カリフォルニア州の電力自由化

電力自由化
斉木・土方・山口
目次
電力自由化とは?
海外事例
米、カリフォルニア州・ペンシルバニア州
イギリス
日本が導入するための今後の課題と対策
自由化とは何か?
自由主義的な考えを導入し、自由競争
の原理を市場で機能させるための制度
改革のこと
電力事業における自由化導入の潮流
技術革新
自然独占分野への
参入可能性
業際の不明確化
経済の再活性化
ニーズの多様化
規制の整理・見直し
規模の経済性から
範囲の経済性の追求
経済の成熟化
電力の自由化とは?
発電の自由化
小売の自由化
送電の独立性・中立性確保(発送電分離)
→ 自由な取引が保障される
電気事業における競争形態(イメージ)
発送配一貫電力会社
発電機能
発電会社B
発電会社A
卸売市場
送配電(独占)
送電・系統運用等のサービスは卸売・小売
市場への参入者に非差別的に提供。
販売機能
販売会社
小売市場
需要家
販売会社が電気
を市場から調達
し需要家に販売
需要家と直接
契約し販売
電力自由化のメリット
電気料金の低廉化
電気購入先の選択自由
電力自由化のデメリット
供給安定性の低下の可能性
ユニバーサルサービスの消滅
電気事業の自由化モデル
任意プール
発電
強制プール
新規参入者
プール
発電
小売
需要家
・北欧(Nord Pool)
・ニュージーランド
・英国(現行)
新規参入者
送電
送電
託
送
配電
小売
新規参入者
プール
送電
託
送
発電
第三者アクセス
(託送)
託
送
配電
配電
小売
小売
需要家
・英国(改革前)
・オーストラリア
・米国/加州(3大電力は
プール取引を義務付け)
小売
需要家
・日本
・ドイツ
・フランス
小売
海外事例
アメリカの電力自由化
規制構造
連邦レベル:連邦エネルギー規制委員会
(FERC)の規制
主に卸売り取引価格規制を
行なう
州レベル:公益事業委員会等によって規制
主に小売り料金規制を行なう
電力自由化の流れ
1978年 公益事業規制政策法(PURPA)
電力会社に一定基準を満たす
余剰電力の購入義務
1988年 連邦エネルギー規制委員会より
規則制定案公示
電力の競争入札制度を公認
非電力会社のシェア
電源設備でのシェア
1988年 19.4% ⇒ 1993年 18.6%
発電量シェア
1988年 29.7% ⇒ 1993年 32.7%
電力自由化の流れ
1992年 国家エネルギー政策法(NEPA)
・参入規制撤廃
1996年 連邦エネルギー規制委員会による
Order No.888、889
・送電線開放義務付け
・送電線開放ルールの整備
・送電部門の情報開示
カリフォルニア州の電力自由化
電力自由化の流れ
1996年 電力事業再編法成立
1998年 電力事業再編法施行
小売り電力自由化開始
電力自由化によって
電力料金10%引き下げ
送電の機能をISOに移管
電力取引所(PX)の設立
大手私営電力会社の発電設備の
半分を売却するように要請
電力会社の小売り電気料金の凍結
(2002年3月まで)
出所:電力中央研究所
しかし
2000年夏:電力需給調整契約者への
供給遮断が繰り返される
2001年春:輪番停電が起きる事態に
→ 電力取引所停止、現在は自由化凍結
問題点
送電線網の制約
北部と南部の間の容量制約
市場制度上の問題
私営電力会社の取引を電力取引所へ
制限
私営電力会社の小売り電気料金の凍結
ペンシルバニア州の電力自由化
電力自由化の流れ
1927年 PJMの前身となるパワープール設立
1956年 PJM設立
1998年 PJMがISOとしての運用開始
1999年 小売り電力自由化開始
出所:電力中央研究所
ペンシルバニア州における電気料金の推移
出所:電力中央研究所
カリフォルニア州との相違点
既存電力会社の発電設備の分離・売却を
強制しない
先物取引などを含む相対取引を認める
電力小売業者に余剰発電能力の確保
イギリス電力自由化
イギリスの電力自由化の流れ
1983年エネルギー法設定
1990年3月改正電気法(小売部門の部
分的自由化)
1999年5月全面自由化
自由化の目的
サッチャー政権下における民営化政策の
導入
電気料金の引き下げ
イギリスの体制
強制プール製度の失敗
1990年に強制プール制度を実施
↓
プールから引き出すときの寡占化が進む
結果としてあまり値段は下がらず
シェアの移り変わり
失敗からの改革
2001年3月27日NETA
(新電力取引制度)を導入
↓
電力卸売価格が40%さがる
同時に小売価格も減少
原子力発電への影響
電力の出力調整が難しい
↓
契約価格の低いベース電源へ
↓
原子力発電の会社(BE)は多額の赤字
↓
非営利企業へ?
日本の教訓
原子力発電所の民営化
自由化方式の選択
安全性の確保