帝国主義・戦争と地理学: 地政学という負の遺産

場所2
概念適用の問題点
政治地理学の理論と方法論 第5週
「場所の政治」の課題
ロカリティへの着目≠政治地誌
ローカルな政治的行動と一般的プロセス
政治的行動と文脈的(地理的)条件
実証→有効な知見
地理学の存在論的問題
場所概念の「輸入」
山野正彦(1992)
「コンテクストとしての場所」
人文主義的理解
コンポジショナル(構成的)要素との対比を明示でき
ず。
遠城明雄(1996)
Thrift (1983)の翻訳
遠城明雄(1998)「イントロダクション」
「場所の政治学(ポリティクス)」
「場所」=多義的
場所の占有、場所への配置=アイデンティティ確
立の手段+社会支配の条件
場所の安定性→排除や争い
「政治学(ポリティクス)」=場所の物理的/表象的
な生産や占拠をめぐる矛盾と対立の状況を表現
遠城(1998)「第11章」
都心地区の衰退=都市社会・空間の構造的変容
「まちづくり」=住民による変容の経験と対応
場所の三つの概念
1.個人や集団のアイデンティティ構築と結びついた
場所の経験・意味=〔場所〕
2.資本によって整備された地表の一部、均質化さ
れた空間から形成される差異化された場所=《場
所》
3.上記二つのプロセスの関係=<場所>
(4.全てを含意した場所=「場所」)
遠城(1998)「コラム」
「空間」や「時間」と同様社会的構築物である。
社会生活における諸活動を可能にすると同時に規
制し、物質的・意味的な個別性をもっている。
英語圏での整理(Staeheli 2003)
多義性
物理的位置や地点としての場所
文化的・社会的位置としての場所
コンテクストとしての場所
時間を経て社会的に構築されたものとしての場所
社会的プロセスとしての場所
↓
研究者のポジショナリティを反映、主体ごとにとらえ
方も異なる
場所と政治的研究
場所についての政治
より大きなスケールでの諸力に対して場所の管理主導権
を維持(立地紛争)
場所内での政治
住民の意思決定や政治生活への資源提供(投票行動)
場所の構築としての政治
場所のアイデンティティ構築(ナショナリズム運動、開発政
策)、公的・私的空間の区分構築(ジェンダー問題)
場所を展開する政治
既存の道徳景観(moral landscape)を戦略的に改変(落
書き、違法とされる恣意行動)