第6章 税金と財政の あり方を考える

第6章
税金と財政の
あり方を考える
1.「大きな政府」対「小さな政府」
 行政サービスの充実度と国民の負担の大きさには連動性あり
 「大きな政府」を批判的に捉え、「小さな政府」を主張する傾向
 大きな政府
・行政サービスの運営が非効率 ⇒ 「お役所仕事」 民業圧迫
・大衆迎合主義 ⇒ 「受益と負担」の関係が見えにくい
 国民負担率
・国民負担率=(租税負担+社会保障負担)/国民所得×100%
・少子高齢化が進行し、日本の国民負担率は次第に上昇する見込み
2.税金の納め方と使い方
 直接税 ex.所得税,法人税
・高所得者ほど税率が高い累進性
・すべての国民の所得を正確に把握することは困難
 間接税 ex.消費税,酒税,たばこ税
・低所得者ほど負担が重い逆進性
 効率性と公平性
・需要の価格弾力性が小さい商品にこそ高い税率をかけるべき?
2.税金の納め方と使い方
 公共投資(公共事業)
・乗数効果 ⇒ 公共投資を増やすことで民間の需要も誘発され、
実際の投資額を上回る経済効果が生み出される。
・マイナスの乗数効果
⇒
景気回復後の増税を予見した人々が
消費を控え、貯蓄を行う。
※人々が合理的であればあるほど、
公共投資による乗数効果は小さくなる。
3.財政赤字をめぐるさまざまな議論
 財政赤字
⇒
税収ではまかなえない行政サービスの経費
 景気回復が先か、財政再建が先か
・景気回復⇒所得増⇒税収・消費増⇒財政再建?
※民間企業や消費者の経済活動を促す
規制緩和や税制面・制度面の見直しが重要
4.世代と世代の利害対立
 公的年金
・負担を次の世代へと先送りする賦課方式
・少子高齢化により、年金の規模は今後縮小?
 「利他的」
・貯蓄を残すことで、将来世代の「効用」も最大化