日本経済環境論

日本経済現状分析講義ノート
日本経済現状分析
:インフレとデフレ
呉銀澤
YUDA University
インフレーションの意味
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インフレーション:経済全体の財やサービスの価格(物価)が
継続的に上昇する現象で、貨幣価値の下落を意味する。→お
金の価値が下がること。
インフレは、好景気でモノがよく売れて品不足にある状態であ
る。企業業績は上昇して、従業員の給与(所得)も上がる。し
かし、給与の上昇が物価の上昇に追いつかないために実質
所得は低下していき、生活は苦しくなる。しかし、多少のインフ
レは、経済が発展過程にある場合には投資を促進したり、借
金が容易になるなど、経済成長を促進させる要因ともなる。
商品の値上げ(企業業績好調)
社員の給料の上昇率は小さい。(実質所得低下)
消費の減少(需要減少)
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超過需要(モノ不足)
↓
供給減少(経済の後退)
インフレーションの例(物価の上昇)
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デフレーションの例(物価の下落)
デフレーション:貨幣の支出に裏付けられた需要を「有
効需要」と呼ぶが、この有効需要が供給を下回ることに
より生じる物価水準の持続的な下落を意味する。超過
供給(需要<供給) の状態
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デフレーションの影響
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一般に、物価の下落は貨幣価値が上昇し、実質的な
所得の増加と考えられがちである。
しかし、物価の下落は商品価格の下落を意味し、そ
れによって企業収益は減少し、労働者の給与(所得)
が引き下げられたり、リストラなどで失業率が増大す
ることになる。
給与(所得)が下がると、モノを買うことができないの
で供給過剰(物余り)となり、さらに物価が下落するこ
とになる。
それによってデフレはさらに景気を悪化させることに
なる(低成長)。
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デフレスパイラル(deflation spiral)
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物価↓→商品の価格↓→企業収益↓→失業率↑→所得
↓→消費↓(供給過剰)→物価↓→商品価格
↓。。。。。。。。。。物価↓
デフレーションによって物価の下落と失業の増大が
際限なく続いて景気が悪化することをと言う→デフレ
による経済の悪循環 (あくじゅんかん)
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日本のデフレーション(デフレ)
第二次世界大戦以降、いわゆる「先進国」における経済問題は物価が高
騰する「インフレーション(インフレ)」対策がその大部分を占めており、デ
フレになった国はない。 しかし、日本のみが例外的に平成10年以降5
年連続して前年同月比が減少し、デフレーション状態に陥っている。
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