Quantity Surveyor とは何か? 【 1 】 QS の 役 割 今日のコンストラクション・プロジェクトにおいて重要な鍵であるコスト、管理、 コミュニケーションの諸問題をプロジェクト担当者を援助して解決し、プロジェク ト遂行を円滑に行う役割を持つ。 【 2 】 教 育 、 資 格 英国ではコンストラクション技術、積算、法律、経済に関する 5 年以上の教育を得 て厳しい試験に合格した後、RICS(The Royal Institute of Chartered Surveyors) により Chartered Quantity Surveyor の資格が与えられる。 【 3 】 QS の 担 当 業 務 範 囲 プロジェクトの契約前と契約後の 2 つに分けられ、それぞれ次の通りである、 (1) 契約前の業務 ・ コスト見積もり、比較を含めたフィジビリティ・スタディの援助及び機材の量の 見積もりを含めた最終見積もり作業の補助 ・ 数量表(Bills of Quantities)、契約条項、条件、仕様書、標準様式などを含めた コンストラクション契約(下請契約を含む)書類の作成 ・ 入札書類の作成と入札評価レポート準備 ・ 入札書のファイナンス、契約的観点からの評価と入札会議への同席と討論援助 ・ 確定した見積もりと予算に関するコスト影響の査定 ・ コスト・エンジニアリング手順の検討 (2) 契約後の業務 ・ 現場やホーム・オフィスにおけるファイナンス、契約関連記録の整備とフォロー アップ ・ 現場工事量の査定 ・ サブ・コントラクターの中間支払い請求のチェックと客先への中間支払い請求書 の作成 ・ 最終コストの定期的見積もり作成 ・ 特別なコストの請求書の作成 ・ 変更要求、納期延長、契約の不明確さなどの理由による特別なコスト請求に対す る対処方法の準備 ・ 全ての最終コスト及び数量確定に関する締結書の作成 ・ 全てのコスト・エンジニアリング手順のフォローアップとレポート作成 これらの業務は一貫して担当する場合もあれば、部分的に担当される場合もあり、 QS は客先側に雇われる場合もあれば、コントラクター側に雇われる場合もある。 【 4 】 QS 雇 用 の メ リ ッ ト コンストラクション・ジョブにおける出費の抑制と利益向上とコントラクター側の 組織内の管理、庶務の効率化により、コントラクターが QS を雇った場合は主に時 間と金の節約が期待される。 契約及びファイナンスの面にフルタイムで参加する場合は、特にコントラクターの 利益に役立つ必要な経験と専門家的意見を提言出来る。契約書作成、調達、コスト 管理、契約管理など各部門別に行われてマンパワーの無駄遣いになりがちな仕事に ついて、方針の統一を図った仕事の遂行が出来る。特に日本のコントラクターにと って QS を雇うメリットは、英語の契約に基づくコンストラクション・プロジェク トにおける彼らの豊富な経験を活用出来ることである。 Quantity Surveyor は英国を中心に古い歴史を経て確立されてきた職種であり、英 国ではこの業務を主体としているものは 20 数社あり、各社 100~200 人の有資格者 を抱えている。 日本のエンジニアリング企業の受注する海外プロジェクトの契約形態にコスト・プ ラス・フィー、またはユニット・プライスが多くなってきている現状からみて、彼 らを活用することも有益である。
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