文型と叙述法 - 国立大学法人 大阪教育大学

文型と叙述法の関係
林四郎指導
「基本文型による国語教育の改造」
長野県飯田西中学校国語研究会著
による
日本語の4文型
• スル系
スル文…行為・動作 お茶を飲んだ
ナル文…変化
緑茶が紅茶になる
• アル系
ガアル文…存在
大阪に通天閣がある
デアル文…同定・所属・性質・状態
例文は後で。
文型に見る認識の発展
•
•
•
•
ガアル文
スル文
ナル文
デアル文
問題の発見 教室の隅に紙がある
解決の行為 それを片づけた
変化の確認 綺麗になった
意味の発見 掃除はいいことだ
掃除しなかった俺は駄目な奴だ
ここに駄目な俺がいる
駄目で無くなるために、…をする
:
スル系
• スル文
読む・流れる・立つ・練習する…
• ナル文
なる・変わる・変化する…
アル系
• ガアル文
存在 図書室は校舎の端にある。
太田さんが教室にいる。
• デアル文
同定 太田さんは本校の生徒会長です。
所属 太田さんは中学生です。
性質 太田さんはやさしい。
状態 太田さんは病気だ。
叙述法と文型の関係(スル系スル文)
• スル文
行為・動作の継続時間が短い場合は描写。
「よーいどん」で、第一走者が走り出した。
行為・動作の継続時間が長い場合は記述。
2時間余りランナーは走り続けた。
叙述法と文型の関係(スル系ナル文)
• ナル文
変化の結果を述べている場合は描写。
10年見ていなかった甥は、180cmの大男になってい
た
変化の継続時間が短い場合は描写。
水溶液の中に試薬bを入れると青くなった。
〃
長い場合は記述。
太平洋戦争後50年で、日本は経済大国になった。
叙述法と文型の関係(ガアル文)
• 存在を恒常的事態として述べている場合は
記述。
校舎の端に図書館がある。
昔、校舎の端に図書館があった。
• 存在を発見したこととして述べている場合は
描写。
角を曲がると、図書館があった。
叙述法と文型の関係(デアル文)
• 語り手(表現主体)による判断の場合は、
説明・評価。
太田さんは優しい。
• 登場人物による判断の場合は、
心理描写。
花子は「太田さんは優しい。」と思った。