考えるロボットを目指して

考えるロボットを目指して
情報理工学部・情報知能学科
H207951
可知大資
研究の目的
 バーチャルな世界でのロボットの再現でなく、現
実世界で身体性を持ったロボットが知的に振舞う
ということを目指す
知的に振舞うロボットとは何か?
• 自らが世界を認識し、世界に作用できるロ
ボット
• ロボットが持つセンサだけで世界の情報を取
得し、それを元に世界を走行出来たら知的と
は言えないだろうか?
• 人間とロボットがインタラクション出来たら知
的と言えないだろうか?
世界に作用できるとは何か?
 ロボットの状況を変化させることなくロボットが
移動するのに対して、 ロボットが作業しやすい
ようにする
 もしくは目的を達成するために、必要ならば周り
の状況を操作する
 必然的に、静的な世界ではなく動的な(刻々と状
況が変化しうる)世界でロボットが最適な行動を
とれるようにする
そこから見えるハードウェア
 世界を自由に移動するための体が必要
 世界を認識するための各種センサが必要
 最終的には世界に作用できるように人間に近い身
体性を持ったハードウェアが必要となってくる
(アームなどの導入)
研究の概要
 目標を達成するためにはハードウェアとソフト
ウェアが必要となってくる
 本研究ではハードウェアをメインに研究した
 しかし、最終的な目標である外界に作用できるロ
ボットまで研究は及ばず、そこに至るためのハー
ドウェアの基礎の作成にとどまった
 ソフトウェアは共同研究者の中谷聡太郎に一任し
た
ハードウェア・ソフトウェア関係図
知的に振舞うロ
ボット
ソフトウェア
プランナー
ハードウェア
ロボット
シミュレー
タ
ハードウェア・ソフトウェア関係
 ハードウェア
 ロボットとその制御用のプログラムを指す
 外部センサの制御用のプログラムもハードウェアに
含まれる
 ソフトウェア(共同研究者、中谷の領域)
 プランナー、シミュレータなどのプログラムのこと
を指す
プランナーとは
 プランナーとはハードウェアから世界の情報を受
け取り、それを元に与えられた指令をその世界で
どうやったら行えるかをプランニングする
 世界の情報はすべてが送られるわけではなく、
ハードウェアが確認することのできる範囲に限ら
れる。そのためにプランナーとハードウェアは適
所で通信を行うことになる
 詳しいアルゴリズムなどの説明は共同研究者の中
谷の発表で行われます
開発計画①
 第一段階:ハードウェアの基本的な動作確認とソフ
トウェアとの妥当性(基本的な動作:前進・後進・
旋回)
 第二段階:ハードウェアに空間認識能力を付与する
 ホイルエンコーダの導入(正確な移動距離の把握)
 カメラの導入(世界の認識)
 デジタルコンパスの導入(旋回角度の把握)
 距離測定用の赤外線・超音波センサの導入(目標物ま
での移動距離の計測・障害物があった場合の検出)
開発計画②
 第三段階:第二段階で作成されたハードウェアに外
界に作用できるアームなどを搭載する
(自由度をより高くする)
 第四段階:第一~第三段階で得られたハードウェア
やデータを元に二足歩行ロボットへ転換
今回使用した主なパーツ
 Arduino Duemilanove 328
 TA7291P
 HMC6352(デジタルコンパスモジュール)
 タミヤ
楽しい工作シリーズ No.104 2チャンネ
ルリモコン ブルドーザー工作基本セット
Arduino
 Arduino は、マイクロコン
トローラを中心とした回
路、 Processing/Wiring 言語
を実装した開発環境から
構成されるシステム
TA7291P
 TA7291P は、正・逆転切り
替え用としてHブリッジド
ライバで正転・逆転・ス
トップ・ブレーキの4 モー
ドがコントロールできる
HMC6352
 I2Cで接続するだけで、方
角を知ることができる
 計測頻度を、秒間1回~20
回の範囲で選ぶことがで
きる
 分解能:0.1°
精度:1.0°
なぜこのハードウェアを選んだの
か
 Arduino・・・
扱いやすい、高度なことが出来る
 TA7291P・・・
モータ制御に必要なブリッジ回路を簡単に扱うこ
とが出来る
 HMC6352
自機の正確な旋回角度の測定に必要
 ブルドーザー工作基本セット・・・
車輪を使用した場合よりも走破性に優れる
完成したハードウェア
HMC6352
TA7291P
Arduino
完成したハードウェアでの実験
 1秒・2秒前進もしくは後進した場合の移動距離・
左右のズレ(誤差)が平均どれくらい出るのかの
確認
 90度左・右、それぞれ旋回させて平均してどれく
らいの旋回ができるのかの確認
実験概要①(前進・後進のテスト)
走行距
離計測
用の目
盛
スタート
ライン
このラインからどれだ
けズレたかで左右の誤
差の判定
このラインより右に出
たらプラス
左に出たらマイナスと
記録する
ロボット
実験概要②(右・左旋回のテスト)
ロボットを旋回さ
せてその旋回角度
の計測
ロボット
正確な旋回角
度を計測する
ために今回は
デジタルコンパ
スモジュール
を実装
ロボットとPCを
接続しその数
値を読み取る
こととした
データシート①
(1秒・2秒前進した場合の結果)
前進(1ms)
誤差(左右)
前進(2ms)
誤差(左右)
52
0.5
138.4
0.1
51.7
0.5
139.5
2.1
52
-0.8
139.2
1.1
52.5
0.4
140.2
2.9
51.5
0.7
139.5
0.8
51.6
0.7
138.8
-1.6
52.7
0.8
138.5
-1.9
52.8
0.8
141.3
1.2
51.9
-0.7
141.4
1.6
52
0.8
140.8
-0.1
平均(cm)
平均(cm)
52.07
平均(cm)
0.37
平均(cm)
139.76
0.62
データシート②
(1秒・2秒後進した場合の結果・90度右旋
回・左旋回した場合の結果)
後進(1ms)
誤差(左右) 後進(2ms)
右旋回
(90°)
誤差(左右)
左旋回(90°)
54
0.2
93.5
-1.3
93 不明
53.4
-1.5
92.5
-1.5
92 不明
53.3
2
93.5
-1
80 不明
53.8
-1
93
-0.8
96 不明
52.2
-1.2
94.8
-1.1
90 不明
52.8
-0.8
94
-1.8
97 不明
52.3
-0.4
95.6
-1.5
83 不明
53.6
-0.4
97.6
-1.3
83 不明
53
-0.4
95.3
0.1
88 不明
53.5
-1.4
96.6
-1.4
88 不明
平均(cm)
53.19
平均(cm)
-0.49
平均(cm)
94.64
平均(cm)
-1.16
平均(°) 平均(°)
89
90(視認できる限
り)
結果
 データシートを元にプランナーでのプランの設計
が可能になった
 プランナーがハードウェアを制御するための最低
限の関数が完成した
 少なくとも第一段階のハードウェアの基本的な動
作確認は出来たと言える
 左右への旋回も高い精度で行うことが出来る
 誤差が出てもデジタルコンパスモジュールで訂正が可能
課題①
 データシート②の左旋回を見ると値が不明になっ
ている→デジタルコンパスモジュールの値がうま
く受け取れていない
 速度設定が細かく行えない
 細かい速度調節が出来ないとセンサを付けたときにセンサ
の動作時間のラグによりセンサが思った通りの動作をして
くれない可能性がある
課題②
 現状ではハードウェア内だけで完結してしまって
おりソフトウェアの妥当性が試せていない
 当初予定していたセンサ類がほとんど搭載されて
いない(何もない世界・事前情報のある世界しか
走行できない)
 センサを用いないハードウェア制御に力を入れす
ぎた
 開発計画が活かせていない
展望
 課題①の問題点を解決するために機体の再設計が
必要
 制御用のソフトウェアは値の変更などで対応し、既
存の物をそのまま使用
 ハードウェアに搭載出来ていないセンサ類を搭載
する
 ソフトウェアとの連携
 それにより設定した世界を走破できるようにする
以下補足用スライド
なぜ二足歩行ロボットなのか
 外界に作用するハードウェアの作成ならば開発計
画の第三段階までで問題ない
 しかし第三段階までではロボットコンテストなど
に出場しているハードウェアとの差が出せない
 考えるロボットという至上命題を達成するために
はハードウェアの能力とともにその外見も必要と
考えた
 そのための二足歩行
先行研究― Robovie-R Ver.3
 Robovie-R Ver.3は研究開発用のプラットフォームで、
将来、高齢者や障害者と行動を共にして、買い物
など社会生活を支援することを目指したロボット
を開発のためのツール
 http://robomedia2006.blog.so-net.ne.jp/2010-05-05より
抜粋
我々の考えるロボット
 Robovieが人間の支援を視野に入れているのに対し
て、我々が考えているロボットはゴールを入力す
ればそれ単体でも行動できるロボット
 最終的にはあれとって、などの直接的な名称の指
示がなくても人間の挙動から人間が指示している
物体を認識し命令を遂行することをも今日として
いる
世界に作用できるとは何か?
A
B
C
A,B,Cの積み木があって、Cの
積み木を取れと命令した時にい
きなりCを取らずにA,Bをどかし
てCを取ったら知的ではないだ
ろうか?
それを実現するためには世界に
作用しなくてはならない