9年間の交流を振り返って 東海林 裕一 2003年5月24日 第5回交流を考えるネットワーク研究会資料 なぜ交流をするの?理念みたいなものは何かな? 学校内での体験、校外行事などへの参加が地域校で 自由にできる 交流を通じて、その子の生活年齢に見合った経験 を地域の中で積み重ねることができる 同年代の理解、同年代の親たちの理解が進む。本人 も社会性が次第に身につくようになる。 地域での交流の核となる。高校卒業後の進路選択や社会 に出てからの対人関係に変化・・・?(最初からは期待 しない)が表れるかもしれない(最後には期待) さあ、交流を始めよう。でもその前に考えることは? なぜ交流をするのか?その意義を考えよう。納得する か?まず始めるか、それぞれ人によりけりですが・・。 ①何かいいことあるの? ②何をするの? ③メリット、デメリットをよく考えてみよう ④どんな交流をしたいのか? さあ学校に話をして、地域校にアプローチ。まず、地域校 の雰囲気、学校長の考えを確かめに親子で訪問しよう。 (交流の前年には意思表示していたほうがよい) 雰囲気がOK⇒交流開始、で気をつけることのポイント 子供の状態や移動の手段、受け入れの回数など、必要 事項を相談して決めましょう。そして交流の中身をよい方 向へ徐々に改善してゆきましょう。 ①交流先への送迎方法、交流中のかかわり方 ②交流先でのバリアフリーの整備状況(スロープ、トイレ、 音楽室、体育館へのルートなど)と移動手段 ③交流時の付き添いは原則先生にお願いしよう ④学校内外での行事には積極的に参加しよう ⑤小学校は担任の先生の裁量が物をいう ⑥好きな科目が入れてもらえるとGOODです ⑦本人を参加させる授業展開があるといいね ⑧養護学校、本人(保護者)、交流先の担任との情報交換は重 要。定期的な話し合いを持ちましょう。 ⑨自然には分かり合えないことも多い。本人を級友たちへ紹介 する方法を具体的に提示しましょう。 ⑩中学校:交流生徒のことを理解する機会が授業時間内に設け られている事が大切です。 交流に通いながら、いろいろな工夫をしてゆき、その子 供にあったやり方を見つけていくものだと思います。交流 の仕方も各人各様で決まったものはありません。 でも、交流を安全に安心して行うための基本的な事柄は マニュアルとして抑えておいた方がいいでしょう。そいうも のをまとめました。 安全・安心マニュアルについて 【目的】地域校での交流を安全に、効果的に行うためには、これまで のいろいろな方々の経験を基に、安全・安心を確保するためのノウハ ウ集みたいのを作るといいのではないか。 【項目】親(保護者)の立場から安全、コミュニケーション •交流準備:面談、申し込み、本人の希望、下見など •交流先:挨拶と紹介、付き添いの服装、移動(階段)、トイレ •節目にあたって:卒業記念、感謝の気持ちを表わそう •校外交流:積極的参加(事前の情報収集を)、移動は重労働 •授業以外のイベント:怪我をしないように(例:運動会) •中学校:好きな学科を見つけよう、親も勉強を楽しもう、 マニュアル(1)~安全性の確保~ 校内の階段では生徒に荷物をもっても らう、介助を頼むなど安全確保を 中学生ぐらいだと車椅子を4人で抱えて 階段を昇降できる できるだけスロープ設置をお願いしよう 運動会では競技参加のリハーサル を! 車椅子の転倒に注意 交流先でスリッパは危険!必ず運動靴(上履き) 持参を マニュアル(2)~コミュニケーション~ 面談:交流受け入れ校の雰囲気を確認し、希望を伝えよう 挨拶・紹介:挨拶はきちんと言おう(職員室にも顔を出す) クラスでの挨拶:本人に「おやようございます、さようなら」を 言ってもらい、クラス全体への認識を深めてもらおう 学年イベント:朝礼、球技大会などでは他の学年や他のクラス に紹介できるいいチャンス、躊躇せず紹介してもらおう 卒業アルバムへの掲載:希望を伝えよう。スナップ写真、クラス 写真などはできるだけ事前に、担任と相談が必要 授業中の介助:必要最小限に。周囲の生徒の自主性や担任 に任せよう。 好きな授業を見つけよう:中学では必須 交流を通じて考えたこと ①何かいいことあるの?⇒地域の中で知り合いが増えると いうことは、それ自体生活していくうえで大きな安心感が生 まれます。 ②何をするの?⇒もちろん授業に参加して(あくまでも知り 合う手段、知識を身につけるなどは二の次です)、養護学 校では味わえない、あらゆる学校生活を経験することです。 ③メリットとデメリット⇒私たちの場合、デメリットはほとんど 感じなかった。兄弟児がどう感じるか、いじめに遭わないか など心配した時期もありましたが、 ④どんな交流をしたいのか⇒お互いを知り合うことに尽きま す。授業より運動会、運動会より修学旅行など、よりお互い が知り合えるチャンスだとおもいました。 現状の課題について 1.交流の頻度減少⇒土曜授業がなくなって、通える頻度が月に 1回程度に減った。土日の有効利用は・・無理? 2.交流の温度差⇒小学部>中学部>>高等部(子の学校の場 合) ⇒高学年ほど学校としての取り組みも期待できなくなる現 実。親が探し出すしか手がないのか?高校での社会性がどこで 養われるのかこの先心配。高学年ほど社会との接点を増やして 行くべきなのに・・。 3.送迎の負担軽減を!! 高学年になるほど、親の送迎が大変になる。体重は重くなるし、 親は体力が低下する。学校支援事業みたいなものを適用してもら い負担を軽減できるしくみを利用したい。 子どもの心と体の成長を支えてきたもの 社会へ 空白地域 大丈夫・・? 教 育 相 談 訓 練 会 養護学校 地 域 校 で の 交 流 高等部 15歳 中学部 乗 馬 10 療 歳 法 小学部 保育園(就学猶予) 5歳 定 期 的 な ボ イタ 法 プ ー ル で の 自 主 訓 練 活 リハセンター(通 動 園施設) 心の成長 体の成長
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