大気の構造とオゾン層 紫外線 酸素分子(O2) → オゾン(O3) オゾン層: 紫外線Bの 99%を吸収して熱に変える 20-40km 地表 1 オゾン層とは 紫外線 ● 酸素分子(O2) → オゾン(O3) ● オゾン層: オゾン濃度が高い領域(成層圏) ● 紫外線A(波長> 320nm): 無害 ● 紫外線B(波長= 280-320nm): オゾン層が 99%を吸収; → 日焼け、皮膚の老化、皮膚ガン ● 紫外線C(波長< 280nm ): 酸素分子によって吸収 2 オゾン層の生成 ●34 億年前: 生命が誕生 ● 27 億年前: 光合成生物(藍藻類の祖先)の出現 → CO2 からO2 → オゾンの生成開始 ● 4億年前: 生物が陸上に進出 ( 30 億年間は、生物は紫外線が遮断される水の中でだけ ← オゾ ン層未発達) ●大気中の酸素量増加 → オゾン量増加 → オゾン層形成( O2濃度 が現在の 10%程度) → 紫外線Bの大部分が遮断 ●紫外線B: 有機分子(DNA、タンパク質など)を破壊 → 陸上生物に致命的に危険 3 オゾン層破壊 ● オゾン層破壊の原因物質: クロロフルオロカ-ボン(CFC)類 構成元素:炭素、塩素、フッ素 (フロンは日本での通称名): ● 洗浄剤、発泡剤、冷却剤 、噴射剤として使用 → → 成層圏に到達しオゾン層を破壊 → ● 先進国ではCFCの使用を禁止 → 対流圏では安定 南極上空にオゾンホ-ル 大気中でのCFCの濃度は低下 ● CFCの寿命は 70ー150 年 → → 現在もオゾンホ-ル拡大 オゾンホ-ル消滅は21世紀中頃(?) ● オゾン層破壊のメカニズム CFCl3 紫外線(UV) → Cl + CFCl2 ,, O3 Cl → O2 ● 1個の塩素原子は十万個のオゾン分子を破壊 ← 触媒作用 4 南極大陸でのオゾン破壊量 5 南極オゾンホールの年最大面積 南極オゾンホールの面積は、南極大陸の約1.5倍。 オゾン層破壊物質の規制により、減少傾向。 気象庁 オゾン層減少の結果 ●紫外線A: 無害 紫外線B: 大部分をオゾン層が吸収 紫外線C: 酸素が吸収 ●紫外線BはDNAやタンパク質を破壊 → ● オゾン層1%減 → UV-B 2% 増 → 皮膚ガン発生率 3-6% 増 ●オゾン層10%減 → UV-B 20% 増 → 皮膚ガン発生率 30ー50% 増 ●目の水晶体はタンパク質 → 白内障患者増 ●免疫機能低下、皮膚老化、植物の成長抑制 ●日本上空でもオゾン層は減少 → 紫外線量が増加中 ●CFC代替品: 温室効果がある → 京都議定書での温暖化ガス排出削減対象品目 7 8 環境に関する問題 (1) 酸性雨の影響について知っていることを書け。 (2) クロロフルオロカーボンはなぜオゾン層を破壊するのか。 (3) クロロフルオロカーボンの使用は禁止された。しかし、今も成層圏の オゾン濃度は低下しつつある。なぜか。 (4) 成層圏のオゾン濃度が減少すると、何が起こり、人間と植物にどの ような影響があると考えられるか。 9 環境に関する問題例(2) ●光合成では酸素が放出される。しかし、ここ数億年間大気中の酸素濃 度はあまり変わっていない。なぜか。さらに、大気中の酸素濃度が高まる ための条件を述べよ。 ●一定量の植物体が、高等動物の食料になって酸化するときと、微生物 による腐敗によって酸化するときと、また燃焼で酸化するときとで酸素消 費量を比較せよ。ただし、生物相は定常状態にあると仮定する。(ヒント: 化学反応方程式の意味を考えよ。) ● 使用済み食用油の処分法として、燃やす、地面に捨てる、川に流す、 石けんにするなどが考えられる。この4つの方法ごとに、最終的な生成物 の名称と量を比較せよ(化学反応方程式の意味を考えよ)。また、以上の うちで最も望ましくないものはどれか。そう判断した理由も述べよ。 ( ● 使用済の食用油を河川に流すとどのような測定値がどう変わるか。 その測定値の変化は何を意味しているのか。) 10 14章 ○光合成では・・ 16章 ○使用済みの・・ ○一定量の・・ ○使用済み食用油・・ の解答へのヒント ( 光 合 成 太 陽 エ ネ ル ギ ー ) CO2は炭素原子の大気中で最も安定な形だから、これを他のものに変えるのに はエネルギーが必要。これが、 CO2を処理して除くことを困難にしている。 11 ●光合成: 1分子のCO2→有機化合物中のC1原子とO21分子 ●有機物の酸化(ルートはいろいろ) :1原子のCと1分子のO2 →1分子の CO2→地上の天然物量が変わらなければ大気中のO2量は変わらない。 ● Cが1原子地中に入る→(石炭、石油、天然ガス等) → 大気中に1分子のO2が残る。 ●有機物が食用油の場合: ●石けん(有用)にする → 微生物などの食物連鎖 → CO2+ H2O ●燃やす(途中の害が少ない)→ CO2+ H2O ●地面に撒く → 土壌微生物 → CO2+ H2O ●川に流す→ 水中微生物(酸素欠乏、富栄養化)→ CO2+ H2O (いずれの場合でも、二酸化炭素(CO2)の生成量は同じで、差がない。) ●化学反応式の意味: 原料と生成物が決まっていれば、途中の反応経路が異なっても、生成物 の量も、最終的なエネルギー変化量も変わらない。 (「物質不滅の法則」「熱化学方程式(ヘスの法則)」) 12
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