原子の相対質量 原子:非常に小さい:1Hの質量 1.7×10-24 g 各原子の質量を比べたい 何か基準にして相対的な質 量を決めておけば便利 12C 12Cの相対質量を12とする 教科書 p.85-87 23Naの相対質量を求めてみる。 23Naの質量=38.1754×10-24 g 12Cの質量=19.9265×10-24 g 相対質量 38.1754×10-24 g 19.9265×10-24 g 27Al=26.9815 31P=30.9738 ×12=22.9897 各原子の相対質量は 質量数とほぼ同じ 原子の重さ 電子<<陽子≒中性子 教科書 p.87 教科書 p.87 原子量 天然中の元素は同位体が含まれているものもある 同位体の相対質量と存在 比から求めた各元素の原 子の平均相対質量 = a Aの相対質量× 100 + b Bの相対質量× 100 + c Cの相対質量× 100 原子量 例:塩素 35Cl=75.77 % 37Cl=24.23 % 原子量 34.97× 75.77 100 同位体 存在比 相対質量 35Cl 75.77 % 34.97 37Cl 24.23 % 36.97 + 36.97× 塩素の原子量は35.45 24.23 100 = 35.45 (原子量は単位ない) 教科書 p.87 分子量・式量 分子量:分子を形成している全ての原子の原子量の和 例:二酸化炭素 CO2 二酸化炭素の分子量= 炭素の原子量+酸素の原子量×2=44.01 12.01 16.00 金属,イオン結合:分子に相当する単位粒子はない 組成式で表す 式量:組成式の原子の原子量の和 教科書 p.87,163-164 •例 塩化ナトリウム NaCl NaClの式量 23.0+35.5=58.5 金属 例:アルミニウム 27.0 原子の電子配置 電子 原子核 原子スペクトル: 元素にエネルギーを与えると光が発生 電子はどこに存在? 電子殻 放電 H2 発光 プリズム 2H エネルギーが高 い 何本かの特定波長の光観測 元素を変えると変わる Hの場合 (単位 nm) 656.3, 486.1, 434.0, 410.2 ボーアの原子モデル n=4 n=3 1.電子は原子核の周りを決めら れたレール上のみを動く n=2 n=1 光放出 殻 2.殻は特定のエネルギーを持っ 原子核 ている K殻 3.原子核から遠い殻がエネル L殻 ギー高い 4.エネルギーを与えると上の殻へ ジャンプできる。エネルギーを放出 してもとの殻にもどる エネルギーを与える M殻 N殻 教科書 p.93 物質の波動性と量子化 電子は一定のエネルギーをもつ =連続したエネルギーをもたない=エネルギーが量子化されている →波動としての性質に起因する 光は波動であるが,粒子としての性質も持つ,ということを発見 (プランク,アインシュタイン) 物質に光をあてると,電子がでてくる→光電効果 一定の振動数以上の光が必要 デジタルカメラは光電効果を利用 http://f42.aaa.livedoor.jp/~bands/ccd/ccd.html ドブロイ →電子など,他の粒子も波動としての性質をあわせもつ→物質波 実際に電子線が波動の特徴である回折・干渉を起こすことが確かめ られた 電子顕微鏡はこの性質を利用 定常波と量子化 電子が波動として原子核の周りに存在 →定常波でなければならない →円軌道の一周の長さは波長の整数倍 波のエネルギーは波長に依存 →量子化は電子が波動性を持ち,定常波として存在するこ とに起因する http://sffan367.rsjp.net/magazine/column/quantum/200311.shtml シュレディンガーの波動方程式 波動として原子核の周りに存在している電子の状態を,どのよう に知るか →波動方程式 Hφ=Eφ ハイゼンベルグの不確定性原理 →電子のような質量の小さいものは位置と運動量を同時に決定 できない →知ることができるのは,存在確率 →波動方程式の解(φ波動関数)は複素数 電子雲 φ2が空間内の各点における存在確率を表す→原子の大きさの 空間のどこかに存在し,非常に高速で動いているために,化学反 応の時間スケールでは,原子内に電子が広がって分布している とみなしてよい→軌道の実態→電子雲 主量子数 エネルギーの違いにより,電子は異なる軌道をとる →シュレディンガーの波動方程式の解として得られる →量子数とエネルギーのセットが解 n: 主量子数→電子の定常波の個数に相当し,それぞれの軌 道のエネルギー準位を決めている→主エネルギー準位 nが大きいほど軌道の広がりは大きく,エネルギーは高くなる 高いところの物は下に落ちようとする →エネルギーの小さい状態になろうとする n=1 K殻, n=2 L殻, n=3 M殻, n=4 N殻 教科書 p.94 教科書 p.95 殻に入ることのできる電子の数 n 殻の名称 最大収容電子数 電子配置 1 2 K殻 L殻 2 8 3 4 M殻 N殻 18 32 n 2×n2 エネルギー増加 電子はエネルギーの低い殻から入っていく 例:Alの場合 Alは13番元素 電子の数13 K殻 L殻 M殻 2 8 3 方位量子数 教科書 p.96 電子が複数ある場合は,電子同士が影響を及ぼしあい,エネ ルギーの異なるいくつかの状態が存在する →同じ主量子数でも,電子の角運動量に違いが生じ,軌道の 形が異なってくる →副殻,副エネルギー準位→方位量子数(l)により決まる l :方位量子数 それぞれのnについて,l は0,1,2,・・・n-1のn個の値をとる l =0 s軌道, l =1 p軌道, l =2 d軌道 l =3 f軌道 n=1のときは l =0→1s軌道 n=2のときは l =0, 1→2s軌道, 2p軌道 n=3のときは l =0, 1, 2→3s軌道, 3p軌道, 3d軌道 磁気量子数,スピン量子数 同じ方位量子数でも,電子の磁場と外部磁場との相互作用により, いくつかの軌道が存在 →軌道の方向が異なる→磁気量子数(m)により決まる m:磁気量子数 それぞれの l について,mは-l, -l +1,・・・l -1, 1の2l +1個の値をとる l =0→s軌道 m=0の1個のみ l =1→p軌道 m=-1, 0, 1の3個→px, py, pz軌道 スピン量子数(s) →各軌道において,電子は自転の方向が異なる状態が存在する →それぞれの軌道について,sは-1/2, +1/2の値をとる →電子を2個収容できる +1/2 上向き磁場 -1/2 下向き磁場 各軌道の定員 s軌道 p軌道 d軌道 f軌道 教科書 p.98 1個の軌道に電子2個収容 3個の軌道(px, py, pz軌道)に電子2個ずつ,計6個収容 5個の軌道に電子2個ずつ,計10個収容 7個の軌道に電子2個ずつ,計14個収容 n=3 「3階席」 3d 4s 3s 3p n=2 2p 2s n=1 「舞台」 「2階席」 1s 「観客席」 「1階席」 原子の電子配置 主量子数 3p5 電子の数 方位量子数 1s2 1s2 1s21s2 1s2 1s2 1s2 1s2 1s2 1s21s2 1s2 1s2 1s2 2s1 2s2 2s2 2s2 2s22s2 2s2 2s2 2s2 2s2 2s2 2s22s2 2s2 2s2 2s2 K殻(主量子数1) 1s1 1s2 1s2 1s2 L殻(主量子数2) 2p12p2 2p32p42p52p6 2p62p6 2p62p62p62p6 2p62p6 3s1 3s2 3s2 3s23s2 3s2 3s2 3s2 M殻(主量子数2) 教科書 p.101 3p13p23p3 3p4 3p53p6 原子の電子配置 He Be 1s2 O 2p4 1s2あと6個 2s2 あと4個 Ne 2p6 1s2あと8個 2s2 あと6個 Na 6あと1個 2 あと7個 2p 3s1 1s2あと9個 2s Cl 3s2あと5個 3p5 1s2あと15個 2p6あと7個 2s2 あと13個 4 2 9 4 16 8 20 10 23 11 35 17 2 あと2個 1s2 2s 教科書 p.101 副殻における電子配置 p軌道の3個の軌道(px, py, pz軌道)にどのように電子が入るか →最初はpx, py, pzには一つずつ入る スピンの向き同じ (フントの規則) px py pz p3 → ↑ ↑ ↑ px py pz px, py, pz全部には一つずつ入ったら,次の電子は残りの空席 を埋めていく スピンの向きは最初に入った電子と逆 p4 → px py pz ↑↓ ↑ ↑ 電子対 不対電子 不対電子:結合を形成 スピンの向き同じ →磁性の原因 価電子 電子配置の重要性 最外殻電子の数:化学的性質を決 める大きな要因 (価電子) 教科書 p.102 価電子数同じ 似た化学的性質 価電子の配置 原子が結合を形成するときには,基底状態と異なる電子配置をとる 22s22p2 C 1s 6 基底状態ではエネルギーが低いs軌道がまず埋まる s ↑↓ px py pz ↑ ↑ 不対電子2個 →結合によりできるペアは2組 励起状態ではs軌道の電子がp軌道に移動 s ↑↓ px py pz ↑ ↑ ↑ 不対電子4個 →こちらのほうがペアがたくさんできてHappy! ルイスの点電子式 教科書 p.103 •最外殻電子の数を点(・)であらわす 結合に関与 最外核電子(価電子) 2 He 1s 2 22s22p1 B 1s 5 22s22p2 C 1s 6 22s22p3 N 1s 7 He B C N 22s22p5 F 1s 9 F 22s22p6 Ne 1s 10 Ne 22s22p63s2 Mg 1s 12 Mg
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