6月の所長所感「プール」を 掲載しました。

6月所感
プール
狭山市立教育センター
所長
澤
田
剛
記録的に暑い日の続いた5月でした。今年も暑い夏になりそうです。間もなく各校ではプ
ール清掃、プール開きも行われ水泳指導が始まることと思います。
かお
教室と別の貌持ちプールの子
田中由子
子供たちの歓声が水面に響くようになるのも、すぐだと思いますが、同時に気にかかるの
は、事故防止のことです。
4月の日本教育新聞に、「複数教員による監視の意味、吟味を」との見出しで、プール事
故についての記事が出ていました。取り上げられている事案は、京都府の公立小学校で起こ
った溺死事故です。1年生から3年生までの69人の児童を、3人の教員が指導していると
きに1年生の児童が亡くなったという痛ましい事案です。
児童対教員の人数比で見ると、指導体制は十分だったように思われます。しかし、京都地
方裁判所は安全管理の在り方に過失があったと認定したそうです。
【過失1】単に複数の教員を配置していただけで、指導すべき内容や監視体制の割り振り、
水位等について、具体的な取り決めを行っていなかった。
【過失2】指導内容が不明瞭だったためか、大小合わせて16枚のビート板が浮かべられ、
自由遊泳を実施。これに疑問を持つ教員がいなかった。このビート板が視界を制
約し、監視が困難な状況を作り出すことになった。
【過失3】指導前に、教員らが入念な打ち合わせを行った様子がない。ただ漫然と指導、監
督を続けていた模様で、複数の教員配置の意味が全く理解されていなかった。
記事は、「技術的に未熟な子供が多い3年生以下の児童を対象とした時間、しかも69人
もの児童を相手に一斉指導を行うために求められることは何か。指導・監督に当たる教員ら
は、当然、この点を十分に吟味することが必要であった。」としています。
狭山市の学校でこんなことは起こらないと信じていますが、慣れから来る油断、気の緩み
が命にかかわる大事故になるのが水泳指導です。
充実した楽しい活動が、安全に進められることを願って御紹介いたしました。