~下請体制の弱点~ 國崎ゼミナール 私たちは、中小企業の開業・廃業率を見て、 廃業率が開業率を上回っており、特に製造 業で開業・廃業率の差が大きく、また、名 目GDP割合をみた場合、製造業の割合が大 きく減少していたので、製造業について調 べました。 業種 資本金(上段)/従業員数(下 段) 3億円以下 製造業・建設業・運送業・そ の他の業種 300人以下 (下記を除く) 卸売業 1億円以下 100人以下 小売業 500万円以下 50人以下 サービス業 5000万円以下 100人以下 ・事業所・企業・会社数は99%が中小企業 ・雇用者の約8割が中小企業に就業 ・付加価値額・製品出荷額の割合が50%超 える 製造業の現状 製造業に占める下請企業 下請けのメリット・デメリット 下請の問題点の指摘とその解決策 事業所数 開業率・廃業率 従業員数 下請企業の割合 万 90 事 85 業 所 80 87.4 87.8 85.7 82.2 77.2 75 70 68.9 65.1 65 60 55 57.2 54.8 50 1986 1989 1991 1994 1996 1999 2001 2004 2006 総務省「事業所・企業統計調査」 万 1500 人 1400 1300 1200 1334 1368 1409 1331 1292 1145 1113 1100 1000 994 992 900 800 1986 1989 1991 1994 1996 1999 2001 2004 2006 総務省「事業所・企業統計調査」 (%) 7 6.6 6 5 4 5.3 4.5 4 3.9 1.5 1.9 5.4 5.8 開業率 3.4 3.1 3 2 5.7 廃業率 2.2 1.2 1 0 91~94 94~96 96~99 99~01 01~04 04~06 06~09 総務省「事業所・企業統計調査」 70.0% 60.0% 65.5 58.7 60.7 55.9 53.3 47.9 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 1966 1971 1976 1981 1987 1998 (年) 経済産業省「商工業実態基本調査」 GDPの割合の減少 事業所・従業員の急激の減少 廃業率の増加 下請企業が約5割を占める 過去の取引先の経験やノウハウを活かせる 新たな販売等営業活動をしなくてよい 相手先の有する技術や技能、設備を理解しや すい 既存の取引先との競合先等の新 たな顧客獲得が難しい (%) 60 54.7 価格条件等の取引条件の変更が 難しい 50 過去の経緯等から無理な注文等 を押し付けられる 39.1 40 33.5 他契約との抱き合わせ等取引条 件取引内容があいまいになりや すい 新事業の開始等の新たな試みを 行いにくい 31.3 30 20 現在の自社の位置づけから脱却 しにくい 19.8 20.2 取引先との人材交流や人材の引 受等が大変 10 0 7.3 4.8 4.1 系列の金融機関を通じて、資金 調達が行いにくい その他 中小企業庁委託「産業、生活を支える企業に関するアンケート調査」 コスト面 価格条件等の取引条件の変更が難しい 労働面 取引先との人材交流や人材の引受けなど が大変 経営面 既存の取引先との競合等の新たな顧客獲 得が難しい 下請企業だか らこその問題 がある! コスト 面 労働面 事業面 強い低価格 要請による 売上原価の 低迷 仕入単価 の上昇 コスト増加 人材育 成難 従業員 の高齢 化 後継者 難 新顧客の 獲得困難 自社の位 置づけの 脱却困難 新事業 開発困 難へ コスト低減! 労働力の確保! 3.90% 6.10% コスト低減 6.10% 海外市場開拓・拡大 8.40% 労働力の確保 57.50% 20.70% 原材料の確保 生産拠点の分配による リスクヘッジ 42.50% 新事業を興すため その他 中小企業総合事業団 「海外展開中小企業実態調査」 5.60% 3.90% コスト低減 12.30% 12.80% 労働力の確保 48.60% 海外市場開拓・拡大 原材料の確保 生産拠点の分散による リスクヘッジ 新事業を興すため 31.30% 38.00% その他 中小企業総合事業団 「海外展開中小企業実態調査」 (%) 30 27.4 25 20 22.4 18.2 18.4 23.6 23.3 24.2 27.5 25.5 19.1 本社が大企業 本社が中小企業 15 10 5 1 0.9 0.8 1 1.1 1998 1999 2000 2001 2002 1.6 2 1.7 2.3 2.5 2003 2004 2005 2006 2007 0 経済産業省「海外事業活動基本調査」 実例 樹研工業 1. 2. 特定の親企業だけでなくさまざまな企業 との取引 企業同士が協力(企業集積・ネットワー ク) 実例:東京都の大田区 ・地域ネットワークの形成 ・柔軟な連結 ・情報の相互提供、共同開発など ができる 上 製品A 川 下 川 •長期的取引 •固定的取引 •親企業の依存度の高さ 製品B 上 製品A 製品B 川 下 川 •系列以外の分野のつながり •情報の相互提供 •共同技術開発 •共同受注 •受注分散 1.下請企業としてポジションを確保・強化して いく ①自社の固有技術を磨きながら、特定の親会社に 徹底的に追従 ②海外部品の調達、委託加工等、国際化のメリッ トを生かしながら、大幅なコストダウンができ る体制作り 2.脱下請けを目指す ①取引構造をツリー型からメッシュ型へ ②独自技術の開発
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