4/21up - 竹中研究室

化学 IA
担当 佐藤 しのぶ
3回目(2015.4.23)
前回の授業の重要なキイワード
1)
2)
3)
4)
原子のなりたち
同位体
周期表の族と周期
アルカリ金属、アルカリ土類金属、
ハロゲン、希ガスは周期表のどこか
本日の内容
4・1 電磁放射と原子スペクトル
4・2 水素原子のボーア理論
4章 電子構造と周期表
元素の化学的・物理的性質を説明するために
「電子構造」を勉強する
なぜ???
原子が違いに反応したとき・・・接触するのは「外側」
※ 核はとても小さくて、原子の中に深く埋まっているので、
互いに近づくことはない。
原子の外側・・・電子が存在
化学的な類似点・相違点は電子の配列の仕方に依存する
電磁放射と原子スペクトル
光 = 電磁放射
3.00×108 ms-1の速度をもつ波(エネルギー)
振幅、波長、周波数で特徴づける
波長
振幅
図4・1
周波数: 波がある1点を通る際の1秒間に通り過ぎるピークの数
電磁放射と原子スペクトル
波長
振幅
図4・1
周波数: 波がある1点を通る際の1秒間に通り過ぎるピークの数
(波長) × (周波数) = 波の速さ
λ・ν = c
(4・1)
m・s-1 = m s-1
重要
1 Hz (ヘルツ) = 1 s-1
電磁放射と原子スペクトル
周波数
原子スペクトル
光=波
可視光
人の目に見える領域 赤
橙
λ = 400 – 750 nm
紫外光
UV-A 400-320 nm
UV-B 320-280 nm
UV-C 280-10 nm
黄
緑
青
紫
日焼け止めは、
UV-BとUV-Aを
カットする仕組
み
日立ハイテクノロジーズHPより 7
例題 4・1 周波数を波長に変換する
問題 ハムの放送に使用する電波の周波数は14.2 MHzである。
送信機から出されるラジオ波の波長はいくらか。
M(メガ)
106
p15, 表1・2
単位に注意
周波数・・・Hz
波長・・・m
光の速さ・・・ 3.00×108 ms-1
例題 4・3 波長を周波数に変換する
問題 波長 1.25×103 nmの赤外線の周波数はいくらか?
n(ナノ)
10-9
p15, 表1・2
利用する式
λ・ν = c
光の速さ・・・ 3.00×108 ms-1
原子スペクトル
連続スペクトル
線スペクトル
原子発光スペクトル
分光
おのおのの元素は特有の発光スペク
トルをもつ
バルマーの式
1884年
バルマーは水素の可視スペクトルのすべての線の波長の計算ができる式を発見
http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/ryosi/spectrum.htm
バルマーの式
1884年
バルマーは水素の可視スペクトルのすべての線の波長 (cm)の計算ができる式を発見
𝟏
𝝀
𝟏
𝟐𝟐
= 109678 cm-1(
−
𝟏
)
𝒏𝟐
n=3 のとき、λ=656.5 nm
n=4のとき、λ=486.3 nm
n=5のとき、λ=432.4 nm
n=6のとき、λ=410.3 nm
リュードベリーの式
バルマーの式を一般化したもの
𝟏
𝝀
𝟏
𝒏𝟏 𝟐
= 109678 cm-1(
−
𝟏
)
𝒏𝟐 𝟐
リュードベリー定数 R∞
109678 cm-1
1.1 × 10? m-1
この公式は
重要!!!
水素のスペクトル線の系列
紫外線
可視光
バルマー系列
赤外線
例題 4・4 リュードベリーの式を使った水素ス
ペクトル中の線の波長の計算
水素のブラケット系列の3番目の線の波長を計算せよ。
たとえば、
ライマン線のn1=1の4番目の線の波長を計算せよ、
という問題が計算できるようになること。
4・2 水素原子のボーア理論
原子の中の電子の動きをもとにして、線スペクトルの存在を明らかにしたい!!!
重要な概念
光は波の性質と粒子の性質を持つ
マックス・プランク、アルバート・アインシュタイン
光はエネルギーのごく小さい束、
すなわち量子 =光子からなるかのうようにふるまう
E = h・ν
6.63・10-34 J・s
h:プランク定数
4・2 水素原子のボーア理論
○水素の原子スペクトルは説明可能
×水素以外では正確な計算ができなかった
間違った部分が
あるということ
4・2 水素原子のボーア理論
原子は崩壊しない
光はただ、特定の周波数で原子から放出される
e
+
E
e
仮定
原子の中の電子は
ある特定のエネルギーしか持てない
=電子のエネルギーが量子化されている
とびとびのエネルギーしかもっていない
電子は特定のエネルギー準位に限定されて
い
4・2 水素原子のボーア理論
リュードベリーの式を
ボーア理論で導いてみよう
例題 4・5 水素原子内のエネルギー変化の計算
水素原子のもっとも低いエネルギー準位にある電子1個を取り去
り、H+イオンを作るのに必要なエネルギーを計算せよ。
H→H+
電子が遠くに飛んでいくということ。核に近いエネルギー準位
から無限の準位へ上がったということ。
今回のまとめ
1)
2)
3)
4)
光の特性 :波と粒子の性質を持つ
波長と周波数の変換
リュードベリーの式
ボーア理論
次回の授業
ブラディ 一般化学(上)
3. 周期表と原子の構造 (P 81~)
予習内容
<4章・原子スペクトル~電子配置>
4.3~4.5あたりまで
<九州工業大学 竹中研究室>で検索
研究グループ>佐藤しのぶ (Shinobu Sato)で以下のページを確認しておくこと。
http://takenaka.che.kyutech.ac.jp/2015/member/sato.html