電磁石性能及びシュミレーション

電磁石性能及びシミュレーション
大阪大学理学研究科 物理学専攻
久野研究室
M1 中丘末広
目次
1.
2.
3.
4.
PRISM-FFAG電磁石の特徴
K値・F/D比によるビームダイナミクスの変化
磁場強度のバラつきによる影響
RFでの磁場が与える影響
1.
2.
5.
10回対称の場合
非対称の場合
まとめ
1. PRISM-FFAG電磁石の特徴
•大口径
Dメインコイル
•C型
•K値・F/D比が可変
Fメインコイル
K値(定数)→主に水平方向の
ベータトロン振動
k
D磁石
D(発散)磁石
r 
B(r)  B0  
r0 
F(収束)磁石
メインコイル
F/D比(定数)→主に垂直方向の
ベータトロン振動
F / D  BF L / BD L

トリムコイル
 B(r)
L   B(r)
BF L 
B0
r d
BD
B0
r d
BL積
K値・F/D比の可変
大強度ミューオン源
→大アクセプタンスであることが重要
しかし、リング製作の際様々な要因
からチューンシフトが起こり、アクセ
プタンスが減る。
K値・F/D比を調整することで設計時
の大アクセプタンスを実現できる。
K値
4.6
K値可変域
±0.5
F/D比
6
F/D比可変域
±2.0
また大口径FFAGにおいてk値・F/D比
を変えた場合のビームダイナミクス
を実験的にスタディできる。
POISSON磁場によるチューンと4Dアクセプタンス
の関係
ビームスタディの手法
現在の電磁石の仕様に沿って、トラッキングによるビームスタディを行った。
基準となるデータ
K+1値
(@z=0)
F/D比
(@z=0)
4Dアクセプタンス
= 950 M((mm・
mrad)2)
2. K値・F/D比を変える
K=4.6,F/D=4,
4D acc=310
(k  1) 2 2
  k 1
g1
N2
2
x
AV
f 2 (k  1) 2 f 2 2
  k 

g1
2
N2
2
z
K=4.6,F/D=6,
K=4.1,F/D=6,
4D acc=950
4D acc=1630
K=5.2,F/D=6,
K=4.6,F/D=8,
4D acc=360
4D acc=240
共鳴線をまたぐことに
よって四次元アクセプタ
ンスに変化が見られる。
→FFAGにおける共鳴の
効果のスタディに役立つ。
AV
3. 磁場強度のバラつきによる影響
磁場強度がセル毎にバラつきをもつとしてアクセプタンス
の評価を行った。
磁場強度のバラつきは4D
アクセプタンスに強い影響
力を持つ。
KEK150MeVFFAGの値
バラつき±3%の時の
4Dアクセプタンスは
95%に減少
磁場強度のバラつき(±%)
4. RF内の磁場による影響
1. RFの設置によって磁場が乱れチューン等ダイナミクスが変わる。
2. RF coreが磁気的に飽和 (インピーダンスが悪化する)
→十分な加速勾配が得られない。
磁気シールドを最適化して洩れ磁場を減らす必要がある。
KEK:150MeV-FFAGの経験からcore表面の磁場100Gauss以下が目標
距離が近い
電磁石本体
RF core
Field clamp
磁気シール
ド
4. 1. 10回対称の場合のアクセプタンスの変化
2500
2000
1500
1000
500
0
シ
2
RF
未
•シールドの素材によっては
目標値を達成。
3000
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
4Dアクセプタンス(M(mm・mrad) )
•シールドの分割で空気によ
る磁気抵抗を取り入れ効率
的。
3500
設
ー 置
ル
純 ドな
鉄
し
パ
シ
ー
ー
マ
ル
ロ
ド
イ
シ
ー
ル
ド
*RF空洞表面の磁気
シールドについて
表面での最大磁束密度(Gauss)
10回対称性(磁石・RF10台)を用いてトラッキングを行った。
磁気シールド
RF core
4Dアクセプタンス
RFでの磁場による四次元アクセプタンスの変化は2%程度しかない。
4. 2. 非対称の場合の4Dアクセプタンスの評価
さらに10回対称性を崩してアクセプタンスの評価を行った。この
際、RF core表面での最大磁束密度の違う2つのパターンについ
て調べた。
4Dアクセプタ
ンス [M
(mmmrad) 2 ]
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
601Gauss (磁気シールドなし)
167Gauss (純鉄シールド)
1台
8台 10台
RFの台数
非対称な場合でも4DアクセプタンスがRF・及びそのシールドにおける磁
場から受ける影響は2~3%程度である。
まとめ
PRISM-FFAG電磁石ではトリムコイルを用いて、大強度
ミューオンを実現するのに最適な磁場に調整が可能で
ある。また、実験的に大口径FFAGにおけるビームダイ
ナミクス研究が可能である。
磁場強度のバラつき±3%で4Dアクセプタンスは95%に
なる。
RFによる磁場の乱れで4Dアクセプタンスは、10回対称
の場合2%、非対称の場合3%減少する。
(補遺) 10回対称の場合のチューンの変化
F成分のk値は全く影響
を受けていない
D成分のk値はRFの設置で3%ずれる
チューンの変化
は1%以下。
→10回対称では
RFの有無での
ビームダイナミク
スの変化はない。