メディア論 第13回 テレビと政治 (2015.1.19) 担当:野原仁 本日のテーマ テレポリティクスとは? スピン・ドクターの役割 政治家にとってのテレビ テレポリティクス① テレビが世論をつくり,それが社 会を動かす巨大な影響力をもった 政治状況のこと テレビ+ポリティクス 象徴的な事件としていわれるのは 1960年にアメリカ大統領選挙史上 はじめて行われた,ケネディ対ニ クソンの放送をつかった対抗討論 会(詳しくはビデオで) テレポリティクス② これ以後,政治家たちは内容よりもイ メージで評価を得るテレビ向けの政治 手法を採り入れるようになってきた 東京都や大阪府ではテレビで有名に なったタレントがあいついで知事に当 選したのも,政治的実力もさることな がら,テレビなどのマスメディアで人 びとによく知られていたことがその原 因であるといえる テレポリティクスの問題点 ①テレビには論理的な説明よりも刺激のつよい 映像を優先する傾向があり,政治に論理的正 しさを軽視させるよう機能しているのではな いかということ ②インタビューなどの時間が極端にみじかく なったり,全体の説明をせずに一部で全体を 表現してしまう手法がまかりとおるように なってきたこと ③テレビは視聴率競争の結果,娯楽性を重用視 するあまり,ほんとうに大切なことが報道さ れにくくなっていること,そしてその裏で権 力と社会的強者の悪が深刻化している可能性 があること スピン・ドクター スピン・マスターともいい,英米などの選挙 戦や企業・国家の広報(PR)戦略担当者の こと 情報工作者という意味で,糸をつむぐ(スピ ン)ように情報を加工してしまう人という原 意からきている。 もともとはイメージの向上のために情報や世 論の操作などにあたる人のことであったが, 最近では政府や企業などが悪い情報の流出を ふせぎ,イメージアップをはかるために利用 する戦略としての側面が突出してきている テレポリティクスの手法① ネガティブ・キャンペーン 対立する人物に関する問題点や負の側面 に焦点を当て、集中的に繰り返して、そ うした問題点などを攻撃すること 特にアメリカの選挙では日常的に行われ ている テレポリティクスの手法② サウンド・バイト テレビ・ラジオのニュース番組などで 短く引用される政治家などの発言・所 見など サウンド・バイトを多用した政治活動 を「ワンフレーズ・ポリティクス」と 言う 政治家は意図的にサウンド・バイトを 用いる→小泉元首相の「自民党をぶっ 壊す!」オバマ米大統領の「Change!」 など テレポリティクスの手法③ イメージ操作 候補者の政策ではなく、容姿や生活ス タイルなどに焦点を当て、有権者にで きる限り「好感」を抱いてもらうよう なイメージ作りを重要視する スピン・ドクターが主に担当する
© Copyright 2024 ExpyDoc