10.施設配置問題 - - 名古屋市立大学経済学

10.施設配置問題
1
物流費用削減のための問題
施設A
施設B
施設C
施設D
顧客1
110*
640
670
450
顧客2
585
65*
590
115
顧客3
165
200
125*
840
顧客4
595
580
115
100*
この時、施設を2つ閉鎖したいのだが
どの2つを閉鎖すれば一番費用が最小となるか?
(表中数値は施設から顧客ゾーンへの推定輸送費用を示し、
*印は顧客がどの施設から輸送するのが最適かを表す)
2
常識に基づいた解き方
<解き方>
各施設を閉鎖したと仮定した時、輸送費用の増加が最小のところを閉
鎖する。(このような意思決定を貪欲ヒューリスティックと呼ぶ)
・Aを閉鎖した場合 450-110=340
・Bを閉鎖した場合 115-65=50
・Cを閉鎖した場合 165-125=40
・Dを閉鎖した場合 115-100=15
よってDを閉鎖
施設Dを閉鎖した後の顧客の施設への割り振り
顧客1
顧客2
顧客3
顧客4
施設A
110* 585
165
595
施設B
640
65*
200
580
施設C
670
590
125* 115*
3
常識に基づいた解き方(つづき)
同様の方法でもう1つ閉鎖する施設を求める。
・Aを閉鎖した場合 640-110=530
・Bを閉鎖した場合 585-65=520
・Cを閉鎖した場合
(165-125)+(580-115)=505
Cを閉鎖
この結果年間輸送費用は920となる
施設Cを閉鎖した後の顧客の施設への割り振り
顧客1
顧客2
顧客3
顧客4
施設A
110* 585
165* 595
施設B
640
65*
200
580*
4
貪欲ヒューリスティックは
完璧か?
今回の問題では貪欲ヒューリスティックを使って、
正しい解は得ることはできず、解としては
「施設Aと施設D」を残すことが最適解であった。
以上のことから、常識に従った判断では最適解を
得られるとは限らず、時に大きな損失を引き起こす。
最適解における顧客の施設への割り振り
顧客1
顧客2
顧客3
顧客4
施設A
110* 585
165* 595
施設D
450
115* 840
100
これだと年間輸送費用は490となり、貪欲ヒューリ
スティックによる解より430も安い!!
5
流通経路の輸送費用最小化
流通経路<工場→倉庫→顧客>において
どのような経路を選択すれば費用が最小となるのか?
(ただし工場2は老朽化のため60000kgしか製造できない)
需要量
3
0
工場1
倉庫1
顧客1
4
5
5
4
工場2
2
需要量
顧客2
100000
顧客3
需要量
50000
2
倉庫2
50000
1
4
≦60000
6
解き方その1
<解き方その1>
顧客を1番輸送費用の安い倉庫に割り振り、
工場から倉庫への輸送はできるだけ安い工場から選ぶ。
顧客1
倉庫1
工場1
5x140000
2x60000
≦60000
50000
需要量
2x50000
顧客2
100000
顧客3
需要量
50000
1x100000
工場2
需要量
倉庫2
4x50000
工場・倉庫間
倉庫・顧客間
小計 820000
小計 400000
合計 1220000
7
解き方その2
<解き方その2>
工場から顧客に至るルートの中で、最も輸送費用が安いところを
通るように顧客を倉庫に振り分ける。
0x100000
3x50000
顧客1
工場1
倉庫1
5x50000
5x40000
工場2
2x60000
倉庫2
1x100000
需要量
50000
需要量
顧客2
100000
顧客3
需要量
50000
≦60000
工場・倉庫間
倉庫・顧客間
小計 320000
小計 500000
合計 820000
8
解き方その2
(運送費用が下がった場合)

倉庫2→顧客3の運送費用が4から2に下がった場合
0x50000
工場1
3x50000
需要量
顧客1
倉庫1
50000
需要量
5x90000
顧客2
100000
顧客3
需要量
50000
1x100000
工場2
≦60000
倉庫2
2x60000
2x50000
工場・倉庫間
倉庫・顧客間
小計 570000
小計 350000
合計 920000
9
解き方その2
(運送費用が下がった場合2)
倉庫2→顧客1の運送費用が2から0.5に下がった場合
需要量
顧客1
工場1
倉庫1
0.5x50000
5x140000
工場2
2x60000
≦60000
倉庫2
需要量
顧客2
100000
顧客3
需要量
50000
1x100000
2x50000
工場・倉庫間
倉庫・顧客間
小計 820000
小計 225000
50000
合計 1045000
10
まとめ
以上のことから、常識や山勘だけでは最適解を出すことはできず、
最適化理論を用いたロジスティック最適化が必要となってくる。
<最適解>
3x50000
工場1
倉庫1
0x140000
工場2
2x60000
顧客1
50000
4x40000
5x50000
倉庫2
需要量
1x60000
≦60000
工場・倉庫間
倉庫・顧客間
小計 120000
小計 620000
需要量
顧客2
100000
顧客3
需要量
50000
合計 740000
11