(きょうの健康) 2.糖尿病、肥満 3.消化器疾患 4.介護関係 5.循環器疾患 6.脳卒中 7.リハビリテーション 8.骨粗鬆症など 9.腎臓疾患 10.小児疾患 健康図書・医学書の利用 ・高齢の患者さん 「マンガで見る病気の本」 ・医師や看護師が勧めることがある ・患者さんの代りにご家族が借りる ・患者さんがご家族の病気を調べる ・深刻な病気の患者さんの様子 ・医学図書室の資料を提供する場合 一般図書の利用 ・ ほとんど寄贈による ・ 病気の本だけでは気が滅入る ・ 長期入院の患者さん、ご家族には需要が 多い ・ 入院をきっかけに読書の習慣をつける ・ 患者さんとスタッフとのコミュニケーションに 役立つ 緩和ケアへの援助 ・ 一般病棟での緩和ケアチームの活動に司 書が参加 ・ 緩和ケアチームでの司書の役割 *スタッフに医学情報・医療情報を提供 *患者さんとご家族に、患者図書室から、 病気の情報や癒しの図書とCDを提供 する ・ 現在は中断している。 折り紙教室 ・ 病院ボランティアの協力による (2001年2月~2002年6月) ・ 入院患者さんに好評 ・ 楽しい雰囲気で、リハビリができる ・ 患者さん同士、患者さんとスタッフとのコ ミュニケーションに役立つ 今後の課題 ・ 常設が必要 ・ 外来患者さんへの公開 ・ 財源の確保 ・ スタッフとの協力活動 ・ ボランティアの協力 ・ 司書の力量アップ 課題への対応 ・新築移転により新しい図書室を設計 患者さんとスタッフが一緒に使える図書室 ・2階の外来近く スペース 130㎡、書庫20㎡ ・医学書の公開 ・インターネットの提供 ・患者さんの閲覧スペースに一般図書も置く まとめ ・患者として 病院には患者図書室が必要 できれば、医学図書室を公開して欲しい 医学情報の専門家にサービスして欲しい ・医学図書室の司書として 自分が患者になった時に必要な患者図 書室を作る 患者図書館関連資料 「健康・医学情報を市民へ」 医学図書館協会 2004年 「患者医療図書サービス」 病院図書室研究会 2004年 「患者さんへの図書サービスハンドブック」 全国患者図書サービス連絡会 2001年 「医学図書館」 Vol.51 No.4 2004年
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