時間-周波数分解を利用した シャント音の解析

時間-周波数分解と圧縮伸長を
時間-周波数分解と圧縮伸長を
用いた
シャント音の解析
用いたシャント音の解析
工学部機械システム工学科デザインコース
工学部機械システム工学科デザインコース
T
MD
D 00 4466
T06M
モハマド
エサヌディン
モハマド エサヌディン
背景
・ 腎不全の場合は、血液透析が必要となる。
・ 血液透析を行う患者は、短時間で大量の血液を浄化できるため、静脈と動
脈を吻合させる手術を受けている。この手術はシャントという。
静脈
シャント
動脈
・ シャントされた血管では、独特な音が生じる。これをシャント音という。
・ しかし、シャントを受ける時、血管の狭窄が生じるという問題がある。狭窄と
は、血管の内膣が狭くなり、血液が通過しにくくなる状態のことである。
・ 狭くなった血管を元の状態に戻すために、PTA術を行う。
PTA後
PTA前
・ 本研究の目的は、PTA術前後のシャント音の変化により狭窄の診断を行
う方法を開発することである。
シャント音のパワースペクトルによる分類
・ 正常音
音圧
• Aタイプ - 高周波の音
圧が強い
• Bタイプ - 500Hzの近く、
凹凸が存在する
• Cタイプ ‐ 特徴付けが
困難
周波数
分類ごとの特徴
時間(msec)
周波数(kHz)
時間(msec)
Cタイプ:
断続性、
縞状の分布
周波数(kHz)
Bタイプ:
持続する縞状
の分布
Aタイプ:
強い高周波の
音圧分布
周波数(kHz)
周波数(kHz)
正常:
持続した強いス
ペクトログラム
時間(msec)
時間(msec)
圧縮伸長法 : 等ラウドネス曲線を用いた可聴音の抽出
シャント信号
周波数(kHz)
等ラウドネス曲線
120
101
100
時間(msec)
抽出された可聴音
intensity (dB)
80
60
可聴領域
1
40
10-1
20
10-2
周波数(kHz)
0
-20
聴き取りにくい領域
100
threshod
1000
frequency (Hz)
周波数(Hz)
時間(msec)
10000
圧縮伸長の結果 : PTA術前後
a) 原信号
b) 可聴音の信号
c) 聴取りにくい信号
P
T
A
前
「元音」+「可聴域の信号」+「聴取りにくい信号」
a) 原信号
b) 可聴音の信号
c) 聴取りにくい信号
P
T
A
後
「元音」+「可聴域の信号」+「聴取りにくい信号」
まとめ
 パワースペクトルによる既存の分類A,B,Cに関して、時間周波数分解
により、詳しい特徴付けが可能になった。
 圧縮伸長法により、シャント音の信号を聴取りやすい音と聴取りにくい
音をわけることができた。
 今後の課題:
シャント音の特徴付けができたので、狭窄診断に応用するプログラム
の作成が残された課題である。