日経平均株価の時系列データ分析 B03007 明田 剛慈 はじめに 本研究では、日々動き続ける日経平均株価の分析 した。 今回の分析では、以下の三つを行った。 ①ゴールデンクロス、デッドクロス・・・ 過去10年のデータから、ゴールデンクロス、 デッドクロスの 信頼性を検証 ②回帰分析 4月~10月にかけての日経平均株価の時系列データの回帰 曲線を求め分析を行う。 ③フーリエ級数展開 過去の時系列データを周期的な波として考え、フーリエ級数 展開し、パワースペクトルを求めた。また、今日の激しい値動 きの今後の予測も試みた。 日経平均株価とは 日経平均株価とは、東京証券取引所第一部 に上場する約1700銘柄の株式のうち225銘 柄を対象として算出する株価であり、日経平 均、日経ダウとも呼ばれ、最も代表的な株式 市場の動きを表す指標である。 株価の分析方法 ・株価の分析方法は2つに大別される ファンダメンタル分析・・・ 企業のデータ等から分析を行う テクニカル分析・・・ 株価の変動から分析を行う *本研究では、テクニカル分析のうち、日経平均株価 の時系列データに着目し、解析を試みた。 ①ゴールデンクロス、デッドクロス ゴールデンクロス 移動平均線の期間の短いものが、 期間の長いものを上に突き抜け た場合、今後上昇に転じると言 われている仮説。 デッドクロス 移動平均線の期間の短いものが、 期間の長いものを下に突き抜け た場合、今後下降に転じると言 われている仮説。 分析①結果 過去10年のデータを解析した結果以下のような結果が 得られた。 移動平均線 5日&25日 13日&25日 ゴールデンクロス デッドクロス 79回中59回が上昇:的中率=0.76 78回中62回が下降:下降率=0.79 65回中48回が上昇:的中率=0.73 64回中46回が下降:下降率=0.71 *今回の分析における上昇、下降の定義として、ゴールデンクロ ス、デッドクロス発生前の5日間の最高値、最安値を、発生後5日 以内にそれぞれ超えることを上昇した、下降したと定義付けてい る。 上記の結果からおよそ70%以上は現実になっているこ とが言え。予測できたと考えた。 ②回帰分析 日経平均株価終値の時系列データの回帰曲線 を求め、それらの動きから値動きを分析し今後の 展開を予測可能かどうかを検証した。 日経平均 1次近似 2次近似 3次近似 4次近似 5次近似 7月、8月に関する回帰曲線 最小誤差値(4次近似)=7.024 20000 18000 16000 日経平均 14000 12000 10000 8000 6月/29 7月/13 7月/27 8月/10 8月/24 日付 9月/7 9月/21 10月/5 ③フーリエ級数展開 フーリエ級数展開とは、フランスの数学者フーリエが 考案したもので、任意の周期関数は三角関数の和 として表すことができるという概念である。例えば、 時系列データを波として考え、何日周期で動いてい るか考えると。 と分解できるというものである。 フーリエ級数展開による分析 • 過去に激しい下落と言われていた時期(2002 年)、株価の変動が小さい時期(2007年)、最 近の激しい下落(2008年10月~)のそれぞれ の波を分解パワースペクトルを求めた。 • 求めたパワーススペクトルから、最近の株価 が何日周期で動いていたのかを確かめ、今 後の値動きを考えた まとめ ・ゴールデンクロス・デッドクロスで今後の上昇・下降を分析す ることができる事が分かった。 ・今回の多項式の近似での予測は不十分であった。 ・フーリエ級数展開では、市場の動向を分析できた。また、 フーリエ級数展開での予測は今後の実際の展開を見つめ検 証が必要である。
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