情報電子工学実験の導入期における実践例

情報電子工学実験の
導入期における実践例
原田徳彦 新田貴之 杉村敦彦 寺西信
山田健仁 百田正広 神田徳夫 池田信彦
(徳山工業高等専門学校)
徳山高専情報電子工学科の目標
情報通信システム
コンピュータを核とする多様なシステム
コンピュータ応用
機器システム
情報処理システム
カリキュラム
1・2・3学年 コンピュータ、電気電子
4・5学年、専攻科 コンピュータシステム
情報電子工学実験の目的
理 論
実 験
従来の工学実験における問題点
1.電子部品(LCR)
2.回路網の定理
3.オシロスコープを用いた波形観測
4.直並列共振回路
5.電源回路(整流回路、平滑回路)
6.ダイオードの静特性
7.トランジスタとFETの静特性
8.交流ブリッジ
9.電力の測定
10.論理回路
11.微分・積分回路
12.ワンボードマイコンの操作法および入
出力方法
実験12テーマを各班で
毎週ローテーション
実験テーマ連携困難
工学的理解の妨げ
工学実験改善プロジェクト
学生の現状
• 基本的事項が身に付いていない
• 勉学意欲が低い
• 実験の目的(理論とのつながり)を理解し
ていない。
» 現状を踏まえた実験テーマの作成
導入期における一斉実験
クラス一斉に同じ実験を行う
• テーマの順序立てができ、テーマ毎に連携
し、学生の習熟度を上げる工夫ができる。
• 装置や指導上の問題点を発見しやすい。
• 報告書への対応が一斉にでき、さらに
個々の報告書に対しての細やかな個別指
導が可能。
実験テーマの設定
• オシロスコープの取り扱いに習熟する。
• 受動素子(RC直列回路、RCパルス応答、周波
数応答)
• 論理素子(トランジスタによる論理動作、TTLの
動作)
• 増幅素子(トランジスタの増幅動作、OPアンプ
の動作)
一斉実験テーマ
1.オシロスコープの使い方
2.電子部品1(抵抗の基礎実験)
3.電子部品2(コンデンサとコイルの基礎実験)
4.コンデンサの特性測定(RC直列回路)
5.RC回路のパルス応答と周波数応答
6.オシロスコープの操作のテスト
7.ダイオードの静特性
8.トランジスタ、FETの静特性
9.ダイオード、トランジスタを用いた論理回路
10.ICによる論理回路
11.小信号増幅回路
12.オペアンプの基礎実験
一斉実験の実施
• クラス(40名)を12班の編成
• 個人にブレッドボードとマルチメータ
• 各班にオシロスコープとファンクションジェ
ネレータ
• テーマ作成教官(1名)+実験担当教官(4
名)+技官(1名)で指導
オシロスコープの操作のテスト
オペアンプの基礎実験
一斉実験授業評価アンケート
60%
year
2003
2002
2001
40%
ハ ゚ー セン ト
20%
0%
強否
否定
肯定
強肯
先 生は , 実 験中 にア ドバ イ スや 注 意を し ます か。
y e ar
2003
2002
2001
50%
40%
パ ー セン ト
30%
20%
10%
強否
否定
肯定
強肯
先 生は , 実 験の準 備を よ くし て いま す か。
y e ar
2003
2002
2001
60%
40%
パ ー セン ト
20%
0%
強否
否定
肯定
強肯
先 生から , 提 出物 につ いてコ メ ン ト や 注 意, 指 導は あ りま すか。
y e ar
40%
2003
2002
2001
30%
パ ー セン ト
20%
10%
強否
否定
肯定
強肯
あ なたに とって, 先 生の説 明は 理 解し やす い ですか。
year
2003
2002
2001
50%
40%
ハ ゚ー セン ト
30%
20%
10%
強否
否定
肯定
強肯
あ なたは , 設 定され た実 験テー マにつ いてよ く 理 解し まし た か。
40%
year
2003
2002
2001
30%
ハ ゚ー セン ト
20%
10%
強否
否定
肯定
強肯
あ なたは , 設 定され た実 験テー マに興 味がも てま し たか。
y e ar
60%
2003
2002
2001
40%
パ ー セン ト
20%
0%
強否
否定
肯定
強肯
あ なたは , 班 は 適 切な人 数で構 成され ている と思 いま すか 。
y e ar
2003
2002
2001
60%
40%
パ ー セン ト
20%
0%
強否
否定
肯定
強肯
あ なたは , ブレッドボー ドの回 路作 成 は 便 利だと思 いま すか 。
40%
y e ar
2003
2002
2001
30%
パ ー セン ト
20%
10%
強否
否定
肯定
強肯
不 備な実 験装 置 は , あ りまし た か。
y e ar
2003
2002
2001
40%
30%
パ ー セン ト
20%
10%
強否
否定
肯定
強肯
全 員が同 時に同 じ 実 験を 行 う ことは, 今 後も 続 ける べき だと思 いま すか 。
検討
一斉実験の方向性は肯定されている。
学生の理解が十分得られたと言えない。
個々の実験テーマについて総合的な理解へ
のつながりを再検討する必要がある。
学生が自ら疑問を持ち、考え、調べることも
大切。
まとめ
• 情報電子工学実験は,従来の座学の授業
を補完する立場から,一斉実験を取り入れ
工学的な理論を関連付けることにより,工
夫し積極的に理解させる立場に変わってき
た。
• 学生が自ら工学的発見を積み重ねていけ
るように、実験テーマを工夫し発展すべき
である。