統計解析 第15章 有意性検定 今日学ぶこと • 仮説の設定 –帰無仮説、対立仮説 • 検定 –棄却域、有意水準 –片側検定、両側検定 • 過誤 –第1種の過誤、第2種の過誤、検出力 仮説の設定 ある女性は、ミルクティーに関して 「ミルクを先に入れたか、後に入れたか、飲めばわかる」 と主張する。 主張を確かめるために実験する •ミルクを先に入れた紅茶 •ミルクを後に入れた紅茶 をそれぞれ1杯ずつ用意して飲んでもらい、 当たるか否か確かめる。 帰無仮説H0: 彼女はわからない。→当たる確率は1/2 対立仮説H1: 彼女はわかる。→当たる確率は1/2より大きい 有意水準と棄却域 テストを10回行う。 もし、当たる確率が1/2ならば、すなわち帰無仮説が正しいならば 彼女が当てる回数の確率は以下の通り n回当てる確率 = 10Cn(1/2)n(1/2)10-n 0 0.000977 1 0.009766 2 0.043945 3 0.117188 4 0.205078 5 0.246094 6 0.205078 7 0.117188 8 0.043945 9 0.009766 10 0.000977 彼女が9回以上当てる確率 =0.009766+0.000977 =0.010742≒1% 帰無仮説H0が正しいならば 起こりそうもない。 有意水準と棄却域(2) 有意水準:起こりそうもないという目安 例:有意水準5%→5%以下しか起こりそうにないことはうそ 棄却域:起こりそうもない結果 棄却域に落ちた結果は有意であるという 例:10回中9回以上当てたならば、 5%有意水準で有意である。 0 0.000977 1 0.009766 2 0.043945 3 0.117188 4 0.205078 5 0.246094 6 0.205078 7 0.117188 8 0.043945 9 0.009766 10 0.000977 有意水準5% の棄却域は9回以上 有意水準10%の棄却域は 8回以上 片側検定と両側検定 製品を平均1000g, 標準偏差5gで生産する機械 帰無仮説H0:機械は正しい→平均1000, 標準偏差5 対立仮説H1:機械は正しくない→平均1000, 標準偏差5でない 1009gの製品が生産された。 帰無仮説H0が正しいとするとその結果が起こる確率は? X~N(1000, 52) z=(x-1000)/5とすると Z~N(0,12) x=1009→z=1.8 よって、1009以上の製品が生産される確率は P(x>1009)=P(z>1.8)=1-F(1.8)=1-0.9641≒0.0359 5%有意で棄却 片側 検定 両側 検定 平均から9以上離れた製品が生産される確率は P(x>1009)+P(x<991)=2×P(x>1008) ≒0.0718 5%有意で棄却されない 中心極限定理と一緒に使う 製品を平均1000g, 標準偏差5gで生産する機械 帰無仮説H0:機械は正しい→平均1000, 標準偏差5 対立仮説H1:機械は正しくない→平均1000, 標準偏差5でない 9回の平均を計ったら1003gであった。 帰無仮説H0:N(1000, 52)→9回の平均~N(1000,(5/3)2) 対立仮説H1:N(1000, 52)でない→9回の平均~N(1000,(5/3)2)でない 1003gは有意水準5%で片側検定するとどうか? 有意水準5%で両側検定するとどうか? ? 第1種の過誤と第2種の過誤 第1種の過誤:帰無仮説が本当は真の時、これを棄却する誤り。 第2種の過誤:帰無仮説が本当は偽の時、これを保持する誤り。 箱の中に白玉と黒玉がある 帰無仮説H0:白10、黒90 対立仮説H1:白50、黒50 非復元抽出で4個取り出す。4つとも黒ならば帰無仮説H0を採択、 そうでなければ帰無仮説H1を棄却 第1種の過誤 白10、黒90で4つとも黒でない 第2種の過誤 白50、黒50で4つとも黒 ? ? 過誤の確率を知るには 対立仮説で具体的に数値が与えられていないとだめ 検出力 検出力=1-(第2種の過誤の起こる確率) 第2種の過誤の起こる確率 →帰無仮説が本当は偽の時、これを保持する確率 1-(第2種の過誤の起こる確率) →帰無仮説が本当は偽の時、これを棄却する確率
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