図書だより 神無月(10月)

図書室だより
図書室だより
★ 教室掲示を,お願いします。
神無月号
広島県立五日市高等学校図書室
おススメの本
おススメの本 数学科 福永聖子先生
平成27
平成27年
27年10月
10月23日発行
23日発行VOL, 9
★窓辺に
窓辺に差し込
む淡い夕日が
夕日が,
読書する
読書 する君
する 君 の 1
ページを照
ページを 照 らす
秋…。
★ 新
着
図
『人質の
人質の朗読会』
朗読会』 小川洋子著
中央公論新社
この頃
この頃,勇ましい言葉
ましい言葉に
言葉に耳を塞ぎたくなる。
ぎたくなる。どの人生
どの人生も
人生も
愛しい。
しい。そんなあたり前
そんなあたり前のことを感
のことを感じていたい。
じていたい。私は,あ
なたは,
なたは,何を物語る
物語る?
書
案
内
『スクラップ・アンド・ビルド』
スクラップ・アンド・ビルド』
図書活用状況 9/1~9/30 3年生…76冊
羽田圭介著
文藝春秋
本書は,今年度上期の芥川賞受賞作である。自分の祖父の介護を何かとサ
ポートしている,会社を辞めたばかりの20代前半の孫が主人公である。祖
父は介護施設に入ったり,入院していなければならないほどではない。が,
一人で生活するのは困難な状態だ。そしてずっと「もう、毎日体中が痛くて
痛くて…どうもようならんし,悪くなるばぁっか。よかことなんあひとつも
なか…」と言い続けているのだ。これに対して,優しい言葉をかけるような
主人公ではない。日々衰えていく祖父を横目に,自分は絶対こうはならない
んだと思いながら,己の体を鍛えようとする姿が描かれていく。家族の立場
からの介護の現実が,巧みに物語の中に描かれている作品である。かつての
有吉佐和子のベストセラー『恍惚の人』に描かれていた徘徊するおじいさん
を,必死で探し求める家族の姿や,少し前『介護入門』で,いきなり芥川賞
を受けたモブノブオの作品とは,ずいぶん違う…有吉佐和子の作品やモブノ
ブオの小説は本校図書室にもあるので,読書の秋にぜひ読み比べてほしい。
『世界から
世界から戦争
から戦争がなくならない
戦争がなくならない本当
がなくならない本当の
本当の理由』
理由』 池上彰著
祥伝社
第二次世界大戦から70年が経つ今年2015年にも,世界では戦争が起
こっている。中東,アフリカ…今現在も悲劇は世界中で生まれている。なぜ
戦争は繰り返されるのか。池上さんはこう述べている…戦後70年,私たち
は第二次世界大戦から学ぶべきことを,今一度考えなければならない。複雑
な世界情勢も,あの大戦から世界がどのように変化してきたか,その歴史を
紐解いてみれば,本当の理由が見えてくる。戦争から得た学びを,きちんと
未来へ繋げている国,反対に戦争の過ちを何度も繰り返す国,戦争の恨みを
いつまでも持ち続ける国…。世界はそれぞれ「戦後」を歩んできた。この世
界は本当に「戦後」と呼べるのだろうか?と…。
『野球と
野球と広島』
広島』
山本浩二著
角川書店
惜しくも,CS進出を0,5ゲーム差で逃したカープ…。あの阪神との試
合を「勝ち」としていたらと内心思うファンは多い!さて,本書は監督とし
ても優勝しているミスター赤ヘル山本浩二の最新著作だ。広島には野球があ
り,カープがある。そして日本一のボールパークがある。熱い想いを語る。
2年生…61冊
1年生…105冊
『100万分
100万分の
万分の1回のねこ』
のねこ』
江國香織ほか
集英社
江國香織ほか著
ほか著
『青春
『青春ロボット
青春ロボット』
ロボット』
佐々木庸介著 ディスカバー21
ディスカバー21
五高生の殆どの人は,小さい頃
に『100万回生きたねこ』を読
んでいたり,読み聞かせ等でも知
っていると思う。いくつになって
も,心の奥深くにある物語の一つ
だろう…。本書はトリビュート短
編集として,13の物語が編まれ
ている。果たして「猫」達は登場
するのか?ぜひ,ページをめくっ
てみよう!また,この春惜しまれ
つつも亡くなった児童文学作家の
今江祥智の作品や,岩国市在住の
『朝はだんだん見えてくる』等の
小説で知られる岩瀬成子さんの物 中学生のなかに紛れ込んだ,
語も載っている。
人間そっくりの「ロボット」
手崎零(てざき・れい)は,
『持たざる者
人間を幸せにするために,常
たざる者』
金原ひとみ
集英社
に最適な行動をとっていた。
金原ひとみ著
ひとみ著
だが,ある出来事により自身
「東北大震災・福島第一原発事故」が ロ ボ ッ ト だ と 周 り に 気 づ か
後,2年を舞台とした小説である。れ,友達との関係が壊れてし
少しずつ関係のある4人の男女が まう。高校に進学した零は一人
主人公だ。彼らは3・11後を,ど の少女,珊瑚(さんご)と出
のように生きてきたか?放射線に 会う。彼女と付き合って卓球
よる人体や食物への影響,住む場 部に入り,再び人間との交流
所を失うこと,放射線事故・汚染 を深めていく…。順調な日々
に対し「状況は完全にコントロー を送っていた零だが,卓球の
ルできています。」と言った類の 試合当日,突然気を失なう。
言葉を,うのみにすること等,生 目覚めた零が気づく,自身も
活する中で私達が直面せざるをえ 知らなかった秘密とは…?
ない問題をリアルに描いている。 この秋に楽しく読める一冊!