スライド 1 - 静岡大学 桑原義彦 研究室

3.2.2 真空中の平面波
図3.7のz方向に進む平面波について考える。
[1] 波動方程式の解
電界はx成分のみで,xとyに関する偏微分は0
波数は
式(3.18)の波動方程式
となる。この解は
を式(3.20)に代入
は
正方向への進行波と負方向への進行波があり,速度は

v

v
1
H
j0

1

  0 0
 0 0

  E   j H
から

E
ix

k0


式(3.14)


iy
iz
ix
  E   / x  / y  / z  0
Ex
Ey
Ez
Ex
iy
0
0
iz
E
 / z  x i y
z
0

H


E x     jk0 z  jk0 z 
 jk0 z
  E1 e
 E 2 e    jk0 E1 e
 jk0 E 2 e jk0 z
z z 



k0    jk0 z  jk0 z 
1 
 jk0 z
jk0 z 
Hy 
 jk0 E 2 e  
 E2 e 
  jk0 E1 e
 E1 e
j0 
 0 

波動インピーダンス
1
0

k0
0

  0 0
0

0
0
 1  Ex
0

j0 
z

0

[2] 平面波とその伝播
第1項がz方向に伝播する真空中の平面波
平面波の電界と磁界の瞬時値
波長:
伝播速度:
でz軸の正方向に移動する波動
[3] 平面波のポインチングベクトル


ix
E H *  E1
0
iy
0
E1* /  0
iz
E1
2
0 
iz
0
0
例題3.4 周波数300MHz,電界の実効値
平面波
,
(1) 波長:

E1  1[V ]
の真空を伝播する
(2) 波数:
(3) 磁界の実効値:
(4) ポインチング電力:
(5) z軸に垂直な面内の半径2mの円内を通過する電力
[mW]
3.2.3 無損失誘電帯中の平面波
次の式で媒質定数が与えられる無損失誘電帯中の平面波
εs:比誘電率, μs :比透磁率,波数は
誘電体中の平面波は
誘電体の波動インピーダンスは
にσ=0を代入


k    より k    ,また 
より  k  


2
2

伝播速度は式(2.29)(p21)から
誘電体中の平面波の速度vと波長λは真空中の速度cと波長λ0を用い
屈折率はn>1で,誘電体中の
平面波は真空に比較し
速度が遅く波長が短縮される。
例題3.5 f=300MHzの平面波が
比誘電率εs=4,比透磁率μs=1の
誘電体中を伝播している。伝播速度は
波長は
波数は
波動インピーダンスは
3.2.4 損失媒質中の平面波
複素誘電率
を定義し
に適用する。損失媒質中の平面波の波数は
損失媒質中の平面波
損失媒質の波動インピーダンス

波数を k    j とおくと
検算

2  
2
2










2
2
2


 
1 
1
 
1 
 1




2 
 
2 
 






2



 
2
2   2 1  

1





  
  
  

 

k 2   2   2   j 2   2  j   2 1  j




となって式(3.20)に一致する。式(3.40)より
振幅がe-αzに比例して減衰しながら速度v=ω/βで伝播
電界および磁界の振幅が
減衰するのは,電界Eによ
り導電電流J=σEが流
れてジュール損が発生し,
電磁波が運ぶエネルギー
の一部が熱エネルギーと
して消費されるため。
:誘電正接で導電性の程度を表す。
変位電流密度
と導電電流密度
の比
:損失が十分小さい
 
 

 
2 


 
2 


2
2

1  
1
 

 
1 
1 


 1  
 1  

2
2

2

2








1  

 
1 

1


2



   

2
2   
  

2

2


:良導体
 

 
2 


 
 
2 


   
 


 
1 

1



1








2

2 
2





2


2
   


 
1 
 1  

 1 
2   
2
  


表皮の深さ(skin depth)δs:電磁波が媒質に浸透する目安。電界の
振幅が表面の1/e倍になる深さ:
でαz=1となるz。
良導体のδsは
*は良導体の条件(
)が満たされていない
例題3.6 f=10GHzの銀の表皮の深さ。ただし
表皮効果:導電率が大きく周波数が高いほど電磁波は内部に進むこ
とができない。完全導体σ=0のときδs=0で,電磁波はすべて反射さ
れる。
3.2.5 任意の方向に伝播する電磁波
自由空間中を任意の方向に伝播する平面波
k:波数ベクトルで,絶対値が
方向が平面波進行方向。
と
とkは互いに直交
2
c
2f

k
,   k 
c

f
c
k

0
0
c0 0



0

k
 0 0
等位相面(波面):電界と磁界の位相が
一定となる面。平面波の等位相面は進
行方向に直交した平面。平面波では,
等位相面が速度cでkの方向へ移動。
3.2.6 偏波
例題3.7 直線偏波の表現