知的財産権

2.知的財産権の分類
2.1 分類の概要
知的
財産権
工業所有権
(広義)
工業所有
権(狭義)
その他の
工業所有
権法
著作権(狭義)
著作権
(広義)
著作隣接権
著作権法の範囲
著作者人格権
創作権
特許権
実用新案権
意匠権
標識権
商標権
その他の
著作権
2.2 その他の工業所有権
 商号(会社の名称)
商法
 営業秘密
不正競争防止法
 植物品種に関する審査基準、種苗法、
バイオテクノロジー成果の保護に関する
「特許出願審査基準」の改定案
2.3 その他著作権
 肖像権
民法
 半導体集積回路の回路配置に関
する法律(半導体チップ法)
2.4 知的財産権の全体像(広
義)
創作権
工業所有権
標識権
特許権,実用新案権,意匠権
商標権,
植物品種に関する権利
商号
営業秘密に関する権利
著作権
著作権,著作隣接権,
(著作者人格権),
(半導体集積回路配置
に関する権利)
(肖像権)
括弧内は、識者によって分類の枠組みが異なるもの
2.5 特許権と実用新案権
「自然法則を利用した技術的思想の創作」(特2,実2)
特許権




創作が高度なもの(新
規性、進歩性が必要)
「物」の発明と「方法」
の発明
審査基準に合致
出願日より20年間有
効
実用新案権




高度かどうかは問わ
れない(小発明)
「物品」に対する考案
のみ
形式審査のみ
出願日より6年間有効
2.6 著作権,著作者人格権,
著作隣接権
「思想又は感情を創作的に表現し
たものであって、文芸,学術,美術
又は音楽の範囲に属するもの」
(著2の1)
2.6.1 権利の性質
著作権(財産権)
著作者人格権
著作隣接権

財産的権利

人格的権利

財産的権利

譲渡可能

譲渡不可

譲渡可能
2.6.2 権利者
著作権(財産権)


著作者
または著作
者から権利を
継承されたも
の
著作者人格権

著作者
著作隣接権



実演家
CDやレコー
ドの製作者
放送事業者
(有線放送を
含む)
2.6.3 権利内容
著作権(財産権)









複製権
翻訳,翻案権
上演権,演奏権
上映権,頒布権
放送権,有線放送権
口述権
展示権
貸与権
その他
著作者人格権



公表権
氏名表示
権
同一性保
持権
著作隣接権






録音権
録画権
放送権,有線
放送権
貸与権
複製権
その他
2.6.4 権利保護期間
著作権(財産権)


一般著作物は著作者の
死後50年(共同著作物
の場合は最終死亡著作
者の死亡後)(著51)
無名、変名、団体名義の
著作物、又は写真の場
合公表後50年、公表さ
れなかった場合は創作
後50年(著52, 53, 55)
著作者人格権

原則として
永久
著作隣接権

実演,音の固
定,放送を
行ったときか
ら50年(著
101)
保護期間算定は、該当日が属する年の翌年1月1日から起算(著57, 101)
2.7 商号,商標
商号(商法)

商人が営業上の活動において自己を表示する名称
商標(商標法)



商品を製造・販売する事業者が、自己の商品と他者
の商品を識別するために、自己の商品に使用する
文字、図形、記号等のマーク
商品を識別するためのマークは商品商標
自己が提供するサービスを識別するためのマーク
が労務商標(サービスマーク)
(機能、構成、保護の違い)
商号
商品商標


商人の識別
文字で構成

無期限


最小行政区画
内(市,町,村,特
別区)の範囲



商品の識別
文字,図形,記
号等で構成
登録から10年
(更新可)
全国単一の権利
労務商標




サービスの識別
文字,図形,記号
等で構成
登録から10年
(更新可能)
全国単一の権利
2.8 特にプログラムとデータベースについて
????????????
「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸,学術,
美術又は音楽の範囲に属するもの」(著2の1)
プログラム及びデータベースは著作権で保護


プログラム 電子計算機を機能させて一(著作物)の結果を得
ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたもの
として表現したものをいう。(著2の10の2)
データベース 論文,数値,図形その他の情報の集合物で
あって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することが
できるように体系的に構成したものをいう。(著2の10の3)
(コンピュータソフトウェア保護について)

工業所有権で位置づけるか、著作権で位置づけ
るか、それとも第3の性格で位置づけるかについ
ては、立法論的問題は未だに残っている(現在は
一応、著作権で片がついているが…)。

「プログラムの著作物に係る登録の特例に関する
法律」制定。SOFTIC((財)ソフトウェア情報セン
ター) が昭和62年4月より指定登録機関として登
録開始。