直流回路と交流回路

電気回路Ⅱ 演習 第6回
•ひずみ波の電力
•ひずみ波のフーリエ変換
これまでの復習

周期的なひずみ波は,複数の正弦波の足し合わせで表現できる.(MATLAB
でシミュレーションも行った)

シミュレーションでは,5-7程度の正弦波の足しあわせで,矩形波などもあ
る程度表現できた.

正弦波に分解してしまえば,これまでの理想的な交流の計算を用いることが
できる.

ただし,各正弦波は周波数が異なるので,コンダクタンスが入った回路にお
いては注意が必要であった.
ひずみ波の電圧,電流の実効値

電圧の実効値を計算する
ひずみ波となっている電圧は,つぎのように正弦波の足しあわせで表
現されると仮定する.
e(t )  2E1 sin t  2E2 sin 2t  3E3 sin 3t....
実効値は
1 T 2
E
e dt

0
T
で定義される.
問題1

以下のような電圧の実効値を計算せよ
e(t )  2E1 sin t  2E2 sin 2t
まず,e(t)2を計算する
e(t ) 2 

2 E1 sin t  2 E2 sin 2t

2 E1 sin t  2 E2 sin 2t
 2 E1 sin 2 t  2 E2 sin 2 2t  4 E1 E2 sin t sin 2t
2
①
1  cos( 2t )
2
2
②
③
cos( t )  cos( 3t )
2

問題1の続き
①の計算
2 1 T 1  cos(2t )
2 
2 E1 
dt  2 E1
T 0
2
2

 2 E1
2
2
 E1
同様に②,③の計算を行う
2

2
0

1  cos(2t )
dt
2

 t sin(2t )  
 2  4 

0
重要な点

問題1より,何が分かるか?

周波数の違う項を掛け,周期Tで積分すると0と
なる.(重要事項)

ひずみ波の電圧
e(t )  2E1 sint  1   2E2 sin2t  2   3E3 sin3t  3 ....
の実効値は
1 T 2
E
e dt

0
T
 E1  E2  E3 .....
2
2
2
となる.
電流の実効値

以下のひずみ波の電流
i(t )  2 I1 sint  1   2I 2 sin2t  2   3I3 sin3t  3 ....
の実効値は
1
I
T

T
0
i 2 dt
 I1  I 2  I 3 .....
2
2
2
ひずみ率


正弦波からのひずみの度合いを表す係数を定
義する.(基本波はsinωt)
ひずみ率
E1  E2  E3 .....
E1
2
k
2
2
ひずみ波の電力



ひずみ波の電力を求める
瞬時電力は電圧e(t)と電流i(t)の掛け算 e(t)i(i)
電力の実効値,皮相電力,力率を求める.
まず,電力の実効値は
1 T
P   e(t )i (t )dt
T 0
 E1 I1 cos1   E2 I 2 cos 2   E3 I 3 cos 3 ...
と求まる.(各自証明しておくこと)
電力の皮相電力と力率
ひずみ波の皮相電力は,実効電圧と実効電力の
積
EI  E1  E2  E3 ... I1  I 2  I 3 ... [VA]
2
2
2
2
2
2
力率は,皮相電力に対する実効電力の比
力率 
E1 I1 cos1  E2 I 2 cos 2  E3 I 3 cos3 ...
E1  E2  E3 ... I1  I 2  I 3 ...
2
2
2
2
2
2
問題2

回路に以下のひずみ波電圧が加えられた場合の電流
および有効電力,力率を求めよ.
e  2E1 sin t  2E3 sin 3t  ....
R
~
L
C
問題3


半波整流波をフーリエ級数展開せよ
第3調波,第5調波および第7調波までの合成波を
MATLABで計算してグラフを作成して,比較せよ
1
1
y( xx ) 0.5
0
0
0
2π
4π
問題4

フーリエ変換を使うとすべての周期的な波形は以下の形式で表す
ことが出来た.
f (t )  a0  a1 cost  a2 cos 2t  ....an cos nt  .....
 b1 sin t  b2 sin 2t  .....bn sin nt  ......


n 1
n 1
 a0   an sin nt   bn cos nt
4-1
1
2

2
0
f (t ) cos tdt を計算せよ
4-2 1 2 f (t ) cos ntdt
を計算せよ
 0
4-3 1 2
f (t ) sin ntdt を計算せよ

0
