プロペラの変移と現在

プロペラの変移と現在
82148035 北本理紗
発表内容
プロペラになるまで
 プロペラの種類
 現在のプロペラの問題点

プロペラになるまで
櫂車の発明

船の推進方法
人の力: 棹、オール、櫂、櫓
機械的に動かす

櫂車の発明
数本の櫂を1軸の周囲に取
り付けて、軸を回転させれば
よいという発想
外車の発明

外車の発明
軸だけではなく、周りも固定する
ことでより丈夫にした
ミラーが発明した外車

外輪船
外車の回転軸を船の舷縁に載
せ、それを固定する。軸の中央
に綱を巻きつけ、その綱を引き、
力を得る
外車で推進する船
(16世紀における西洋の記録より)
推進器の歴史的転換

蒸気機関の発明
17世紀頃に蒸気機関が
発明、改良される
蒸気機関で船を推進させようと
考える
ワットの複動型蒸気機関(1775年)
外車と蒸気機関をつなぎ、回転させ
推進させる
シャロット・ダンダス号(イギリス、1802年)
外車の特徴
利点
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
船の喫水を浅くすることができる
船の進退が自由である
欠点
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外車が水線上に露出しているため波浪、または
漂流物等により破損することが多い
外車装置のため船の載貨力を比較的多く奪われ
る
プロペラの誕生
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スクリュープロペラ
イギリスでは、ウィリアム・リットルトンが
スクリュープロペラを考案
リットルトンのスクリュープロペラ(1794年、イギリス)

ジョン・スチブンスが4翼のスク
リュープロペラを2機搭載した
小型艇(2軸船)を造る
リットル・ジュリアナ号(1804年、イギリス)
プロペラの実用化

1845年3月、イギリス海軍はプロペラ船と外輪船の性能を比
較するため、スクリュープロペラを備えた867トンのラトラー
号と800トンの外輪蒸気軍艦アレクト号を風向きや帆走併用
など条件を変えて競走させた。いずれもラトラーが勝ち、最後
に綱引きを行なわせた結果、ラトラーが2.8ノットでアレクトを
曳航したことで、ラトラーのスクリュープロペラが有効であると
結論付けられた。
現在のプロペラ
固定ピッチプロペラ

プロペラ翼がボスに固定さ
れているプロペラ

構造が簡単であるが効率
がよく、信頼性も高い
二重反転プロペラ

プロペラ軸を内側と外側に
分け、それぞれ回転方向を
反対にしたもの。

1909年に登場したが、構
造の複雑さから実用化にな
るまでに時間がかかる。19
50年頃に広まる。
可変ピッチプロペラ

プロペラの回転方向や回転速度
を一定にしたままで、プロペラ翼
の角度を自由に変えることがで
きる

船速を自由に変化させることや、
船の前進、後退をスムーズに行
うことができる

小型船、漁船などに適している
フォイト・シュナイダー・プロペラ

シュナイダー(Schneider)が発明
したプロペラ。
船底に設置した円盤に、櫓や櫂の
水中で水をかく先端部分に似たブ
レードを4~6枚垂直に取り付けた
もので、円盤が回転する。
プロペラと舵の両方の役割をはた
す。
交通船、曳船に使われる。
ポッド推進器

電動モーターが内臓された
推進器
360度回転する
ポッド推進器
<利点>
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環境にやさしい
静かである
機関配置を自由にできる
エンジンからプロペラまでの軸が不要
二重反転
ポッド推進器
プロペラの問題点
腐食

ボス付近の流速の遅い所
と翼の先端の流速が速い
所との間に、海水が電解液
としての役割をし、局部電
池が形成されて翼先端が
腐食する
<対策>
保護亜鉛を使用する
材質をより均一にする


キャビテーション

プロペラの回転速度がある
限度を超えると、翼の背面
の圧力が低くなり、水蒸気
や空気のたまった空洞部
が発生する現象
<対策>
より深いところにプロペラを
設置する
ゆっくり回転させる
小さな穴をあける
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振動
原因
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
キャビテーションやカルマン渦の発生
ピッチの不均一
プロペラ中心線と軸系装置の中心線の不一致
ローリング等によるプロペラの深度の激しい変化
軸系装置の固有振動とプロペラの振動が一致し、共振状態
となる
まとめ
ものが形成されるには、さまざまな背景がある
 現在のプロペラにも問題点がある

参考文献
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船の世界史・上巻(上野喜一郎 著)
実用 船舶工学(高城清 著)
船の歴史文化図鑑ー船と航海の世界史ー(ブライアン・レイヴァリ 著)
船舶知識のABC<7訂版>(池田宗雄 著)
かもめプロペラ(株)の資料(インターンシップにていただいたもの)
プロペラと軸系装置(青木健 著)
船の軸系とプロペラ(石原里次 著)
船この巨大で力強い輸送システム(野沢和男 著)
日本大百科全書(相賀徹夫 著)
http://www.nmri.go.jp/main/etc/kaisetsu/0009.html
http://www.nmri.go.jp/act/research/kawanami/pod_j.html
http://www.marinetech.jp