スライド 1 - 帯広畜産大学

1.生命界 エネルギー流概観
2.水と生体分子
3.細胞 生命の基本単位
4.生体エネルギーと酵素
5.蛋白質と生体膜(1)
6.蛋白質と生体膜(2)
7.定期試験(6月7日)
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
①熱力学の第二法則
②自由エネルギーと熱
③化学平衡
④活性化エネルギーと酵素
⑤反応の共役、生体秩序の形成、酵素
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
Ⅲ代謝パターンの調節
目的:秩序崩壊の自然な流れと、
①代謝マップ(代謝網、代謝ネットワーク)
生命における秩序形成の基本原
②律速段階
理について学ぶ
③代謝パターンの調節
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
①熱力学の第二法則
②自由エネルギーと熱
③化学平衡
④活性化エネルギーと酵素
⑤反応の共役、生体秩序の形成、酵素
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
Ⅲ代謝パターンの調節
①代謝マップ(代謝網、代謝ネットワーク)
②律速段階
③代謝パターンの調節
①熱力学の第二法則
熱力学の第一法則:宇宙のエネルギーは不変
熱力学の第二法則:宇宙のエントロピーは増大
第二法則を理解しないものは生命を理解できない
なぜなら、
生命が根源的に随う法則は第二法則だから
生命は、第二法則に則って生命固有の秩序を作る
秩序崩壊(乱雑度増加)の自然傾向に対抗して
秩序を保つメカニズムを働かせている限りで
生命は生命たりうる
省エネとは?
エントロピー:
乱雑度
負のエントロピー:秩序の度合
熱力学の第二法則:宇宙のエントロピーは増大
ECBより
ECBより
『高校生物ⅠB』にみる熱力学の第二法則
溶質は
高濃度⇒低濃度へ拡散
水は
低浸透圧⇒高浸透圧へ浸透
啓林館『生物ⅠB』より
太陽系における熱力学の第二法則
地太
球陽
での
熱光
エエ
ネネ
ルル
ギギ
ーー
には
劣
化
し
て
失
わ
れ
る
『光環境と生物の進化』(共立、2000)より
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
①熱力学の第二法則
②自由エネルギーと熱
③化学平衡
④活性化エネルギーと酵素
⑤反応の共役、生体秩序の形成、酵素
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
Ⅲ代謝パターンの調節
①代謝マップ(代謝網、代謝ネットワーク)
②律速段階
③代謝パターンの調節
②自由エネルギーと熱
秩序(=自由エネルギー)は減少するのが自然
秩序の減少=自由エネルギーの一部が熱に変換
生命の秩序形成←太陽の秩序崩壊
ECBより
自由エネルギーが減少する方向にのみ反応が可能
G1
紙+O2
エネルギーの内
仕事に転換しうる部分の最大
値
熱
煙+灰+CO2+H2O
DG(反応の自由エネルギー変化)= G2-G1 < 0
G2
自
由
エ
ネ
ル
ギ
ー
の
レ
ベ
ル
(
準
位
)
問題1: ヒトは一日に約2000kcalを消費する。このうち約
80%が熱となる。この熱がすべて体内に蓄積すると、体温は一
日に何度上がるか?体重を50kg、人体の比熱を1とする。
解答: 1kcalは、比熱1の物質1kgを1℃上昇させる熱量である。
したがって、一日の体温上昇=2000×0.8÷50=32度
問題2: 同様に、熱がすべて体外に放散されるとし、5m四方、
高さ2mの部屋に閉じ込められた場合の、一日あたりの気温上昇
はいくらか?空気の比熱を0.24、空気1m3あたりの質量を
1.2kgとし、部屋は完全に断熱されているとする。
解答: この部屋の空気の質量=(5×5×2)×1.2=60kg。
空気60kgを1℃上げるための熱量=60×0.24=14.4kcal
したがって、一日の気温上昇=2000×0.8÷14.4=111度
生命の秩序を形成するためには?
外から自由エネルギーを注入する必要がある
・外部自由エネルギーを注入する装置
・外部自由エネルギーを内部秩序に変換する装置
生命の秩序:不安定な平衡点
雪の結晶:安定な平衡点
自
由
エ
ネ
ル
ギ
ー
の
レ
ベ
ル
(
準
位
)
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
①熱力学の第二法則
②自由エネルギーと熱
③化学平衡
④活性化エネルギーと酵素
⑤反応の共役、生体秩序の形成、酵素
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
Ⅲ代謝パターンの調節
①代謝マップ(代謝網、代謝ネットワーク)
②律速段階
③代謝パターンの調節
③化学平衡
A
k1
k-1
B
右向きの反応速度=k1(A)
左向きの反応速度=k-1(B)
平衡状態において両反応速度は等しい。
k1 (A)0=k-1(B)0
但し、 (A)0、(B)0 は平衡状態における濃度。
平衡定数Keqは、Keq=(B)0/(A)0 で定義される。
(B )
の比率
( A)
(B)0
(A)0
平衡点から離れるほど、平衡点に向かう
傾向(自由エネルギーの減少)は強まる。
平衡点からの乖離度(離れ具合)は、
(B)0/(A)0に対する(B)/(A)の割合で表現さ
れる。
つまり、 (B)/(A) ÷(B)0/(A)0
これは、次式と等価である。
(B )
(B ) 0
 log
平衡からの乖離度= log
( A)
( A )0
標準自由エネルギー変化DG0と自由エネルギー変化DG
平衡からの乖離度が大きいほど、平衡に向かう反応の自由エネルギー減少は大
きい。
気体定数R(1.987×10-3 kcal/mol/deg)と絶対温度Tを用いると、この関係は次
式のようになる。また、T=298 (摂氏25度)のときの値を示す。
(B )
(B ) 0
DG
DG
log
 log


( A)
( A)0 2.303RT 1.364
AとBが等濃度で存在し、かつpH=7のときの自由エネルギー変化を特に標準自
由エネルギー変化と呼び、DG0と表す。
log(B)/(A)=0, Keq=(B)0/(A)0 であるから、
T=298のとき、DG0 = -1.364logKeq
T=310のとき、DG0 = -1.419logKeq
以上より、T=298のとき次式を得る。
(B )
DG  DG  1.364 log
( A)
0
標準自由エネルギー変化DG0の意味
標準自由エネルギー変化は、その反応の固有な特性(つまり、平衡定数)を表
し、濃度に依存しない。但し、温度とともに上昇する。
T=298のとき、DG0 = -1.364logKeq
(
B
)
0
DG  DG  1.364 log
T=310のとき、DG0 = -1.419logKeq
三つの反応における平衡状態の濃度バランス
A
C
B
D
( A)
反応Ⅰ Keq=(B)0/(A)0=106 ⇒ DG0 = -8.2
kcal/mol
DG0<0の反応は、正反応が起こりやすいこと(Bを生
成しやすいこと)を示す
反応Ⅱ
Keq=(D) /(C) =1.0 ⇒ DG0 = 0 kcal/mol
0
0
0
DG =0の反応はCとDが等濃度であることが最大に安
定であることを示す
反応Ⅲ Keq=(F)0/(E)0=10-6 ⇒ DG0 = +8.2
E
F
kcal/mol
DG0>0の反応は逆反応が起こりやすいこと(E濃度が
F濃度より高いことが安定であること)を示す
DG0 は反応物と生成物が等濃度(標準状態)で存在するときのDGであり、
その条件(標準状態)で、反応が正逆どの向きに起こりやすいかを表現する。
等濃度から出発したとき、反応Ⅰでは(B)が(A)の百万倍になるまで反応が進行
するのに対し、反応Ⅲでは(F)が(E)の百万分の一になるまで反応が進行する。
自由エネルギー変化DGの意味
これに対し、
自由エネルギー変化は、反応の瞬間における濃度の比に応じて変化する。
(B)/(A)=1ではDG=DG0であるが、
(B)/(A)が1より大きくなる程、DGはプラス側にシフトし、正反応(A⇒B)はよ
り起こりにくくなる。
逆に、(B)/(A)が1より小さくなる程、DGはマイナス側にシフトし、正反応
(A⇒B)がより起こりやすくなる。
5
問題 平衡状態で(B)は
(
B
)
0
(A)の約何倍か?
DG  DG  1.364 log
( A)
0
DG
-5
解答 ⊿G=0より、
⊿G0 = -1.364log(B)/(A)
log(B)/(A)=5.35より、
(B)/(A)≒2.2x105
0
DG =-7.3kcal/mol
-10
-15
-20
-8
-7
-6
-5
-4
-3
-2
-1
0
1
2
log(B)/(A)
3
4
5
6
7
8
(B )
DG  DG  1.364 log
( A)
0
問題1:A⇒B反応のDG0は+13.64 kcal/molである。この正反応は
起こりえないか?また、起こり得るとしたら、どのようなときか。
解答: 反応の可能性を決めるのはDGであってDG0ではないから、
この反応も起りうる。
起りうる条件はDG≦0で与えられる。
したがって、13.64+1.364log(B)/(A) ≦0より、log(B)/(A) ≦10
つまり、(A)が(B)より100億倍以上高いときである。
生体秩序の最小レベルは生体分子にある
問題1:6CO2+6H20⇒C6H12O6のDG0は+686 kcal/molである。平衡定
C
数を求めよ。また、この逆反応の平衡定数はいくらか?
解答: Keq=(C6H12O6)/[(CO2)6×(H2O)6]
686 = -1.364logKeqより Keq=10-503
逆反応の場合は逆数をとって、 Keq*=10503
さて、Keq=(C6H12O6)/[(CO2)6×(H2O)6]より
(CO2)(H2O)=10503/6×(C6H12O6)
=1084×(C6H12O6)
Y
DG1
X
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
①熱力学の第二法則
②自由エネルギーと熱
③化学平衡
④活性化エネルギーと酵素
⑤反応の共役、生体秩序の形成、酵素
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
Ⅲ代謝パターンの調節
①代謝マップ(代謝網、代謝ネットワーク)
②律速段階
③代謝パターンの調節
④活性化エネルギーの障壁
負の⊿Gの反応が現実に起こるためには?
⊿G
ECBより
触媒は活性化エネルギーを下げて反応速度を上げる
・高温は、反応分子の熱運動を高め(=活性化エネルギーを与え)
反応速度を上げる
・触媒(酵素)による速度増加は反応特異的であるが、
高温の場合は無差別である
代謝パターン調節へ(本講)
ECBより
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
①熱力学の第二法則
②自由エネルギーと熱
③化学平衡
④活性化エネルギーと酵素
⑤反応の共役、生体秩序の形成、酵素
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
Ⅲ代謝パターンの調節
①代謝マップ(代謝網、代謝ネットワーク)
②律速段階
③代謝パターンの調節
⑤反応の共役、生体秩序の形成、酵素
自
由
エ
ネ
ル
ギ
ー
の
レ
ベ
ル
(
準
位
)
C
ΔG
X
Y
反
応
の
共
役
D
DG1
DG2
DG1+DG2=DG<0
ECBより
ECBより
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
①熱力学の第二法則
②自由エネルギーと熱
③化学平衡
④活性化エネルギーと酵素
⑤反応の共役、生体秩序の形成、酵素
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
補足
Ⅲ代謝パターンの調節
①代謝マップ(代謝網、代謝ネットワーク)
②律速段階
③代謝パターンの調節
酵素の分子活性(ターンオーバー数)
酵素一分子の最高の処理能力を表す
酵素一分子が一秒間に変化させる基質の分子数の最大
ある酵素の現実の活性(速度)は次の因子によって決まる。
①酵素分子の数②酵素の修飾の度合(燐酸化・脱燐酸化など)
③エフェクターやpH・温度などの環境因子④基質濃度
酵素は反応速度を50万倍~14京倍高める
生体活動のタイムスケール
哺乳類の代謝テンポの四分の一乗則
・呼吸周期 BT (h/cycle) ≒ 3.3 × 10-4 ×M0.28 ≒ 1.22M0.28(s/cycle)
・心拍周期 HT (h/cycle) ≒ 8.3 × 10-5 ×M0.27 ≒ 0.30M0.27(s/cycle)
・g体重当たりの酸素消費速度(代謝の比活性)の逆数
MT (g・h/μL) ≒ 1.6 × 10-3 ×M0.26
注意1 哺乳類各種の成体の平均的体重を用いた。ただし、体重は、1kgに対
する相対体重(つまり比率;無次元量)を用いる(Mで表記)。
注意2 こうした関係を一般に種間アロメトリという。種内個体どうしは種間
アロメトリには随わず、全く別の種内アロメトリ(があるとすれば)に随う
注意3 この代謝テンポの表現法では、生理現象1サイクルに要する時間、つ
まり周期が表されている。本来の代謝テンポは周期の逆数(つまり、テンポ=
速度)として表される。
注意4 指数が四分の一に極めて近いので四分の一乗則と名づけられている。
相対体重が16倍になる毎に周期は2倍に延びる(テンポは2倍遅くなる)
詳しくは⇒異説『ゾウの時間ネズミの時間』
哺乳類は、どの種も呼吸一回あたり心臓は四拍
⇒異なる代謝・器官同士の間の関係はどの種も同じ
哺乳類の代謝テンポの四分の一乗則(2)
・固有仕事率(固有代謝率)
specific power (specific metabolic rate)
P*≒ 70 M-0.25 (kcal/day/kg)
P*≒ 3.4 M-0.25 (W/kg)
P*≒ 0.17 M-0.25 (ml O2/s/kg)
注意1 いずれも速度(テンポ)そのものを表す。
注意2 からだ丸ごとのテンポではなく、からだ1kg当たりに『正規化』して
ある。これは、例えば酵素そのものの能力を表すのに、分子活性や比活性を用
いるのと同様の理屈である。単位質量あたりの酵素活性をspecific activity
(比活性)と言う。
注意3 相対体重が16倍増える毎に固有仕事率(代謝テンポ)は半分になる
詳しくは⇒異説『ゾウの時間ネズミの時間』
1 kcal/day = 0.0484 W (ワット=J/s)
酸素消費 1 ml = エネルギー消費 20.1 J
(1 J = 0.0498 ml O2)
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シュミット=ニールセン
動物の生理学(岩波書店、原著1970年)より
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哺乳類の代謝率=仕事率
四分の三乗則
・からだ丸ごとの仕事率=代謝率
P=P*×M=3.4M-0.25×M=3.4M0.75 (W)
注意1 相対体重が16倍増える毎に仕事率(代謝率)は8倍増える。
体重1kgの哺乳類を8匹育てられる餌で
体重16kgの哺乳類を1匹育てられる。(テンポが遅れる分だけ、この
場合、2倍得)
問題 相対体重が一万倍増えると、代謝テンポや必要餌量はどうなるか
解答 代謝テンポ(固有仕事率)は10分の1に落ちる。
代謝率は千倍しか増えないから、餌も千倍(千匹分)で済む。0.1kgの
哺乳類千匹(総計100kg)を養う餌で、その一万倍の体重1000kgの哺乳類を一
匹養える。
テンポは10分の1に落ちるから(10倍遅くなるから)、10倍得。
問題 人体を64kgとして、その仕事率と代謝テンポ(固有仕事率)を求めな
さい。
解答 P=3.4×640.75=3.4×(26)3/4=3.4×24.5=3.4×16×20.5=76 (W)
P*=P/64=1.2 (W/kg)
詳しくは⇒異説『ゾウの時間ネズミの時間』
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
・典型的な酵素の分子活性は1000(速度は1㍉秒)
・人間の生命テンポは1秒(心拍周期・精神作用)
・人体の代謝率=仕事率は約100㍗
・哺乳類の代謝テンポは相対体重の四分の一乗に
比例して遅くなる
Ⅲ代謝パターンの調節
①代謝マップ(代謝網、代謝ネットワーク)
②律速段階
③代謝パターンの調節
①代謝マップ
異化と同化
ECBより
エネルギー代謝
脂質の代謝
代謝総論
●脂肪酸の分解 (b-酸化)
●クエン酸(TCA)回路
●脂肪酸の生合成
●グリオキシル酸回路
●コレステロールの生
合成
●呼吸鎖
●ケトン体の合成
●光合成
●トリグリセリドとリン脂
質の合成
糖質の代謝
アミノ酸の代謝
●解糖
●アミノ酸の分解
●糖新生
●アミノ酸の合成
●ホスホグルコン酸回
路(HMS)
●尿素回路
●グリコーゲンの合成
ヌクレオチドの代謝
(電子伝達系と酸化的リン酸化)
●ヌクレオチドの合成
代謝マップ(福岡大学 機能生物化学研究室)
より
代謝パターン調節へ(本講)
へ
●ヌクレオチドの分解
へ
●補酵素一覧
②代謝経路と律速段階
Ⅰ基本概念
①代謝経路(または回路)の速度は律速段階の速度で
決まる。
律速段階:一つの反応系列の中で最も遅い反応段階
A
B
C
D
E
②律速段階の調節(=B流速の高低)により、初発反
応物の消費速度や終産物の生産速度が調節される。
②代謝経路と律速段階
Ⅱパスツール効果
①無気条件⇒通気の切替によるグルコース消費速度の
低下をパスツール効果という。
②解糖系の律速段階はF6P⇒FDP、律速酵素はPFK
③通気による酸素呼吸によりATP生産が上昇
⇒ATPによるPFK活性の抑制
ATP+H2O
FDP
PFK
F6P+Pi
ADP+Pi
②代謝経路と律速段階
Ⅲフィードバック調節
①負のフィードバック
終産物による初発反応の抑制
例1 パスツール効果
例2 (アミノ酸や核酸塩基などの)生合成経路
ホメオスタシス(恒常性維持)の基本
暴走の回避
②正のフィードバック
終産物による初発反応の促進
例1 解糖系の振動
例2 ニューロンの自発放電(心電図、筋電図)
自己増幅(自己触媒)や自律振動の基本
⇒細胞内シグナルとしての機能
調節される反応は律速段階
『初発』反応はその代謝経路の一番最初の反応とは限らない
③代謝パターンの調節
代謝経路と代謝網(代謝ネットワーク)
Ⅰ基本概念
①代謝経路どうしは共通の中間体(基質)を介して繋が
り、代謝網を構成する。
②TCA回路は両義的経路であり、その中間体はアミノ酸
合成、脂肪酸合成、糖合成の初発物質にもなる。
③最大反応速度の原理
共通(分岐点の)中間体は、関与する代謝経路のうち、
最大の反応速度をもつ経路に流れる。
より正確に言えば、、、
代謝経路間の『速度の比率』に応じたバランスで流れる。
④代謝パターンは内外の要因により変動する。
生体エネルギーと酵素
Ⅰ熱力学の第二法則
Ⅱ酵素の分子活性と代謝テンポ
Ⅲ代謝パターンの調節
本日のまとめ
・生命は第二法則にしたがって秩序を形成する
・生命は散逸構造である
・散逸構造としての生命の基本は共役化学反応の原理に
基づく。その仕組みは酵素にある
・すべての代謝は酵素によって触媒される
・代謝パターンは律速酵素の調節によって決まる