杯細胞とその働き

杯細胞の機能と分布
木村 拓
吉村 陽貴
松本 美佐
池田 瞬太郎
目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
杯細胞とは
杯細胞の概要
気管上皮の杯細胞
小腸上皮の杯細胞
大腸上皮の杯細胞
結膜の杯細胞
胃の粘膜
医療における杯細胞
まとめ
参考文献
1.杯細胞とは
杯細胞(Goblet Cell)は管腔内の上皮に散
在する細胞。
役割:
粘液を分泌して粘膜表面を潤し、機械的
な摩擦や化学的な侵襲から組織を守って
いる。
分布:
小腸、大腸、気管支、結膜などの上皮。
2.杯細胞の概要
消化管,呼吸器,泌尿生
殖器などの粘膜に存在す
る特殊化した円柱上皮細
胞。典型的な単細胞腺。
ムチンmucinsと呼ばれる親水性の高いムチン型糖タン
パク質を含んだ大型で明るく染まる顆粒を細胞体上部
に多数充たす。
西洋杯(ゴブレット)に似ることから杯細胞
(goblet cells)といわれる.
3.気管支上皮の杯細胞
多列線毛円柱上皮のな
かに散在しており、粘
液を分泌する。
そのため上皮の表面が
いつも潤されている。
空気中のちりなどを除くのに大いに役だつ。
4.小腸上皮の杯細胞
小腸の腸絨毛の表
層(吸収上皮細胞)
の中に杯細胞が埋
まっている。
杯細胞から出る粘液が食塊のすべりを良
くし、蠕動運動を促進させている。
5.大腸上皮の杯細胞
大腸の腸腺には特に杯細胞が多く、粘液
分泌が盛ん。
粘液を出して老廃物をすべりやすくする
大腸では、水分が吸収される一方で、3
リットルもの腸粘液が大腸壁から分泌さ
れ、移動する便をつつんでゆく。
縦断面
横断面
6.結膜の杯細胞
• 結膜とは、眼球とまぶたを結びつけ,まぶ
たの裏打ちを する粘膜。
涙⇒三層構造
表層から油層、水層、粘液層。
粘液層(ムチン層)は、結膜上皮の杯細胞か
ら分泌 され、涙がすぐに流れ落ちてしまわな
いようにしています。
*ムチン=粘液の主成分
7.胃の粘膜
胃表層にある粘液細胞(円柱上皮)に
杯細胞は無い!
胃底腺中の粘液細胞(副細胞)
杯細胞とは異なる
胃の粘液は、胃酸から表皮を守るためにある
ために、腸や気管上皮のそれとは明らかに異
質!!
8.医療における杯細胞
杯細胞が過剰に粘液を分泌
→呼吸器疾患など
結膜上皮において杯細胞が減少
→ドライアイなど
このために杯細胞の分化の段階での研究
が多くの研究機関で進められている。
9.まとめ
• 杯細胞(Goblet Cell)は管腔内の上皮に散在す
る細胞。
• 粘液を分泌して粘膜表面を潤し、機械的な
摩擦や化学的な侵襲から組織を守る。
• 特殊化した円柱上皮細胞。典型的な単細胞
腺。
• ドライアイや呼吸器疾患に関与。
10.参考文献
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シラバス
入門組織学(南江堂)
ROSS組織学(南江堂)
実験医学増刊 Vol.27 No.10 特集「感染症ーウイルス・細
菌・寄生虫の感染戦略」
http://plaza.umin.ac.jp/~web-hist/i02.html
http://first.lifesciencedb.jp/archives/5739
http://www.yokohama-eyeclinic.com/main/dry.html
http://softsync.typepad.jp/molmed730/2011/06/%E6%B0%97
%E9%81%93%E5%9F%BA%E5%BA%95%E7%B4%B0%E8%83%
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