考えることの科学 市川伸一 著

三回生 1613080049-5
梶原 渉
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第7章 推論は知識に誘導される
第8章 因果関係を推論する
第9章 自己の感情と他社の圧力
・他者の態度の分布を、自分の態度に引き寄せて推測
してしまう :総意誤認効果(false consensus effect)
ex.)煙草が好きな人は煙草が嫌いな人に比べて、より
多くの人間が煙草を好きだと推測しやすい。
・集団内の自分の位置を推測するとき、自尊感情を守
る方向に流れてしまう。(『人間、この信じやすきも
の』)
・人間は全体として不協和を低減するように方向づけら
れる:認知的不協和理論
協和:タバコを吸うと痩せる。
不協和:タバコを吸うと癌になる。
※情報に接するときだけでなく、情報を使って推論し、判
断するときにも自分にとって都合のよい方へバイアス
がかかる。
→同じ情報を与えられた場合、自分にとって都合の悪
い情報に対しては、「信頼するに足らない情報」とみな
す。(C.G.Lord)
・人間は自分の考えや判断が他者と一致しているかど
うかを絶えず気にかけている存在である。
ex.)三本の線問題
・他者、とりわけ「権威ある人」の主張を受け入れること
は機能的な論証でも正しい。
XはPに関しては信頼すべき権威である。
XはPを主張する。
∴Pは真である。
→問題Sに関して、Xによって述べられた言明の大部分
は真である。Pは問題Sに関して、Xによって述べられ
た名言である。よって、Pは真である。
〈命題〉
アインシュタインは、いかなるものも相対的であると証
明した。したがって、正・不正といったことも、文化に
よって異なる相対的なものだ。→偽
これまでは情報を受け取ることに着目
→では他者に伝えるときはどうか。
伝言ゲームでは、記憶容量の限界や、
スキーマなどによって、内容が変化
but
日常生活では感情的な
要因も加わってくる。
話の内容だけでなく、
話をしている私はどう思われるのか?
自己を守る(自己の評価を高めたい)。
相手に退屈をさせたくない。
時に大きな誤解と混乱!
自分の推論は何かしらの影響を受け、純粋に物事
を判断しているわけではない。
→人間はそうした自分の思考のしかたを自覚し、いっ
そう洗礼された適応的な思考の仕方を身につける
ことができる。
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市川伸一 (1997) 考えることの科学 中公新書
pp.131-186