描写練習 - 国立大学法人 大阪教育大学

描写練習
描写で書ける?
描写で書くには、どうする?
野浪のサンプル
•
大学から駅への階段を降りる途中で見上げる午後
5:50の空はもう夕焼け状態で、青い空に浮かぶ雲が
夕日に照らされて薄橙色になっていた。
描写(視覚) 時空間・知覚動詞・色・(形)・行動
•
草むらからはコオロギの声。
描写(聴覚) 空間・音
•
•
半袖ポロシャツ+ウィンドブレーカーに吹いてくる風は
ちょっと涼しすぎる。 描写(触覚)
秋が来たんだ。 心理描写(その時の「私」の)
51510
1.
自動販売機に、「あったか~い」の表示が登場
し始めた。
記述。
近づくと、自動販売機には「あったか~い」の表
示があった。
52411

急に天気が変わった。
事態記述

女心と秋の空という言葉をしみじみと感じなが
ら秋を感じた。 心理描写?

秋が来た。事態記述
52478

季節限定の栗味とかさつまいも味のおかしとか
がコンビニにいっぱい並んでるとつい買ってし
まう…食欲の秋やなぁ…
行動記述+説明
52447


昨日の帰り道、キンモクセイの香りがした。
もっと詳しく書けば、描写らしくなる
姿は見えなかったけど。
52424

コンロに焼き芋焼き器がどっかり居座っているの
を見て、僕はもう秋が来たんだなぁと思う。

台所のコンロに芋焼き器が乗っていた。秋が来
たんだなぁと思った。
事態は細分化して文に配置する。
不定時よりは確定時で示す。
52103
1.
2.
冷蔵庫を開けると,梨と柿が皿に盛られている
のが目に入った。
秋が来たことを感じた。
事物描写と心理描写(その時点の「私」の)
52417

昼、A塔からC塔に移動する時に少し汗ばんでアイスク
リームを求め、日が傾いた帰り道に少し凍えておでんを
求む。
事態記述+事態記述

まさに秋。
事態説明(所属)

夏と冬の間だ。
事態説明(所属)
52471

朝起きると肌寒い。
動作記述+心理(皮膚感覚)記述

そろそろパッチが必要だ。
説明(状態判断)

嗚呼、秋が来た。
心理表出+事態記述
54212
•
•
•
•
朝布団から出て窓を開ける。
行動記述? いつもの行為?
まぶしい太陽と共に入ってくる風は、眠気をは
らうほど冷たくなってきた。
描写 変化の結果の発見
いつのまにかタオルケット1枚で過ごせる夜も
なくなったなぁ。
心理描写
もう秋だ。
心理描写
52451
•
高原の澄んだ夜を照らすように月が出ていて、
その下の繁みにちらほらと輝く実が見え隠れ
する。
•
月が高原の澄んだ夜を照らしている。私が歩
むと、繁みの中の輝く実が見え隠れする。
52107
•
•
•
•
•
夏にはあれほど暴力的だった陽の光の中に優
しさや丸さが感じられる。
心理描写
ときおり吹く風にはこの先の冬を思わせる悲し
さがある。心理描写
そんな風に吹かれた夕暮れ街角にポツンとた
たずむ自販機を見つけた。
無性にココアが飲みたくなった。心理描写
秋が来た。心理描写
52437-1


街を歩いていると、半袖姿の人が数える程しか
いない。
事態記述? 事態描写?
そういう自分も一枚羽織って家を出ている。
行動記述
52437-2



体操服姿の小学生が駆けていく。
描写
小学校の前を通ると、運動場に入退場門がそ
びえ立っている。
描写
家に帰り本を読んでいると、「天国と地獄」の
メロディーが軽快に流れてくる。
描写
52437-3


朝、新聞に目を落とすと、プロ野球のある球
団がマジック一桁になっている。
朝、新聞に目を落とすと、日本シリーズ開幕
の見出しが出ていた。
両方とも 描写
52437-4


夕方の空が、いつもより赤い色に感じる。
情景描写? 心理描写?
知覚動詞を術語とする文は、知覚内容を叙述内容
と考える。
夕方の空が、いつもより赤い。
肌寒い風が吹いて、つい建物の中に入ってしまう人が
いる。
これは描写ではなく、記述(語り手の操作という点で)。
もう少し「風と人の動作」の関係を書かないと。
肌寒い風が襲ってきた。前を歩いている人が「ウウ
ウ」と言って、阪急百貨店に入っていった。
52105

雲ひとつない夜空に青白い満月がぽつんと浮
かんでいる。
こういう夜空に星が出ていないわけがないか
ら、実景ではない描写。
描写によって、自分が考えた世界が表現でき
る。
52469

クラブの練習をしていると、時計の針はまだ五
時をさしているのに、日が沈んでいる。
たくさんの要素を詰め込むと、時間が長くなって
記述になりがち。
評価語をつけると描写性が落ちる。

もう秋かよ!!
52104

夏の頃より高く、澄んだ空。
描写

顔に当たる風がひんやりする。
描写
顔に当たる風でひんやりする。
ひんやりとした風が顔に当たる。

木々がさまざまな色を身にまとう。
記述
比喩を使うと描写性が落ちる(説明的だから)

秋だなぁ。 前文が記述だと、描写する視点人
物が消えてしまい、語り手の心情表出になる
52405

飼っている小鳥の羽根が冬毛になった。 記述
飼っている小鳥の羽根が冬毛になって、少し
太ったように見える。

夏が終わり、冬の準備。
季節は秋。

記述
説明
52432




ぴんとした空気。
澄んだ高い空。
きんもくせいの甘い匂い。
―秋―私をドキドキさせるもの。
描写
描写
描写
説明
述語を省略した場合、その補完は読み手の想
像力に任される。ディフォルトは存在の「があ
る」。
54205


新米のご飯と一緒にシャリシャリとお漬物を食べ
る。
描写
今年も秋がきたんだなぁ。
心理描写(その場の「私」の)
52444
1.
2.
3.
4.
5.
こう寒くなってくると雪が降るのではないかと
薄々心配している僕ですが、いかがお過ごしで
しょうか。
雪といえば真っ白なんですが、僕は同時に真っ
白な大根に想いを馳せてしまいます。
真っ白な大根・・大根おろしにして秋刀魚にでも
かけて・・・。
あっ、秋刀魚といえば食欲の秋、冬の前に秋が
ありましたね。
秋が来た。全体が手紙文という描写