84 - ieice

平成 20 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会
講演番号:84
高分解能スペクトル位相制御による
高速光パルス列生成の検討
B-12
Research of Optical High-Speed Pulse Generation by High-Resolution Spectrum Phase Control
坂部友
Tomo SAKABE
三重野光子
Mitsuko MIENO
駒井友紀
Yuki KOMAI
小舘香椎子
Kashiko KODATE
日本女子大学理学部
Faculty of Science, Japan Women’s University
強度
1551.75
-15 (c)
強度
強度
位相
位相
VOA VOPS
AWG
・
・
・
・
・
・
・
・
・
#20
・
・
・
出力光信号
・
・
・
#1
ミラー
Ch. 1
・
・
・
t
Ch. 20
t
10GHz
SMF
EDFA
BPF
Circulator
PC
0
-50
1551.75
π
0
1551.75
1553.35
Wavelength [nm]
7.5 nm
MLLD のパラメータ
中心波長
: 1552.524 nm
繰り返し周波数 : 10 GHz
パルス幅
: 2 ps
EDFA
MLLD
SMF
EDFA
BPF
PC
P
:
:
:
:
:
:
Power [a.u.]
Power [a.u.]
-15 (e)
0
400
4000 (d)
800
1553.35
-50
500
100 ps
50 ps
0
400
6500 (f)
20 ps
1500
0
Time [ps]
400
Fig.2 高速光パルス列生成実験結果
(a), (b): 繰り返し周波数 10 GHz
(c), (d): 繰り返し周波数 20 GHz
(e), (f): 繰り返し周波数 50 GHz
謝辞
本研究を進めるにあたり、ご助言頂きました情報通信
研究機構の宮崎哲弥氏、和田尚也氏、品田聡氏に感謝申
し上げます。
P
OSS
MLLD
π
8000 (b)
3. まとめ
チャネル間隔 10 GHz、チャネル数 20 ch の OSS を用
いたスペクトルの位相制御により、最大 50 GHz までの
高速光パルス列の生成に成功した。今後は、スペクトル
の強度・位相の両方を制御し、50 GHz 以上の高精度な、
超高速光パルス列生成を目指す。
λ
λ
1553.35
Power [a.u.]
-60
Phase [rad.]
0
OSS
入力光信号
π
Phase [rad.]
(a)
Phase [rad.]
Power [dBm]
-15
位相
時間波形
スペクトル
Power [dBm]
2. スペクトル位相制御による高速光パルス列生成
高速光パルス列生成のためのスペクトル位相制御パ
ターンを高速フーリエ変換シミュレーションにより算
出した。算出したスペクトル位相制御パターンを用いた
高速光パルス列生成実験の実験系を Fig. 1 に示す。
使用した OSS は AWG、各出力導波路のチャネルごと
に可変振幅減衰器 (Variable Optical Attenuator: VOA)と
可変位相シフタ (Variable Optical Phase Shifter: VOPS)、
ミラーで構成されている [2]。光信号が AWG に入力され、
フーリエ変換され、各スペクトル成分の振幅と位相はそ
れぞれ VOA と VOPS により独立に制御される。制御さ
れた各スペクトル成分は、ミラーにより反射し、AWG
で逆フーリエ変換され、入出力ポートから制御された光
信号が出力される。使用した OSS のパラメータは、中
心波長 1552.524 nm、チャネル間隔 10 GHz、入出力ポー
ト数 20、チャネル数 20 ch である。VOPS によりスペク
トルの位相制御を行い、20 GHz、50 GHz への高速光パ
ルス列生成の実験を行った。
実験結果を Fig.2 に示す。Fig.2 (a), (b)は、OSS に入力
した繰り返し周波数 10 GHz の光信号のスペクトルと時
間波形である。Fig.2 (c), (d)は、スペクトル領域において
OSS の位相パターンを{0 π 0 π 0 π 0 π 0 π 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
と制御したスペクトルと時間波形であり、パルス間隔が
50 ps となった。Fig.2 (e), (f)は、スペクトル領域におい
て OSS の位相パターンを{π/2 π 0 π 3π/2 π π 0 π π π π 0 π π π
π 0 3π/2 π/2}と制御したスペクトルと時間波形であり、
パルス間隔が 20 ps となった。以上の結果より、繰り返
し周波数 10 GHz の光パルス列から、20 GHz、50 GHz
へと高速な光パルス列生成を実証した [3]。
Power [dBm]
1. はじめに
社会における情報通信の重要性が増すとともに、超高
速・大容量なフォトニックネットワークの実現が求めら
れる。その要素技術として、光の特徴である超高速性・
広帯域性を活用した高速繰り返し・高出力光パルス列生
成などの研究開発が盛んに行われている [1]。
我々は、光通信におけるキーデバイスとなるアレイ導
波路格子 (Arrayed Waveguide Grating: AWG)を用いた、
AWG 型光波シンセサイザ (Optical Spectrum Synthesizer:
OSS)の提案、試作を行っている。本稿では、OSS を用
いたスペクトル位相制御により、50 GHz の高速光パル
ス列生成実験を行ったので報告する。
Streak camera/
Optical spectrum analyzer
モード同期レーザ
シングルモード光ファイバ
エルビウム添加光ファイバ増幅器
バンドパスフィルタ
偏波コントローラ
偏光子
Fig.1 OSS の構成と高速光パルス列生成の実験系
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参考文献
[1] Y. Komai, et.al, ECOC 2006, We3 (2006).
[2] N. Wada, et.al, Proc. SPIE, 414-421 (2006).
[3] 坂部友, 他, Optics & Photonics Japan 2008 講演予稿集,
156-157 (2008).
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