第4章 無線工学の基礎 4.1 電波伝搬およびアンテナ 4.2 衛星通信および移動通信 4.1 電波伝搬およびアンテナ 4.1.1 4.1.2 電波伝搬 アンテナ 4.1.1 電波伝搬 電波法による周波数分類と用途(周波数 300 GHz) 周波数帯分類 長波(LF) 周波数範囲 30~300kHz 中波(MF) 300~3,000kHz 短波(HF) 3~30MHz 超短波(VHF) 30~300MHz 極超短波 UHF 300~3,000MHz SHF 3~30GHz EHF 30~300GHz 代表的用途 船舶通信 (見通し外) 放送,航空通信, 船舶通信(見通し外) 中,長距離の 国内各種通信 TV放送 移動無線 固定無線 衛星通信 レーダ (1)電波 NTTでの用途 専用回線 無線電報 専用回線,無線電報 災害対策用機器 無線呼出 船舶電話 自動車電話 航空機電話 固定無線 固定無線 衛星通信 レーダ・宇宙通信 この他,超長波(VLF:Very Low Frequency, 3kHz~30kHz),極超長波( ELF : Extremely Low Frequency,300Hz~3kHz)も特殊目的に使われている。 (2)電波伝播の種類 電波伝播の種類 電離層反射波 電離層 対流圏屈折波 電離層散乱波 大地表面波 対流圏散乱波 直接波 大地反射波 地球 地球 周波数との関係 周波数により伝わり方が異なる 電波の伝わり方 地上波 直接波 大地反射波 回折波 大地表面波 対流圏波 対流圏屈折波 対流圏散乱波 電離層波 電離層反射波 電離層屈折波 電離層散乱波 VLF LF MF ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ HF ○ ○ ○ VHF ○ ○ ○ UHF ○ ○ ○ SHF ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ [注]短波が遠距離まで届くのは,電離層反射による。 フェージング フェージングとは, 電離層による反射・散乱,大気吸収損失等による減衰が 大気状態の変動によって変化し,受信強度が激しく変動すること。 フェージング対策 ①複数アンテナを接続しておき,受信電力の変動に応じて 受信電力の高いアンテナに切り替える。 ②複数のアンテナが受信した内容を合成する。 これらの方法をダイバーシティ(diversity)という。 [注] 大気中の酸素や水分による大気吸収損失は, 23 GHz, 60 GHz 付近の周波数が最も大きい。 (3)アンテナの指向性 ①無指向性アンテナ ②指向性アンテナ(1方向のとき単一指向性) パラボラアンテナ ダイポールアンテナ (4)ダイポールアンテナ 長さが波長/2の線状アンテナ(V字型や球形のアンテナもある) 周波数 f [Hz] ,波長 [ m ] のとき伝播速度との関係式は以下のとおり。 c f 310 [m/s] 8 波長/2 八木式アンテナも ダイポールアンテナ のひとつ ダイポールアンテナの計算例 f 300[MHz] 3108 [Hz] のときのダイポールアンテナの長さ c 3 108 1[m] L 0.5 [m] 8 f 3 10 2 波長/2 (5)立体アンテナ アンテナの形式 単反射鏡アンテナ パラボラ面 軸 対 照 型 パラボラ面 パラボラ面 ハイパラボラ面 最も単純な構成 地上マイクロに多用 パラボラ面 オ フ セ ッ ト 型 複反射鏡アンテナ カセグレン型 グレゴリアン型 楕円面 交差偏波特性が良い 地球局用アンテナに多用 パラボラ面 パラボラ面 ハイパラボラ面 楕円面 指向特性が良い VSAT,BS受信に多用 指向特性が良い 主反射鏡が大型化する (*)サイドローブとは,衛星方向以外からの不要な電波 指向特性が良い (低サイドローブ(*)) VSAT用
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