量と測定 (小学校算数B領域)

第30回 教師のための化学教育講座
量=数値×単位
常葉(とこは)学園大学 教育学部
中川邦明
2007-08-11@日本大学工学部
量の測定は自然科学の基本
小1 算数
ながさくらべ
左
①~③ 直接比較
④
間接比較
右
任意単位による
測定
量と測定
(小学校算数B領域)
1.
2.
3.
4.
直接比較
間接比較
任意単位による測定
普遍単位による測定
量=数値×単位
• 基準にとる量(単位)の何倍か
• 量自体
特定の単位で表わした量の数値
の区別
2.54 cm = 25.4 mm = 1 inch
量=数値×単位
• Quantity Calculus
• 単位の換算
数値 = 量/単位
• 表の欄の見出し
• グラフの軸の説明
平成20年度用
化学Ⅱ
•
•
•
•
東書 化Ⅱ008
大日本 化Ⅱ009
実教 化Ⅱ010
啓林館 化Ⅱ011
• 数研
• 数研
• 第一
化Ⅱ012
化Ⅱ013
化Ⅱ014
Quantity calculus
(数研 化Ⅱ012 裏見返し)
量の記号に伴う〔単位〕??
(数研 化Ⅱ012 p.51)
〔単位〕の表記の意味??
(実教 化Ⅱ010 p.338)
赤の下線部と青の下線部の矛盾
数値と共に現われる〔単位〕
(啓林館 化学Ⅱ011 p.45)
量=数値×単位 の概念を曖昧にしてしまう
Quantity calculusからの逸脱
計算の最後だけに、しかも〔〕で囲んで単位を書く。
以前は普通に見られたが、最近少し減って来た。
(第一 化Ⅱ014 p.43)
全く意味不明な単位表記
量〔単位〕が 量×単位 だったり 量/単位
だったり
極めて曖昧に使われている。
(東書 化Ⅱ008 p.49)
表の欄の見出し
数値=量÷単位 なので、 量/単位 が適切
量〔単位〕 は不適切
(数研 化Ⅱ012 p.93)
グラフの軸の説明
数値=量÷単位
量〔単位〕 は不適切
量/単位 が適切
(東書 化Ⅱ008 p.45)
単なる表記の問題ではない
自然科学の基本となる測定に対する適切な理解に裏
付けられた合理的な表記法
• ISO(国際標準化機構)
• JIS(日本工業規格)
• Green Book
– IUPAC(国際純正・応用化学連合)の委員会
– 化学で使う単位と用語の適切な使い方の普及をめざして
刊行
– 日本化学会標準化専門委員会